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同級生の小説デビュー作『空芯手帳』が太宰治賞を受賞

大学のサークルの同期が突然小説を書き、なんと処女作で名誉ある「太宰治賞」を受賞してしまう快挙!

ぼくがオーボエを吹くうしろでファゴットを吹いていた彼女が!ビックリ!

しかも続々と海外翻訳が決定しているそうで、彼女はこれからどうなってしまうのやら。

会社帰りに図書館に立ち寄り、1時間半くらい小説を書いて家へ帰る。そんな生活を続けていたという。ただただ尊敬しかない。

その『空芯手帳』という作品を実際に読み終えると、デビュー作とは思えない、素晴らしい作品だった。

序盤から結末が気になって仕方ない、「偽装妊娠」という見事な設定。細部の表現力も見事で、共感する場面がたくさんあった。

圧巻はラストのシーン。

産経新聞の書評で、「欧米にこれほど率直に現代女性の生きづらさを描いた小説はないと思います。それを日本の女性がズバッと言ってくれた、そんな受け止め方をされたのではないか」というコメントがあったが、まさに的確な言葉だと思った。

女性からしたら、感じている生きづらさなどを代弁してもらえているようで、きっと胸がスッとする部分があるだろうし、だからこそ世の男性たちにも、読んでもらいたい作品。

昨日読んだ感想を本人に伝えたら、とても喜んでくれた。次回作にも期待している。

<作品紹介>
女だからという理由で延々と雑用をこなす人生に嫌気がさした柴田は、偽の妊婦を演じることで空虚な日々にささやかな変化を起こしてゆく。第36回太宰治賞受賞作。

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