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北見・常呂の旅(4)ロコ・ソラーレとの奇跡の出会い

旅の4日目。朝8時から1時間半、ダイヤモンド・オンラインの初稿戻しの修正に取り組んだ。10時にホテルをチェックアウトし、3泊した北見の市街地ともお別れ。50分間のドライブを楽しみ、海に面した常呂町にやってきた。車が少ないから走りやすかった。

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常呂町の海岸に出て、人生初のオホーツク海を眺めた。

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そして11時半、開店と同時に「cafeしゃべりたい」へ。ここはロコ・ソラーレの吉田知那美選手がかつてアルバイトをされていたお店(以前テレビ番組で知った)。

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2日連続のシーフードカレーだけど、また味が違っておいしかった。

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名物の「流氷ソーダ」は頼まなくてもいいかな、と思っていたのだけど、隣の人たちが注文して、出てきたそのあまりのインパクトに驚いた。カレーを食べ終えた瞬間、「流氷ソーダください」と注文した。後悔しないように。

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たっぷりと盛られたアイス、夢のように綺麗なブルーのソーダ。メチャクチャおいしい。大満足だった。

そして13時、やってきたのは「アドヴィックス常呂カーリングホール」

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今日はここで2時間、カーリングをすることになっていた。その経緯を紹介したい。

まず、北見市には2箇所のカーリングホールがある。ひとつは先日訪れた「アルゴグラフィックス北見カーリングホール」で、こちらは北見市街地にある。そしてもうひとつがロコ・ソラーレの本拠地でもある「アドヴィックス常呂カーリングホール」で、こちらが常呂町にある。

「カーリングをしに北見へ行く」と決めた瞬間から、どちらのカーリングホールでも体験したいと思っていた。我妻さんのおかげで、まずアルゴグラフィックスは行けることが決まった。

残るは「アドヴィックス常呂カーリングホール」。一応ひとりでも体験はできるのだが、せっかくなら複数人でやりたい。でも常呂町にはもちろん知り合いもいない。どうしたら叶うだろうか、と考えたとき、「この人に連絡してみるのがいいんじゃないか」という方を見つけた。

それは上地雄大さん。沖縄出身の上地さんは、「地域おこし協力隊」の一員として昨年から北見で暮らしている。そして「カーリングサポート隊」という肩書きで、カーリングの魅力を広める活動している。NHKでも取り上げられていた。

ある日、Twitterで「ところ観光コンシェルジュ」というアカウントを見つけたので、DMを送り、そこから色々教えていただくことができた。

「アドヴィックスでカーリングを体験したい場合は、直接施設に問い合わせるのが良さそうでしょうか?」と尋ねると、

「カーリングホールは、常呂も北見も事前に予約すれば指導者も付けて体験することも可能です。また、端野にカーリングサポート隊がいて、その方とカーリングの話などしながら体験もできると思います」

とおっしゃったので、すかさず「カーリングサポート隊は上地雄大さんですよね? ぜひお会いしたいと思っていました」と言うと、なんと上地さんをご紹介してくださり、「ここに電話してみてください」とつないでくださったのだ。

そして上地さんにお電話し、取材したい事情もお伝えしたところ、「27日の昼であれば、一緒にカーリングできます」と言ってくださったのだ。すぐにカーリング施設に電話をし、2時間予約した。そういう経緯である。

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アドヴィックス常呂カーリングホールに入り、上地さんとご挨拶。そして上地さんが北見市教育委員会の池田さん、そして友人の佐藤さん(網走から駆けつけてくださった)も誘ってくれていて、4人でプレーすることになった。

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このカーリングホールは国際大会の開催規格に準拠していて、国内最大の6シートを備えている。立派な施設だ。先日のアルゴグラフィックスは3シートだった。

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ベンチからシートを眺めていると、すごく見覚えのある顔があった。

「あれ? 藤澤五月さんだ!」

そしてよく見ると、ロコ・ソラーレの4人全員がいるではないか。たまたま常呂でカーリングの強豪チームたちが合宿を行なっていたようで、最後にみんなで記念撮影をしている最中だった(合宿最終日だったのかな)。銀メダルも持っていた。

