令和の治水事業 〜続・新潟から明日の医療を考える〜 その10

当事者意識

 平成16年度の改革会議傍聴時にかなり期待していた県立病院全体 の独法化の道が途絶えたため、その2年後、町立診療所および町立 訪問看護ステーションとともに安 定した医療体制の確立と経営安定化を目指して、当時制定されたばかりの社会医療法人を念頭に置い たローカルな医療再編(ユートピ ア構想と名付けたのが良くなかっ たか)を地元自治体に提案したことがある。県立病院と町立診療所 がそれぞれこのままでは、必要な分野に医療資源を適切に配分できず、職員共通の目標が描き難いなど主張して、まずは情報共有の場を地元行政など関係者に求めた が、結局一度も議論の俎上に載せられることはなかった(2013年全自病京都学会で報告)。そのときに強く感じたのはそれぞれの「当事者意識」の欠如である。 (つづく)