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「脳の排水」とシンクロニシティ

久しぶりに「不思議な流れ」を感じる出来事があったので、記録として書いておきたい。

紙のノートに毎日何かを書く習慣を持ってから、1ヶ月以上が過ぎた。

先日、「そういえば、『モーニングページ』という習慣を勧める本があったよな」と思い出し、気になりつつもまだ読めていなかった『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』という本を購入した。この30年間で、全米で400万部売れた有名な自己啓発書である。

一昨日の夜、マックでコーヒーを飲みながらこの本を読んでいた。著者のジュリア・キャメロンは、「モーニングページ」と「アーティストデート」という2つの習慣を推奨する。

まず「モーニングページ」は、「毎朝起きたら、ノートを3ページ分使って、意識の流れを書きなさい」というもの。今この瞬間に感じていることとか、ふと頭をよぎったこととか、モヤモヤとしている悩み、今日の楽しみなことなど、なんでもいいから思うままに綴る。

毎朝好きなようにノートに書く

著者はこの作業を「脳の排水」と呼ぶが、実際にやってみると実に的を射た表現だと思った。あれこれと書き出してみて、自分の頭の中が、いかにごちゃごちゃしていたかがよくわかる。そして書き出すことで、どんどん思考がクリアになっていく感覚もある。

もうひとつの「アーティストデート」とは、「週に2時間は、創造的な心を育むためのひとり外出をしなさい」というものだ。美術館、水族館、気になっていたオシャレなカフェ、映画、ちょっとした小旅行など、創造性を高めるような時間。モーニングページがアウトプットなら、アーティストデートはインプット。

この2つの習慣を続けていけば、「シンクロニシティが起こりやすくなる」と著者は言う。ここでシンクロニシティ(=不思議な偶然の一致)という言葉を久しぶりに思い出した。かつてのぼくは毎週のようにこのシンクロニシティが起きていたが、ここ最近はそういう機会もめっきり減っていた。流れに乗るような感覚を得られていなかった。

この2つの習慣で、またシンクロニシティが起こりやすくなるだなんて、本当だろうか。ぼくは半信半疑になりつつも、とはいえ決して悪くない習慣だと思った。遊びに出かける機会も少なかったし、思い立ったら即行動だ。

ぼくは本を閉じてパソコンを開き、「明日はどこへ出かけようか」とGoogle Mapsを眺めながら考え始めた。すると、色々と探すうち、「羽田クロノゲート」という場所が気になった。大田区の穴守稲荷にあるクロネコヤマトの施設で、物流や宅急便について学べる見学ツアーを行っている。以前この辺りをランニングで通りかかったことがあり、そういえばクロネコヤマトの変わった建物があったなと思い出した。

ちょうどメルカリで本を買ったタイミングでもあったから、改めて本が届くスピード感に関心しているところだった。鹿児島から出た荷物が、翌日には都内に着いているすごさ。この物流の仕組みに興味があった。

早速羽田クロノゲートのサイトをチェックすると、ちょうど翌日の午後の回が「残り1名」と表示されていた。各回15名までで、満席の回も多かったから、この「残り1名」に運命を感じて、すぐ申し込んだ。

そして昨日、実際に足を運んだ。エントランスには巨大なクロネコが鎮座していて楽しい。

巨大クロネコ

受付で自分の名前を伝える。簡単な注意事項を説明されたあと、突然受付の女性が言った。

「あの〜、私、大学時代に中村さんにお世話になりました」

「え!?」

確かに、見覚えのある顔。すぐに名前が出てこなくて恐縮だったのだが、彼女が「ワセオケで」と言った瞬間、クラリネットを吹いていた同級生だとわかった。

聞けば、この羽田クロノゲートの見学ツアーの立ち上げ(2013年頃)から携わっているそうで、今回のガイド役を務めてくれるのも彼女だった。まさかサークルの同級生がここで働いているとは思わなかったから、本当にビックリした。ぼくがオーボエを吹いていたのは1年間だけだったけど、その際、木管楽器のパート練習などでよく顔を合わせていた仲だった。

見学は1時間半。圧巻だったのは、宅急便の荷物の仕分けが行われる高速ベルトコンベアー。センサーによる仕分けは迫力と精密さがすごかった。写真は撮れないので、ぜひ直接見ていただけたらと思う。無料なのにお土産までもらえてイチ押しのツアーである。

単に見学だけでなく、同級生の活躍に思わぬ形でふれられて、刺激的な一日になった。

そして施設を出たあと、ぼくはただただ驚いていた。「モーニングページ」と「アーティストデート」という習慣を始めた初日に、ぼくはシンクロニシティを経験したのだ。これは偶然だろうか。

こうした不思議な流れを感じるときは、物事が良い方向に進んでいるときの合図だと思っている。このまま良い習慣と行動を続けていきたい。

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