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新規事業開発で壁にぶつかったらこれを読め! 〜 成功に導く3つのポイント 〜

コンサルティング会社で、新規事業開発案件を専門に取り組んでいます。
酒井 ヨシキ @yossyponです。

 有り難いことに、誰もが知っているような大企業からベンチャー企業に至る様々な企業の新規事業開発の案件に取り組む機会を頂いています。
 今回は、新規事業の創出について、成功させるための3つのポイントをまとめました。(もちろんこの3つのポイントで成功するほど甘くないのは百も承知ですが… 優しい気持ちで読んでください笑)

 この記事はどこかの組織に在籍していて事業を立ち上げたいと考えている人に向けて書きました。事業開発、経営・事業企画系の部署の人には特にフィットするんじゃないかと思います。
(ひとりでゼロから事業を立ち上げる人向けには、また別で記事を書きたいなと思います。)


■ 新規事業開発がうまくいかない理由

もちろん理由はいろいろありますが、大きく分けると3つかなと思います

① 事業アイデアがよくない
② 運用体制がよくない
③ タイミングがよくない

 そもそもイケてるアイデアを出すのは難しいし、サービスやプロダクトに落とし込むのも難しい。というか、アイデアがイケてるかどうか分からない、、、
 新規事業開発に関して、適切に回す仕組みがない会社も多いです。明確な社内基準がないと、意思決定に時間がかかるし、スピードもでない。それに、大変な仕事をする割りには適切に評価されなかったりとか…
 タイミングも難しいですね。早すぎたらマーケットに受入れられないけど、0.5歩先のものを出していくのはかなり難易度が高いし、遅すぎても競争に勝つのは困難。しかし、未来は読めない。。。

そうですよね。新規事業開発、、非常に大変かと思います。
お困りの方、非常に多いです。

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■新規事業を成功に導く3つのポイント

 それでは、早速ですが、こちらが新規事業を成功に導く3つのポイントです。先ほどのうまくいかない理由の解消につながるものです。

① アセット起点のアイデア創出
② 役割分担による組織体制づくり
③ 脱”正解”思考のマインド

言い換えるとこれらは、
①→ 組織として新規事業を考える際に良いアイデアを出す方法
②→ スピード感を持って事業開発を前進させていく体制づくり
③→ その際に重要となるマインドセット
というポイントになります。

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 どこかの1つのタイミングで使うというよりも、これら3つを回しながら事業開発を進めていくことによって成功に近づいていくことが可能となります。

それぞれのポイントを見ていきましょう。

■ ①アセット起点のアイデア創出

新規事業開発が失敗する理由の1つはアイデアがイケてないことでした。
では、なぜイケてないアイデアになってしまうのか。

このイケてないアイデアには2種類があります。
 ひとつはマーケットから見てイケてないアイデア。市場から求められていないアイデアになってしまうことは仕方ない部分もあります。市場に出してみないと分からないものも多いです。

 そして、もうひとつが、自分たちにとってイケてないアイデア。実は、これがすごく多いのです。自分たちにとってイケてないというのは、つまり、「なぜ自分たちがやるべきなんだっけ?」という質問に答えられないものです。組織が新規事業のアイデアを考えると、かなりの確率でぶつかる壁です。

 とはいえ、自社の強みを分析して、外部環境を分析して、、と手順を踏んでアイデアを考えると、誰が考えても似たり寄ったりなアイデアしか出てこないので難しい。


 そこで、非常に有効なアイデア創出の方法が、自分たちの持つ「アセット」に着目する手法です。自分たちが保有する資産に着目することで、強い弱いにとらわれる事なく、自分たちが何を活かせるのかが明らかになります。

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 ちなみにここで言うアセットとは、自分たちの持つ、設備やビルなどに限らず、顧客やネットワーク、知名度、ブランドイメージなど多岐にわたるものです。

