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八ヶ岳最高峰、赤岳の登山記録

前回のつづきです)

南山さんの別荘に泊まり、翌日7月16日(日)に八ヶ岳を登山した。今回は南山さんのお仕事仲間でもある齋藤さん、門脇さんも含め、計4人。お二人は前夜に京都から車で来て、土曜深夜に別荘に到着した。

日曜日は早朝4時45分に起きた。各自軽い朝食を取り、5時半頃に出発。赤岳の登山口までは車で30分ほどだ。

本格的な登山は、2016年に登った富士山以来だろうか。最近はやや運動不足だったため、ちゃんと登れるだろうかと不安もあった。

ぼくは八ヶ岳が単独の山の名前だと勘違いしていたが、どうやら「八ヶ岳」という山は存在しないらしい。山梨と長野の両県に跨る山々の総称を「八ヶ岳」あるいは「八ヶ岳連峰」と呼ぶそうだ。具体的には、北の蓼科山から南の編笠山まで、南北約25kmの距離におよそ20の峰が連なっている。

中央の夏沢峠を境にして、北八ヶ岳と南八ヶ岳に分かれている。「日本百名山」に指定されている八ヶ岳は、「南八ヶ岳」のことを指すという。また、北八ヶ岳の「蓼科山」も、同じく日本百名山に選ばれている。

さて、6時頃に登山口である「美濃戸口」に到着したのだが、驚いたことにすでに駐車場は満杯で、駐車場に向かうまでの道の両脇にも、ずらりと登山者たちの車が停まっている状況だった。我々も美濃戸口から1kmほど下ったところに駐車し、6時15分にここから登山をスタートすることになった。

登山口のある八ヶ岳山荘前にて

服装は、長袖のインナーに、半袖のウェアを重ね着。下はスポーツ用のタイツに、サッカー用の短パン。足はトレッキング用の分厚く長い靴下と、登山靴。また、トレッキングポール、手袋、ライトダウン、帽子、ヘッドライトなどを友人のなんちゃんにお借りした。そして海外自転車旅や徒歩旅行でも長年愛用してきたバックパック(確か30L)に、衣類や食料を詰め込んだ。上下のレインウェアは、ミズノのベルグテックEXを購入。ちょうどAmazonのセールで6000円引きで買えた。最後の岩山を登る際に必要ということで、ヘルメットも準備した。

下の方は20℃程度だが、山頂に近づくと12℃くらいまで下がる。そのため防寒具は必須だった。とはいえ最初はすぐに汗をかくので、薄着で登った。

7時10分頃、最初の休憩地点である「赤岳山荘」に到着。ここでトイレ休憩と、水分・食料補給。前日にスーパーで買ったおにぎり、パン、大福、バウムクーヘン、ゼリー飲料、プロテインバーなどを持っていき、休憩のたびにちょこちょこ食べる。歩いていると本当にすぐお腹が空く。エネルギー切れになると前に進まなくなってくる。自転車旅のときの感覚を思い出した。

15分ほど休み、出発。ここで北沢ルートと南沢ルートの分岐があり、今回は南沢ルートで行く。赤岳山荘までは車も通れる砂利道だったが、ここから先は車の入れない、本格的な登山道になってくる。緑と清流の美しい森林を進む。

登山経験豊富な齋藤さんがペースメーカーになってくれたおかげで、スムーズに進む。ひとりだったらもっと時間がかかっていただろう。齋藤さんはよく冬山を登り、山頂からスノーボードで降ったりするそうだ。そういう話は、植村直己さんを思い出す。

9時10分頃、次の休憩地点である「行者小屋」に到着。色とりどりのテントが張られ、ものすごい数の人がいた。ここで20分ほど休憩し、だいぶ冷えてきたのでレインウェアを着て、岩山に備えてヘルメットを装着した。

行者小屋の前で休む登山者たち

行者小屋から山頂までの道のりがかなりキツかった。ハアハア言いながら一歩ずつ階段を登る。お尻の筋肉がかなりキテいる。そして右の股関節もやや不調。標高が2500メートルを超えると植物は減り、景色は随分変わってくる。高山病なのかよくわからないが、軽い頭痛もした。しかし登れないほどではない。

