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学校に自分を縛られるのがストレスだった「バトル&ファンタジーD君の大冒険」~ゲームで学び遊ぶシンスクキッズ紹介~

ゲームで学び遊ぶシン・スクールには、好奇心旺盛で「自分でやる!」という気持ちが強い子が多いです。

そこには「ゲーム」という、自分が動かないと何も始まらない「主体性だらけの遊びであるゲームというエンタメ」が好きで、誰かに言われてやらされることよりも、自分の道をガンガン進むような「冒険」が好きな子が集まってるからなんだと思います。

今回ご紹介するのは、そんなシン・スクール(以下シンスク)を代表する、バトルもモノづくりもゲームもお手伝いも何でもバリバリやれちゃう奈良県の小3(現在小4)のD君です。

お母さんからお聞きした昔のD君は、、、

『元々繊細でこだわりが強く、何かを強制されてやる事が苦痛で、自分の事は自分で決めたいという性質が強かったにも関わらず、優しくて周りを思いやったり、高い感度で妙に人の気を察する一面もあり、学校では先生に言われた通りにやろうと必死に頑張っていたのだといます。また真面目で「〇〇すべき」頑固で融通のきかない所もあったので、学校という場での集団生活の中でどんどん自分の気持ちにフタをするようになって自分を出せず指示された事が完璧にできない自分を許せず追い込まれてしまったという感じでした。』

確かにオンラインZOOMで初めて会った時のD君は、ちゃんとした挨拶をしながらも、一緒にゲームをしてゆくと段々と攻撃的な感じも出てきたりしてました。

昔から学校とかでも負けん気が強かった方ですか?とお母さんにお聞きしたら、

『学校では「特に目立たず問題のない、大人しくて静かな子という扱いでした。家でも私が「社会性を大事に」と伝えていたので、自分の本心を出せずいつも周りを気にして本当に苦しかったと思います。その頃は荒れていて、当たり散らしたり癇癪もだんだん酷くなりどうしたら良いか分からない状態でした。』

とのこと。

確かに負けん気、負けず嫌いというのは誰でもあるものですが、D君の場合は自分の中にある「攻撃的で乱暴な部分」を学校で決して許されないモノとして抑え込まれてしまっていたために、その想い自体が否定されたようで、彼の苦しみを増加させていたようです。

そしてD君自身も、当時はお母さんに

『「自分には何もできない。みんなが普通にできる事が自分にはできない。」「みんなは当たり前に顔に目が2つあって2つの目で色んな事を見てやる事ができる。俺には最初から目が1つしかついてなくて、一生懸命見ようとするんだけど全然足りなくてすごく疲れる感じ」』

と表現する事もあったそうで、実際の視力などには問題は無く、自分が普通とは違うおかしな存在では無いかと疑うほどになっていたようです。

それにしてもこの「目が1つしかない」という表現をするセンスがすごいなと感じますね。

そんなD君が、シンスクのオンラインフリースクールやオンライン学童にやってきて、本人が得意なバンバン撃ち合うフォートナイトというゲームをみんなと一緒に遊んだところ、最初は遠慮がちで少し暗い感じだったのが、段々と言葉数も自然に多くなってきて、

「オレ、すごくない?オレ強い!」

と目も言動も活き活きと元気になってゆきました。

そこには、単に得意なモノを披露できた喜びだけでなく、自分と同じゲームが好きな子たちによって、存在や腕前を認められたというのがあるのだと思います。

※シン・スクールでは、ゲームを習い事としてスキルを教えたりはせずに、みんなと遊んで自己肯定感やコミュニケーション、生きてゆく力とつながりを学ぶ場としています。そのためゲームタイトルも固定せず様々なゲームをしています。

そうして元気を取り戻して、みんなとガンガンにゲームをして、イキイキとしていったD君でしたが、そんな彼の前に「周囲との人間関係の問題」というボス戦が、また学校の時と同じようにやってきました。

ある日、いつものようにとても無邪気にバトルして勝って

「やっぱりオレが一番強いのかな~?」

と言っていたD君でしたが、そこはやはり、同じように負けん気が強い子たちも多いシンスクなので、少し年齢が上の子から

「ちょっと言い方悪く無い?」と言われたり、

そんなゲームが強いD君を避けて、別で遊ぶ子たちも出てきたりしました。

そう、負けず嫌いなくせにバトルが好きな子は、時に「負けるのが嫌だから戦わない」というのを選ぶこともよくあります。

みんなが勝ちたい、強くなりたいと思っているのだから、別に強いこと自体は悪くないけども、まだその表現が上手くなかったD君は、怒りと共に悩みました。

「なんだか強いオレが悪者みたいじゃん!」

「なんか文句あるなら勝負しようぜ!」

と言い争いのような感じになり、ゲームの外でも、少々揉めるようになりました。

しかし、そんな状況を、一緒に入って遊んでるボク(ヨッシー塾長)は、思い切り見ていて、気まずい感じも知っているのに、そこですぐに解決とか仲直りをさせずに、そのまま見守り、放置しながら、まるで「東京リベンジャーズ」か「ビーバップハイスクール」(古い!)か、「クローズ」(これならちょうど良い古さ?)でも見るかのようにニコニコと楽しんでいました。

