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書き始めてみよう

昨日の朝、NHK「あさイチ」で加藤シゲアキさんの特集をやっていた。NEWSの一員として活動しながら、作家活動を続けて10年目。舞台稽古などもある忙しいスケジュールの合間に、書斎で執筆活動をする様子が映し出されていた。

作品の良し悪しに関係なく、その努力に胸を打たれた。一流の人って、やっぱりすごい。しかも同い年だ。

ぼくも、自分の本を出したい。小説は書けないけれど、エッセイや紀行文なら、勝負できるかもしれない。自分にしか書けないものを、本にまとめたい。自転車旅のエッセイ集を出すことが、学生時代からの夢だった。

これまで、いろんなことを考えてしまい、なかなか動き出せずにいた。余計なプライドもあった。どうしたらちゃんとした出版社から出せるだろうとか、どうしたら売れる本にできるだろうとか、まだ原稿もできていないのに、そんなことを考えていた。

番組の中で、「受け身ではなく、自分から動き出すことの大切さ」を加藤さんが話していた。ぼくもそうあらねばと思った。

なんだかもう、売れるとか売れないとか、そんなことはどうでもいいのではないかという気がしてきた。自分が「この内容を本にしたかったんだ」と思える原稿が書けたら、それでいい。後のことは後で考えればいいから、まずは原稿を書いてみよう。まとまった文章として残したいものは何なのか、「これを書かずに死んだら後悔する」という文章は何なのか、一度ハッキリさせてみよう。駄作で構わない。書いてみないと、人生のスタートラインにも立てないのではないかという気持ちになった。やりたいことに蓋をして、見て見ぬふりをするのは、嘘の人生なんじゃないか。

昨日の夕方、図書館へ行き、角幡唯介さんの『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』を借りてきた。2010年に「開高健ノンフィクション賞」を受賞した、彼の代表作のひとつだ。角幡さんは早大OBでもある。お名前は存じ上げていながら、こちらも読んだことがなかった。

「プロローグ」の数千字を読んで、見事に引き込まれた。冒険のスケールが大きく、それを伝える文章もまた素晴らしい。憧れる。自分もこんな本が出せたらと。

ぼくの海外自転車旅の経験なんて、彼の冒険からしたら、大人と子どものようなものだ。だけど、そんな風に思って、何か得するのか? ぼくにはぼくのストーリーがあり、等身大の冒険があったじゃないか。比較しても仕方ないし、世界にひとつしかない経験にもっと誇りを持っていいのではないかと思い直した。負けるな。せめてやるだけやってから負けろ。世の中に素晴らしい冒険、素晴らしい本はたくさんある。だけど、自分の経験もまた素晴らしい。そうだろ? だから自信を持て。今からでも遅くない。足りないものがあるなら嘆いてないで向上しろ。素晴らしい経験は既に心の中にあるんだ。あとは、書くか、書かないかの二択だ。世に広めるのは、自分にしかできない仕事だ。誇りを持て。誰かにとって、きっと価値のある文章になる。

今朝は自分を鼓舞していた。長期間にわたる執筆というのは孤独な作業で、油断するとすぐに不安になる。自分を鼓舞し続けないと簡単に折れてしまう。

結果は一切、気にするな。自分が納得する文章を、作品を作り上げろ。アルバイトしながらでもいい。とにかく一度、最後まで書き上げてみろ。

集中して、自分の世界観に浸れ。AIには代替できない、人の心を強く揺さぶるものを書いてみろ。

目にした風景、やり遂げたこと、人との交流、忘れられない出来事。「人生って素晴らしい」と感じる瞬間が何度もあった。そのことを書きたい。溢れる感動が、文章から人にこぼれ落ちていくような、そんな生き方をしたい。きっとできる。書き始めてみよう。

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