『明子のピアノ 被爆をこえて奏で継ぐ』を読んで
「明子のピアノ」と呼ばれる、一台のピアノにまつわる壮大な物語。
このピアノを弾いていた河本明子さんは、広島に落ちた原爆により19歳という若さで突然この世を去った。その後、被曝したピアノは両親の家で長い間眠りについていた。
2002年、家の取り壊しが決まり、ひっそりとピアノが捨てられてしまう寸前のところで、物語が動き出す。「これは捨ててはいけないピアノです」と預かった調律師の坂井原や、明子の母と交流のあった二口、クラシック音楽の大手マネージメント会社KAJIMOTOの佐藤ら