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【正義か悪か】不動産Gメン滝島のYouTubeビジネスモデル

こんにちは。尾田です。
僕は外資系サラリーマン時代に首都圏に複数の不動産を購入し税金対策をしていて、今現在も進行形で運用しているのですが、ここ1年くらいで有名になった「不動産Gメン滝島」というYouTuberをご存じでしょうか。

ざっくり説明すると、不動産系の情報発信に始まり、最近では『悪質な儲からないワンルーム投資話にまんまと騙された被害者を救済する』といった内容でバズっています。
(僕も不動産の情報を集めていた時にたまたま知ったのですがw)

一見、被害者を救い不動産業界の闇にメスを入れている正義の味方のように映ってはいますが、僕は動画を見ていくつも違和感を感じました。
あくまで個人の感想としてこの記事を書かせて頂きます。


ワンルーム不動産投資の悪質取引があることは事実

基本的に不動産業界自体がゴリゴリ営業体質の業界なので、条件の悪い物件でも押し売りするのはよくある話です。一般の方は不動産知識は薄いのでそこに付け込んで物件を契約させる業者が後を絶たないのも事実です。
少しでも利回り条件を高くするために、投資用不動産を住宅ローンで契約させるような業者も存在します。
(本来はより金利が高い投資用ローンでないといけないです。これは銀行を騙しているので、バレたら即完済を求められます)
余談ですが、ある程度の企業に勤めている人なら大抵ローンが通りますが、高年収の人以外は節税メリットが薄いので、ほぼメリットがありません。

不動産Gメンの動画の内容

ワンルーム不動産投資が悪質だというメッセージを出している人を発見。それが不動産Gメンでした。
「よくありそうな啓蒙活動かな」と見ていたところ、ワンルーム不動産で赤字物件を抱えている人の事後処理相談を乗っていました。

基本的には、損切り売却しか手がないので、事後処理相談は
・この物件は、年〇〇円の赤字ですね
 ・今後の相場を考えても、赤字が膨らむだけ
 ・早く損切りして、赤字を押さえたほうがいい
 ・Gメンが売却を手伝ってあげます
 ・損切りでの持ち出し赤字は〇〇円ですが、決心できますか?

というような感じでした。

仲介手数料ビジネス

不動産売買というのは、あくまで仲介会社が手数料を取るビジネスです。
仲介手数料は宅建業法で上限金額が設定されており、物件価格の3%+6万円です。上限金額という設定ですが、この金額で取引するのが基本です。

首都圏ワンルームは、2500万円前後(都心だと1Kで3500万円のものもあり)なので、Gメンは1件の損切り案件仲介で150万〜210万円儲けていることになります。

つまりGメンは
・赤字物件の所有者に将来のリスクを煽り
・無料相談という名目で損切り売却を促し
・赤字物件所有者からワンショットで100万単位のお金を巻き取る
ビジネスをしているということになるわけです。

しかもGメンの損切り売却クロージングはかなり激しく
・そもそも高く売却できる物件は、所有したら得する物件(黒字物件)。反対に赤字の物件は誰も必要ないので、安くしか売れない(暗に、高く売ること自体を諦めさせる)
・売却して発生する1物件あたり数百万円の損失は、自己資金が足りなければ誰かから借りてくるか自己破産で。
・長く持ったら損益分岐点がやってくるのでは?→物件が古くなったら修繕積立金は上がるし家賃も下落するので、そんな日は永遠にやってこない(不動産の業界知見で論破)
こうして自己破産まで視野にいれるところまで覚悟を決めさせます。。。

見方を変えれば、不動産Gメンは
・物件所有者の不安を煽りに安く手放す了承を得る
・安く仕入れているので当然新しい買い手を探しやすく売りやすい
・不動産Gメンは救済者としての知名度と仲介手数料ゲット
ということをしてるとも受け取れるわけです。


現不動産オーナーの尾田ならこうする

仮に僕がこの動画のような不動産を所有してしまった場合、どう対処すべきかを解説します。

①全ての物件の賃借人に対して、家賃値上げのお願いをしに行く
②いくつかの銀行に借り換えの相談をしに行く (金利は0.1%でも下がればかなりキャッシュフロー変わります)

基本的に少しでも家賃収入があがることと、少しでも支払いを下げる努力をする必要があります。これは優良物件を所有している不動産オーナーでもみんな同じことをやります。ここをアドバイスしないのはいかがなものかと。
損切りさせたらその後損を最小限に抑える策が全くなくなってしまうので、本当に最後の最後の手段のはず。しかも自己破産まで促すのは単に不安を煽っているだけのように見えます。
元を言うともちろん販売した業者が悪質なわけですが、八方塞がりの赤字の人を救済しているどころか、さらに地の底に落とすような案内をしているのではないでしょうか。

僕は決して不動産のプロなどではありませんが、いち不動産オーナーとして皆さんに伝えたいことは、
・業者の言うことを全部鵜吞みにせず、まず自分で不動産について勉強して知識をつけること
・業界知見を振りかざして騙そうとしてくる人をしっかり排除すること
・自分の目で目利きをして不動産を選定すること

以上のことを必ずしてから不動産投資を始めて頂きたいと思います。



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