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フリーランスになって感じる、収入の安定とメンタルの関係について

フリーランスになってから、収入に幾度も大きな波があったからよく思うのだけど、収入の安定って、単に金額以上の価値がある。精神衛生上良い。例えば毎月20万入るのと、大きくバラツキがあるけど平均すると20万なのでは、収入は同じでもメンタル的には全然違う。後者は気持ちの余裕が薄れる。

気持ちの余裕がなくなってくると、物事を長期的視点で考えにくくなってくる。言い換えれば、今持っている能力やスキルで手っ取り早く稼ごうとしてしまう。これではなかなか成長に向かっていかない。対して毎月決まった日に給料があるとわかっていれば、思い切って自己投資できるし、未来を考えやすい。

年収で言えば会社員の頃よりも増えたはずなのに、なぜか会社員時代の方が気持ちに余裕があった。手取り20万ちょっとでも「収入が足りない」とは思わなかったし、プライベートも十分に楽しんでいた。だけど今は常に漠然とした怖さがあって、それが行動にもたらす影響は大きいと感じる。

2018年の本当にお金がなかった時期、誰かから会おうと言われても電車賃のことを気にしていた。そのときのネガティブな感情(人との約束を電車賃と天秤にかけてしまう自己嫌悪感)が強烈に残っていて、ああいう苦痛はもう味わいたくないという思いから、なかなか気持ちに余裕が持てないのかもしれない。

しかしこれはどうしても解決していきたい。でないとどれだけ稼いでも幸せを感じられない状態から抜け出せなくなるから。極端な話、たとえば週に2日アルバイトをして収入の安定化を図るのも、フリーランスの戦略として全然ありだと思っている。その方が自分のチャレンジに思い切ってアクセルを踏める。

実はぼく自身、フリーランス2年目のある時期、半年間だけNPO法人で事務のアルバイトをしていた。領収書の整理やエクセルの入力など、ライターとしてのスキルをほとんど求められない仕事だった。週2日だけ、時給1500円で働いていた。大した収入ではないかもしれない。でも、ものすごく癒されたのを覚えている。この時間働けば確実にお金がもらえるという収入の安定は、精神の安定につながっていた。そして残りの週3日で、心置きなく記事を書いた。気持ちの切り替えもしやすくなって、うまくバランスが取れていた。

今は本業を持っていて、いずれフリーランスになりたいと考えている方は、ぜひ本業があるうちにいろんなチャレンジをしてほしい。「フリーになって時間ができてから」では精神的不安によって行動力はかなり鈍ると思った方がいい。また、フリーにならず本業を続けながら好きなことをするのも現実的だ。

会社員であれば、新規事業が失敗しようが、自分が大きなミスをやらかそうが、それで自分の給料が下がることは滅多にない。しかしフリーランスが大きな失敗を犯せば、それはすぐに仕事の減少、収入の低下につながってしまう。たとえ給料が低くても、「安定が約束されていること」には大きな価値がある。

ぼくは会社員時代に土日を使って趣味で100人以上にインタビューしたとよく話しているけど、あれはまさに本業があって、給料があったからできたこと。当時は、「今は土日だけでこれだけの活動ができているのだから、フリーになって平日も使えるようになればさらに多くの活動ができるはずだ」と思っていた。

けれどいざフリーになると、確かに時間はたくさんあるはずなのに、なかなか行動する勇気が持てなくなった。以前ならば閃いた瞬間、損得勘定抜きでスパッと行動に移せていたのに、今はいちいち考えるようになってしまった。無意識に収支を気にしているのだろうか。やっぱり減っていくお金のことがどうしても気になってしまい、手っ取り早く生活費を稼げる行動を優先してしまうのだと思う。

だけど、今の自分にできることで、すぐお金になることだけをやっていたら、しばらくはよくても、いつか行き詰まる。それだけは言える。だから今できることで収入を得つつも、未来に向かって種を撒いていかなくてはいけない。その収穫は急がないこと。長い目で考える。

今書いているnoteでの連載も、まったくお金にならない。だけど遊びとも異なる。こういうものこそ、長期的視点で見て価値のあるものだと思っている。すぐにはお金にならない。だからあえてやる。自分にとって、すぐにお金に代わるものに大した未来はない。醸成していかないといけない。ダメになってやろうぜ。失敗してやろうぜ。勝負していこうじゃないか。

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