微積分学雑記1

前期に課題を採点して注意して欲しいと思ったこと。

 ε-δ論法において、εの任意性を勘違いしている人が多かった。「任意のεに対し」とは「εを任意に1つ固定して」や「εが任意に1つ与えられた時」という意味である。つまりε論法の途中でεが勝手に動くということはまずない。ゆえに収束性を示すのはそこまで容易では無い。

 εの任意性より、という魔法のワードは説明がめんどくさいからそう書いてあるだけであり、ここまでの議論は任意のεに対して成立しているから、そのことから矛盾なりなんなりで導けますよね?という意味で書いてある。もちろん慣れればそんなの簡単に示せるし、そう書いた方がむしろ直感によく合う。

 慣れるまでは「εの任意性より」、という呪文を唱えずに証明をしてみればいいだろう。なお、任意の量を処理するのは難しいので、背理法でやるとしばしば見通しが良くなる。

 最初はε論法は何を言ってんのか分からんだろうが、一度わかると直感と良く合い、極限の定義をよくぞこのように定めた!と感じるようになるだろう。それがわかるようになると、解析学が楽しく感じられるようになるはず。

 はじめはわからないのが普通なので、わかる人に聞いて理解して欲しい。

終わり!閉廷!

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