ただ観客として、その揉めてる時に「複数で1人を攻撃する」みたいな時だけは、「なんかそれズルくね?」と感想をつぶやいたりしたり、

あとは「ちょっと聞いてよ塾長~!」というのを揉めてる双方からそれぞれ聞いたりして、そこで、相手がどうしてそんな事をするのかの解説みたいなのはしていましたが、学校や施設で良く言われる「みんなと仲良くしましょう!」なんてことは、彼らに言ったことも思ったこともありません。

さて、このD君のお話し、実はここから他の子たちもどんどん巻き込んで、「大人しいあの子の大きな裏切り!」とか「同盟を組んで、軍と軍の抗争へ」とか、「シンスク内に独立王国が!」など、さらに二転三転したりする、まるで人気ドラマのような抗争や友情が生まれるのですが、その詳細は今回は割愛します。(別の主人公のお話にて)

そんな色々とあって、D君も泣いたり、激しくキレたり、もうシンスク辞める!となったりしたものの、その想いの全てをボクに話してくれて、彼の中で色々と考えたりもして、やがて「やっぱりオモロイから遊ぼうぜ!」となってゆきました。

そして、相変わらずゲームが強いD君は、自分より小さな子たちには少し優しくケアして助けてくれたり、ゼルダやマイクラやユナイトなど、他のゲームにも果敢にチャレンジしてゆきました。

そんな自分の持ってる乱暴性や正義感みたいなのを、存分に見せてくれたD君について、その後お母さんからこのようなお話をお聞きしました。

『最近何かの話から、私が「Dは今家族でいる時とかには自分の意見ややりたい事や嫌な事もすごくハッキリ言うよね。少しずつそれが外でも誰かにできる様になると良いのかもね。」と言うと、Dが「今は言える人いるよ。塾長!塾長には思ってる事ちゃんと言える。それはなんでかと言うと、塾長の事が本当に大好きだから。オレはホンマに好きやねん。」と盛大に告白してくれました。自分のスキを追求できるシンスクで、大好きな塾長がいる安心感の中で、自分らしさを解放できてるんだろうな〜と嬉しく思います。最近は本当に、どんどん外に出て友達や人と関わるようになりました。以前より知らない事や初めての場所にも少しずつ挑戦するようになっています。良い意味で武装が「ゆるんだ」感じです。シンスクの力だな〜と、感謝を日々感じております。』

という、なんとも嬉しいお話をお聞きすることができました!

うえーん! 

正直、ヨッシー塾長、嬉しくてちょっと泣いちゃいました。

ボクは、より多くの子を救いたい!という素晴らしい想いは無いのですが、自分が良いなと思う、守って救いたいと思う子たちへの想いは強くあるので、やってることも集まる子も、ある意味偏っているかもしれません。

ただ、そんな風にゲームやバトルが好きな子たちが偏って集まる中で、彼らは「ある程度理解しあえる仲間」と様々な人間関係や自己認識をしています。

個々が多様になりすぎた社会における子どもの社会勉強として、学校とはまた別の近い仲間が集まる楽しいコミュニティがある方が良いんじゃないかなと思っています。

おわり

と、ここでまとめて終わりにしても良かったのですが、実はこのD君には、「バトル」だけでなく、とてもファンタジーを楽しめる&モノづくりの高い能力もあるので、そこも触れずには終われません。

シンスクの八ヶ岳ゲームキャンプでは、リアルマインクラフトとして、木工でガンガン剣を作ったり、キューブ木工でも、自宅に帰ってさらに作ったり、大活躍でモノづくりを楽しんでいました。

さらにフォートナイトに出てくる通称デカポを、実際に飲めるモノとして再現して作ってみたり、アニメのコスプレ的なのも自作していました。



またマインクラフトのクリエイティブでは、ゲームキャンプで実際に泊った施設を、ゲーム上にそのまま再現するなど、高い創造性と主体性と行動力をどんどん見せてくれました。


「バトル」はもちろん好きで、それを存分に心から楽しむのと同時に、本来持っていたモノづくりやアート的な分野でのパワーもどんどん湧き出してきてくれました。

そう、「こんな事してみたいんだ!」と自分の中にパワーがある子ほど、学校のような「集団や社会を学ぶ場」では、その勢いや芽を摘まれてしまいます。

それが日本社会だと言われたらそれまでですが、もうそうとも言えない時代になってきていますからね。

比較的これまでの学校や施設では排除されやすい、「尖った部分がある、好奇心旺盛なデジタルネイティブな子たちを応援する」というのがシン・スクールをしているヨッシー塾長の目的でありますが、それをしてきて良かったなーと思えるのは、

こうして才能や個性あふれる子たちが、伸び伸びと自分を伸ばしてゆくのを直接見られることで、

ボク自身がホントにワクワクして楽しくなります。

どうもボクは、これまで教育関係のことをしてきましたが、

「教えを良く聞いてくれる子」よりも

「言う事聞かずに自分のしたいことをなんかやっちゃう子」の方が

好きで応援したくなっちゃうみたいです。

「バトル&ファンタジーのD君」をボクに引き合わせてくれた保護者の方に改めて深い感謝をお送りします。

ボクもD君のことは大好きで、一生忘れられない友人になりました。


これからも「オモシロと学び」の情報や考え方を伝えていきたいのでサポート頂けたら嬉しいです!