ロコ・ソラーレの選手だから常呂町のどこかにはいてもおかしくないけど、まさか、偶然同じ時間にこの場所で出会えるなんて・・・。

その記念撮影が終わると、4人は荷物を持って、一人ずつ裏手の方へ去っていった。吉田知那美さんと一瞬目が合ったが、ぼくは緊張で固まったままだった。続く吉田夕梨花さんも、すぐ目の前を通り過ぎ、ドアの向こうに消えていく。そして鈴木夕湖さん、少し後に藤澤五月さんがまた目の前を過ぎていった。

今を逃したら、チャンスはないかもしれない。

「藤澤さん!」

ぼくは思わず声をかけた。鈴木さんはそのまま行ってしまったが、藤澤さんだけ立ち止まり、振り返ってくれた(今思えば「藤澤さん、鈴木さん!」って言えば良かったな)。

「カーリングに憧れて、東京からやってきました。記念撮影をさせいただけないでしょうか?」と尋ねると、笑顔で「いいですよ!」と応じてくださった。

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「本当にお疲れさまでした!ありがとうございました!」と言ってお別れした。感動の出来事だった。

ロコ・ソラーレのおかげで、ぼくは今ここにいるわけだから。まさか会えると思っていなかった。

そして気持ちを切り替えて(なかなか難しかったが)、上地さんたちとカーリングをした。先日よりはバランスを保てるようになり、何度かストーンを投げると、「いけますね。もう試合やりましょう」と言われて2対2でプレーすることになった。

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何度か狙った場所に置いたり当てることができて、楽しかった。でもスキップとして指示する役割は、まだまだ非常に難しい。ラインを見ながら「イエス(ヤップ)」とか「ウォー」とか叫ぶのだが、今どうしたらいいのか、素人にはなかなか判断がつかないから、つい無言になってしまい、スイーパーを混乱させてしまう。でも全体的にはこの前より成長できたから満足した。

始めて何分か経った頃、不意に横のドアからまたロコ・ソラーレの皆さんが順に出てきて、ぼくは彼女たちの目の前でストーンを投げるという貴重な経験もした。

そして後半の1時間、藤澤さんがリンクに出てきて、横のシートで親2人、子どもたち4人のグループに指導していた。

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あれはおそらく、イベントではなく、一般の体験だったのだろう。カーリングを体験する際は、必ず指導員がつくようになっているのだが、その指導員役を藤澤さんがやっていた、という感じだった。受ける側からしたら、メチャクチャラッキーなことだ。ぼくにとっても、オリンピックで聴き慣れた藤澤さんの特徴的な声をすぐ近くで聴きながら体験できたので嬉しいことだった。「オリンピック銀メダリスト」というものすごく遠い存在も、しかしここに来れば身近な存在であった。

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少し余談になるが、このカーリング施設のある常呂町スポーツセンターは、毎年開催される「サロマ湖100kmウルトラマラソン」のフィニッシュ地点になっている。実はぼくの友人のお父さん(南山さん)は10回以上完走していて、「サロマンブルー」という称号を手にしている。すると、その記念として足形がここに飾られる。なんとか南山さんの足形を見つけることができた。

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南山さんには京都でたいへんお世話になった。ぼくが2017年にアメリカ縦断の自転車旅を終えたあと、京都商工会議所での講演会をセッティングしてくださった。おかげさまで110人くらいの前で話す貴重な経験になった。また、東海道五十三次を歩いて旅した際も、京都で泊めていただいた。

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さて、カーリング後はドライブでサロマ湖を見に行った。道の駅で利尻昆布を買い、サロマ湖に沈む夕日を眺めた。湖には氷塊が浮かんでいた。

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宿泊する佐藤旅館は、数少ない常呂町の宿。でも改築されたばかりで綺麗で快適。1泊2食で7200円と良い宿だ(マラソンの瀬古さんの定宿らしい)。夕食は常呂名物のホタテを食べられた。6回くらいおかわりして、おひつのご飯を完食した。

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翌日は網走へ向かいます。

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中村洋太
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