 さらに、将来のトレンドから逆算したマーケットチャンスを考えて、「このアセットはこの領域に使えそうだな」というようにアイデアを出していくと筋の良いアイデアが生まれます。

現在、私が働いているリブ・コンサルティングでは、このアセット起点のアイデア創出方法のことを、「バリューカプセル」と名付けて活用しまくっています。詳しくは私の上司が書いた記事があるのでこちらを読んでみてください。


■ ②役割分担による組織体制づくり

 新規事業開発をうまく運用する体制の不十分さ故に、うまくいかない組織は多いのですが、組織体制づくりにおいて非常に重要なのが「役割分担を行うこと」です。
 事業の立ち上げを行う際は、何でも自分たちで、自前で取り組もうとしてしまいます。

 しかし、新規事業開発における仕事は膨大です。
 何から何まで自分たちでやっているといくら時間があっても足りないですし、本当にやるべき気ことに手が回らない状況になってしまいます。
 正解のない世界を切り拓いていく必要のある新規事業開発においては、 本当にやるべきことは、組織内での説明 / リソースの確保 / アセットの棚卸し / 関係各所の巻き込み 等 に加えて、一番重要なことに「意思決定」があります。

 言わずもがなですが、新規事業開発は判断や意思決定の連続です。
 外部や様々な仲間の手を借りてバランスよく役割分担を行い、自分たちが本来やるべきミッションに集中できる体制構築をすることが成功への近道になります。

 普段から地道に仲間づくりやネットワークづくりを積み重ねていることも非常に重要です。

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■ ③脱”正解”思考のマインド

3つ目のポイントは、脱”正解”思考のマインドを持つことです。

組織内で新規事業開発を進める際は、

•限られた予算の中で失敗はできない
•組織内での説明責任
•ピボット前提では考えられない
•アイデアが正解かどうか判断する術がない

などの理由から、どうしても正解を探そうとしてしまいます。

 しかし、新規事業開発をしていくに際しては、未来が分からなければ正解を見つけるのは不可能です。
 未来の予想はできるけど、誰も確かなことは分からない。

 なかなか難しいのですが、「見えない未来は見ない」と割り切る勇気を持ち、アイデアを正解に近づけていくアプローチを取れるかどうかが成否を分けます。

 アイデアが十分に検証できていないからといった理由で前に進めなくなるケースも多いのですが、何が正解か分からないと良い意味で諦め、ベンチャー企業のようにアジャイル型でどんどん変化を加えながら仮説検証のループを回していく。

 心持ち次第でスピード感が全然異なってくるので、チームで共有できると良いマインドです。


■ まとめ|そもそも何で新規事業?

以上、3つのポイント、

① アセット起点のアイデア創出
② 役割分担による組織体制づくり
③ 脱”正解”思考のマインド

についてお伝えしてきました。

 実際に新規事業開発に取り組んでおられる方には耳の痛い部分もあったかもしれません。少しでも成功率を上げる為のポイントとして、活用できる部分があれば幸いです。

 しかし、いまさらではありますが、新規事業創出をそもそも何でやるのでしょうか?

・売上アップを図るため
・コロナのような予期せぬことに対処できるようになるため
・プロダクトライフサイクルが短縮化する中で事業の柱を増やすため

など様々な理由があるかと思いますが、自社にとって新規事業がそもそも必要な理由をしっかりと考えることからスタートするべきです。

 経営陣がなぜ新規事業が必要かを明確化していて、社内でその旨を発信している企業は従業員に健全な危機意識があってどんどんうまくいく。だけれども、そうでない企業は部署間の断絶などを理由にうまく前進していくことができないケースが多いです。

不確実で結果が出るか分からない新規事業開発。
大変ですが、その分のやりがいがある仕事であることは間違いありません。

何かお悩み中のことがあれば壁打ち相手をさせていただきます。
お気軽にDMください!


上記で述べてきたようなポイントをまとめた社内資料はこちらからDLできます。ぜひご覧ください!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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