見上げると、イタリアの世界遺産「ドロミテ渓谷」のようなゴツい岩山が見えた。

「アレを登るんですか?」

「そうです」

赤岳の山頂を見上げる

あんなの登れるんかいな、と思った。いざ近づくと、ハシゴやロープなどを使って、本当にひとつずつ岩を越えていくことになる。これは確かにヘルメットが必要だ。万が一後ろに落ちたら命はないし、小さな岩の塊も転がってきやすい。歩行距離でいえば行者小屋から山頂まではたった2kmなのに、その2kmで1時間半以上かかった。

11時10分頃、ようやく赤岳山頂に登頂。ここが八ヶ岳連峰の中で最も標高が高く、2,899メートルある。

赤岳山頂(標高:2,899m)で記念撮影

残念ながら快晴ではなかったものの、無事ここまで登り切れて達成感があった。記念撮影と小休憩をし、11時30分に下山開始。

下りは早く進んだが、靴がイマイチ合わないのか、あるいは靴紐の締め方の問題なのかわからないが、足を踏み込む際に重量でつま先が靴に当たり、痛みが増してきた。登りではまったく問題なかったんだけどな。また、徐々に前腿もキツくなってくる。でも行者小屋に着くまでの間は空も晴れ、景色がとても綺麗だった。

赤岳山荘から先は大量のアブたちに取り憑かれながら引き返し(刺されなくて良かった)、再び車に戻ってきたのが15時55分だった。歩いた距離は20km。もう足はフラフラになっていたが、まだ自分はこれだけ歩けるんだという自信につながった。ちゃんとトレーニングすればもっと動けるだろう。今後の目標のひとつである、京都〜福岡間の徒歩旅行にも現実味が湧いてきた。やるなら冬だ。夏は死んでしまう。

南山さんの別荘へ戻り、齋藤さん、門脇さんとはここでお別れ。お二人に感謝。

シャワーを浴びてしばらく休んでいると、17時過ぎ、今度は賑やかなおじさん3人組が別荘にやってきた。彼らも南山さんの友人(高校の同級生やご親戚の方)で、翌日から2日連続でゴルフをするという。南山さんの体力は恐ろしい。

みんなで一緒に温泉(縄文の湯)へ行き、その後「東山食堂」で焼肉。これでもかというくらい豪快に頼み、豪快に肉を食べた。お腹がはち切れそうだったが、話が止まらない関西のおじさんたちとの食事は実に楽しい時間だった。10時間に及ぶ登山後の温泉、そして焼肉とビールは最高のご褒美である。

翌朝は8時頃に茅野駅に送っていただき、再び「特急あずさ」で東京に戻ってきた。

あっという間の三連休だったが、初めての体験がたくさんあり、素晴らしい時間になった。

今回の旅行で思ったのは、「自分より上の人たちにかわいがられないとダメだ」ということ。ぼくはこれまで、歳上の方々と遊んだり飲みに行ったりする機会が少なかった。でもこういう先輩方の話は勉強になるし、自分にはない視点からのアドバイスをもらえたりする。時間やお金の使い方についても考えさせられることが多かった。「中村くん、ちゃんと稼がなアカンで」ともたくさん言われた。

自分が何もしていなければ、こういう面白いおじさんたちから声がかかることも少ないが、挑戦していると、面白がってもらえ、かわいがってもらえる。そしてもしかしたら、貴重な経験談や助言だけでなく、新たな挑戦の機会を与えてくれることもあるかもしれない。だから、引き続きどんどんチャレンジしていこう。

南山さん、本当にありがとうございました!

ただいま3社の企業様、40名の個人の皆様よりご支援いただき、
総額386,866円のご支援をいただきました!
ファースト目標まで、あと413,134円(現在48/100%)
ネクスト目標まで、あと813,134円(現在32/100%)
オーストラリアの旅出発まで、あと35日です!


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