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大阪〜博多600km徒歩の旅(10)岡山県笠岡市〜広島県福山市

大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅
第10ステージ
岡山県笠岡市〜広島県福山市(15km)

3泊した倉敷に別れを告げ、10時10分発のJR山陽本線で昨日のゴール地である笠岡駅へ向かった。

10時40分、笠岡駅から徒歩の旅スタート。今日は国道2号線をまっすぐ進み、福山駅を目指す。昨日まで快晴だったが、これから3〜4日は天候が不安定になる。

橋の向こうに笠岡の干拓地が見えた。干拓地には農場があり、街に漂う臭いはそこから発生しているそうだ。

オーディブルで沢木耕太郎の『深夜特急2 マレー半島・シンガポール編』を聴きながら黙々と歩く。

やがて広島県に突入した。お腹が空いたけど周辺にお店はないので、昨日の「SOL BAKERY」で買ったクッキーを食べる。大粒のチョコやクルミがゴロゴロ入っていて、生地はザクザク。メチャクチャおいしかった。

10kmほど歩き、雨が降ってきたところでお昼休憩。

東福山の「美福食堂」は、その外観からして営業している気配がまるでせず、店が潰れているのかと思った。窓はカーテンで覆われ、中の様子は見えない。

(本当にやっているのか?)

お店を覗こうとすると、ちょうどドアが開いてサラリーマンが出てきて、「あ、営業してるんだ」とわかった。

昭和の雰囲気が残る店内には、人がたくさんいた。メニュー表を見て、その安さに驚く。オムライスが、380円? 安過ぎて逆に怖い。単に「汁」とだけ書かれた味噌汁(70円)も注文。

価格相応の味だったら嫌だな、という懸念もあったが、出てきたオムライスは激ウマで感動した。普通のお店なら「大盛り」で通用するボリュームだったし、なおかつ味に妥協がない。

仮に近所の洋食屋さんで1000円で出していたら、高いとも思わずにリピートしているだろう。そのくらい好みの味だった。そして味噌汁も出汁の味が非常に良かった。ほとんどの客が頼んでいた焼めし(350円)もおいしそうだった。

店を出ると少し雨が強まっていたため、レインジャケットを着て歩いた。

国道2号線に戻ると、なんと福山通運の本社があった。そのとき、「福山通運って福山市の『福山』だったのか!」と気付いた。てっきり「福山さん」が創業した運送会社だと思っていた。

また、その近くには「洋服の青山」の本社もあった。知らなかったな。福山すごいじゃないか。

雨の中を1時間ほど歩き、15時前にゴールの福山駅に到着。今日は雨が降ると見越して、昨日たくさん歩いておいたのが功を奏した。

駅構内のスタバでしばらく作業。一週間先までの行程を決定し、宮島周辺のホテルを予約した。

そのうち、駅の反対側(北口)すぐのところに福山城があることをXで教えてもらった。南側から歩いてきたから、全然気付かなかった。

そして北口に出てみて、思わず声が出そうになった。

すぐ目の前に、見事な福山城があった。しかもカッコいい。

地元の方から、「ここまで駅近のお城は他にないと思います。ちなみに福山駅は、昔はお城を囲むお堀だった場所です」と教えてくれた。なるほど、確かに「城の敷地内に駅を造った」という表現はしっくりくる。駅から徒歩1分、あるいは駅直結、という感じ。

今夜の宿「AREA INN FUSHIMICHO FUKUYAMA CASTLE SIDE」にチェックイン。建物の1階が「halappa」というオシャレなコワーキングスペースになっていて、そこが宿のフロントとしても機能している。

そしてこのコワーキングスペースで作業していたある男性に挨拶した。

「淺野さん!」

「あ〜、中村さん。お疲れさまでした。ようこそ福山へ」

彼は福山在住のライター、淺野陽介さん。実は昨年9月に彼から突然ご連絡があり、コンサルのご依頼をいただいたのだ。

ぼくは2020年からライターさん向けのコンサルティングを新たな事業として始め、これまで130名の方に1対1でご相談に乗ってきた。

淺野さんはJRで11年勤務したのち、ライターに転身した異色の経歴の持ち主。LIFULLやホットペッパーグルメなどでご活躍されている。しかし、ご相談いただいたとき、「彼の実績からすればきっともっとたくさん仕事がくるはずだ」と思った。プロフィール情報の書き方など、いくつかの点でもったいなさを感じたので、それをアドバイスすると、すぐに実行に移してくださった。

そこからすぐに良い流れが訪れたそうで、現在は各所からのお仕事で引っ張りだこになっている。

せっかくの機会なので夕食をご一緒することになり、彼がお勧めしてくれたお好み焼き屋さん「鉄pan-ya」に入ると、メニューを選んでいる最中に淺野さんの電話が鳴った。

あっさりと2件、新たなお仕事を受注されていたので、「すごいですね〜」と驚いていたら、「お昼にも1件依頼があったので、今日だけで3件入りました。『歩くパワースポット』の中村さん効果ですね」と言ってくださり、嬉しかった。

今夜は旅のご支援代わりにと、このお店名物の「府中焼き」をご馳走してくださった。この「府中」は、東京の府中ではなく、福山の北西にある府中市のこと。ひと口に「広島お好み焼き」と言っても、県内各地で独自の発展を遂げているものがあるらしい。府中焼きは、府中市のご当地お好み焼きなのだ。

その特徴は、豚バラ肉ではなく、ミンチ肉を使っていることだそう。Webサイトの説明によれば、「ミンチ肉の脂が熱せられた鉄板にジュワッと広がり、麺がパリッと揚げ焼き状態になることで、カリカリなクリスピー食感になるのが最大の魅力です」とあった。

まさにカリカリなお好み焼きで、初めて食べる感覚だった。トッピングの「炙りネギマヨ」も、とんぺい焼きも、おいしかった。ご馳走様でした!

淺野さんからお仕事や暮らしの話など、いろいろ伺えて良い時間になった。

また、記念写真を撮ってくれた店員さんのわかなちゃんとも友達になった。人の懐に入ってくる力が尋常ではなく、ほんの一瞬で素晴らしい個性の持ち主だと感じた。インスタでつながったので、遠くから応援したい。

淺野さんと別れ、少しコワーキングスペースで作業した。宿泊客は無料で使え、かつインスタのアカウントをフォローするとドリンクまで1杯無料になる。おいしいホットレモネードをいただいた。

21時に閉まってからは、福山城のライトアップを見に行った。正面からの姿も見事だったが、天守閣をぐるりと一周すると、北側の壁にだけ黒塗りの鉄板が隙間なく打ち付けられていて、その美しさは芸術的でさえあった。

北側の壁だけこうした理由は、「風雨への備えとともに、天守の位置が城郭内の北側に寄っているため、外部から直接天守が攻撃されることへの備えでもあった」とのこと。

マックで原稿を書いたあと、深夜、宿が運営しているサウナで疲れを癒した。明日は尾道へ向かう。

<今日の費用>
お茶 108円
ランチ 450円
ホテル 3960円
スタバ 610円 
マック 130円
サウナ 550円

*****

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