北見・常呂の旅(1)北見市役所を訪問
北京オリンピックで銀メダルを獲得したカーリング女子「ロコ・ソラーレ」の選手たちは、リザーブの石崎琴美さんを除く4人がともに北海道・北見市の出身である。
オホーツク圏で最大の都市とはいえ、北見市の人口は12万人にも満たない。面積は非常に大きいが、人口規模で考えるとごく小さな街だ。ぼくの故郷、横須賀市でさえ38万人いる。
でも、それゆえに痛快だった。そんな小さな街で育った4人が、オリンピックの舞台で堂々と世界と闘い、そして2大会連続でメダルを獲ったのだから。日本中を熱狂させた。地元の方々は誇らしいだろう。ぼくにとっても多いに興奮させられた。
「小さい頃は、北見にいても夢は叶わないと思ってました。でも今は、ここにいなかったら夢は叶わなかったなって思ってます」
サードの吉田知那美さんは、平昌オリンピックで銅メダルを獲ったとき、涙ぐみながらそう話していた。
彼女たちの活躍がなければ、ぼくは未だに北見市の名前すら知らないままだったかもしれない。そもそも北海道のどこにあるのか、カーリング以外に何があるのか、全然わからなかった。
北京オリンピックが終わり、上の記事を書いたとき、「北見に行ってみたい」という気持ちが抑えられなくなった。とにかく一度でいいからカーリングを体験してみたい。そして、あのような素晴らしい選手たちを生んだ「北見市」とはいったいどんな街なのか、自分の目で確かめてみたかった。
そのような経緯で、この旅は始まった。
1日目
3月24日、13時のフライト。最寄りの女満別空港までは、成田空港からわずか2時間で着いた。思っていたよりも近い。それでいて、異世界。着陸直前、窓からは白銀の世界が広がっていた。
空港でレンタカーを借りた。唯一懸念していたのは雪の中での運転だったが、どうやらさほど心配なさそうだ。道路上にはほとんど雪がなく、いつも通りに走れる。真っ白な大自然を眺めながら40分、無心でドライブを楽しんだ。そして夕方、北見市街地に到着した。
北見駅前のホテルにチェックインし、荷物を置いてすぐに北見市役所へ向かった。
実は、4年前に韓国で知り合った友達が、「北見に友達がいます」と以前連絡をくれた。そして北見出身のすずなちゃんという女の子とつながることができた。北見には誰も知り合いがいなかったので、本当にありがたかった。そのすずなちゃんに旅の経緯を話すと、今度は北見市役所の我妻さんという方につないでくれた。我妻さんは観光振興課の方で、電話で「ライターとして北見の魅力を発信したいです」と伝えると「ぜひぜひ」と喜んでくださった。
まずはその我妻さんにご挨拶をしに、北見市役所を訪ねたのだ。綺麗な建物に驚いていると、この市役所は昨年完成したばかりだという。
我妻さんはたくさんの観光パンフレットを広げて、北見の観光情報を教えてくださった。さらにはちょっとしたお土産まで。
なんと、カーリングストーン型ケース付きのミントタブレット! ロコ・ソラーレのロゴまで入っている。オフィシャルグッズで嬉しい。
そしてホタテのポタージュをはじめ、様々なスープも。北見はホタテが有名だと聞いていた。おいしそうだ。
我妻さんの同僚の方々もご紹介いただき、最後に皆さんと市役所1階の「玉ねぎチェア」で記念撮影(北見は玉ねぎの生産量でも日本一で、全国の約2割が北見産だそう)。見知らぬ土地だったのに、到着してすぐにこんなにたくさんの方とお話できて嬉しかった。我妻さん、皆さん、ありがとうございます!
市役所の隣のデパート「パラボ」の食料品売場では、「カーリングカスタ」というユニークなお菓子を見つけた。
いや、見つけたというよりは、「見つかった」が正しいかもしれない。地下1階のドアを開けた瞬間、待ってましたとばかりに屋台のおじさんから「あんこ食べれる?」と試食を渡され、「はい」と言ったが最後、逃れられなかった。でもカーリングのミニおやき、おもしろいしむしろ買えて良かった。8種類の味を1個ずつ楽しんだ。
一度ホテルに戻り、ワールドカップ出場がかかるのサッカーのオーストラリア戦を観戦。旅行中とはいえ、これだけは生で観たかった。後半39分から出場した三笘がわずか10分で2得点をあげる大活躍で勝利。見事カタールへの切符をつかんだ。
夜はすずなちゃんと夕食へ。すずなちゃんの彼氏や友人も誘ってくれて、みんなで回転寿司「トリトン」の本店へ。北見といえばトリトン、と言われるほど有名らしく、市民のソウルフードなのだそう。
とにかく最高だった。生ホタテは肉厚。ニシンは珍しく、寿司では初めて食べた。驚いたのは海老の味噌汁。出汁がうまい。これで200円はびっくり。
そのほか、何を食べてもおいしかった。お店にはロコ・ソラーレの選手たちのサインもあった。テレビ越しに観ていた選手たちが、この街ではすごく身近に感じる。
すずなちゃんからもお土産にオニオンラスクやスープセットをいただいた。ありがとうございました!
北見の旅は、初日から幸先の良いスタートとなった。
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