もうちょっとできると思っていた
あれは確か、ぼくが社会人になって4年目の頃だろうか。大手外資系企業に勤めていた大学の友人が、突然会社を辞めて、ひとりで事業を始めた。
会社での年収は決して悪くなかったはず。それを手放すということは、さぞかし稼げるビジネスを見つけたのだろうか。素晴らしく優秀で、ガッツのある男だから、ぼくはなんだか羨ましいなと思っていた。
それから半年ほど経って、彼と久しぶりに会った。
「ひとりで仕事を始めてみて、どう?」
と軽い気持ちで聞いてみたら、
「月5万稼ぐのがどれだけ大変かわ