【読書メモ】DX戦略立案書(4)


読んだ本

DX戦略立案書

DX戦略立案書
https://www.amazon.co.jp/dp/4561267468

GW前から読みはじめて読了。アウトプット。


目次:2 顧客ネットワークを活用する


5つの顧客ネットワーク行動


顧客にデジタル体験と相互作用をもたらす5つの核となる行動を理解する必要がある

・接続(access)

・参加(engage)

・適応(customize)

・結合(connect)

・協働(collaborate)


接続(access)


顧客はデジタルデータやコンテンツ、相互作用に可能なかぎり迅速に、簡単に、そして柔軟にアクセスしたいと考えている。

アクセスを向上させるのは非常に魅力的。


参加(engage)


顧客は感覚的で、双方向で、かつ、ニーズに合ったデジタル・コンテンツに参加したいと考えている


適応(customize)


顧客は自分で選択し、自分なりに修正を加えて、経験をカスタマイズしたいと考えている。Google検索結果など。


結合(connect)


顧客は顧客同士、SNSなどを使用してつながりたいと考えている


協働(collaborate)


社会的動物である人間は誰かと一緒に何かを成し遂げたいと考えている。OSSの構築など。


これらの顧客行動を戦略的に活用するのが有効

戦略は下記。


接続(access)戦略


・モバイルコマース

・オムニ・チャンネル体験

・クラウド活用

・オンデマンドサービス

 どこにいても使える


本戦略の鍵は、迅速、かつ、簡単に、顧客が接続できること

参加(engage)戦略


・製品デモ

・ストーリーテリング

 製品デモほど製品に焦点はあてず、感情に訴求する魅力的なストーリーを使ってブランドを広い読者や視聴者にリーチすること

・有用性

 ストーリーに限らず、顧客によって有用なコンテンツも良い

・発行者としてのブランド

 マガジン運営など。


本戦略の鍵は、メディア企業と同じような思考経路に基づいて読者や視聴者の関心を得ることに日々注意を払うこと

適応(customize)戦略


・推奨エンジン

 Netflixはパーソナライズした番組を推奨している

・個別対応したインターフェース

 ランコムはWEB上で美容商品を試せる

・個別適応した製品サービス

 コカ・コーラはオーストラリアで名前を缶の上にプリントした

・個別適応したメッセージとコンテンツ

 メディアとメッセージングを適した顧客に最適化し送る

本戦略の鍵は、顧客ニーズが異なる領域を特定し、個別適応したり、顧客自身が自分の体験を最適化できるツールを提供することである


結合(connect)戦略


結合戦略は、顧客の会話の一部になることである


・ソーシャルリスニング

 顧客同士の会話はインサイトの対象となる

・ソーシャル顧客サービス

 顧客との接点の有効なチャネルである。顧客からの質問にうまく回答できれば同じネットワーク上にいる人すべてが好印象になる

・会話への参加

 コンテナ船の海運会社マークスは、SNSで世界中の自社船舶の動画と写真をシェアしたところ、顧客や従業員の満足度も改善した

・アイデアやコンテンツの依頼

 GoProは自社製品を使って撮影した映像のシェアを顧客は依頼した

・コミュニティの運営

 SAPはSAPコミュニティネットワークを運営し、顧客、ビジネス・パートナー、従業員、そして外部の人も交えてインサイトを分かち合い、技術的ニーズに関する共通問題を話し合っている。


本戦略の鍵は、顧客が使うソーシャルメディアに着目すること、問題を解決し、市場について学習し、顧客に近づくために会話に参加すること。その目的は会話ではなく、事業にとっての価値創出である


協働(collaborate)戦略


事業における協働戦略とは、顧客を招き入れて事業を構築する支援をしてもらうこと。

結合戦略との違いは、シェアしてもらうだけでなく、参加してもらい、共通の目的や目標に向けて、集中してオープンプラットフォーム上で協働してもらうことである

・受動的貢献

 顧客の同意以外は何も要らない協働活動。例えばナビゲーションアプリのWazeの最短経路の学習

・能動的貢献

 例えば、CNNの報道投稿サイトiReport。顧客自身が報道内容を投稿し、CNNはそこから選択する。

・クラウドファンディング

・オープンコンペ

 複数の人に同時に貢献してもらうことが難しい場合に選択。

 シスコはイノベーションを生む様々なコンペに投資している

・協働プラットフォーム

 協働のための仕組みを整えるが、取り組み内容は、協働者のネットワーク自身に決めさせる。例えば、iOSのAppStore。


本戦略の鍵は、貢献してくれる人の動機を理解すること。また、誰も搾取されていると感じないように、一定の報酬を与え、最終的に有効な成果を生めるよう、十分なガイダンスも提供すること


ツール:顧客ネットワーク戦略ジェネレーター


ネットワーク化された顧客を呼び込み、参加させ、顧客とともに価値創出を目指す戦略を策定するツール。ここまでの学んだことの実践編。下記のステップとなる

①目標の設定

②顧客の選択と集中

③ネットワーク戦略の選択

④コンセプトの創出

⑤インパクトの計測


顧客ネットワークにおける組織の問題


既存の組織、特に大企業では、デジタル社会に適応しにくい。理由はいくつかある

・情報のオープン化

 社員が様々な情報に適切にアクセスできる

・情報へのアクセスの許可

 YouTubeへのアクセスを禁止するなど、デジタル技術へのアクセス禁止が妨げになる。リスクを冒さないことがリスク

・デジタル技術のスキルがない

 デジタル技術を学ぶ必要がある

 外注してはだめ。技術と社内組織の統合ができない

・デジタル技術のスキルを持つ人間が各部署に分散している

 社員全体のスキルを向上させる必要がある。

 ベストプラクティスを共有する

・古い慣習にとらわれない

 成功体験を捨てる必要がある

・顧客ネットワークは、企業の特定の部門だけではなく、全部門に関連することを理解する

 責任を自分で持つべき。人任せではいけない。

・部門間の競合が多くなる。協働すべき。

 マーケティング部門とIT部門には競合が起きやすい。協働が必要。モトローラは、CMOとCIOが同一人物が兼務するようになった


まとめ


企業は顧客ネットワーク学ぶ必要がある。

ネットワーク化された顧客同士の、そして企業との相互作用を学ぶ必要がある。

デジタル時代で変わるのは個別の顧客との関係だけではない

企業同士の相互作用も変化している

かつては、パートナーか競合他社かというようなシンプルな二進法が、より複雑になっている。

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