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朝4時の散歩

アパートの向かいに住むおばあさんは、ぼくが毎日ランニングをしているのを知っていて、ある日挨拶をすると「うちの主人は毎朝4時から散歩に出かけるのよ」と教えてくれたことがあった。

「真っ暗じゃないですか?」
「すぐ明るくなるみたいよ。涼しいし」

ぼくはそのことがずっと気になっていて、今朝ふと4時に目が覚めたときに、近くの浜辺へ散歩に出かけてみようと思った。

歩き始めるとすぐに明るくなった。道は大型トラックが行き交い、朝5時まで営業しているラーメン屋さんは半分くらいお客さんが入っていた。

歩いて15分の浜辺に着くと、日の出の少し後だったみたいで、雲の向こうがわずかにオレンジ色になっていた。波の音が静かに聞こえ、ひんやりとした風が気持ちよかった。しばらく浜辺のベンチに座って、小鳥の動きをボーッと追いかけていた。

いつの間にか、先の心配ばかりするようになってしまっていた気がする。4時から散歩なんてしたらお昼ごろには眠くなってしまうんじゃないかとか、そんなことをずっと考えていたんだけど、どうでもいいじゃないかと今朝は布団の中で思えた。眠くなったら昼寝すればいい。それより今、自分が散歩に行きたいのだから散歩に行ってくればいいじゃないかと。

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