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へ・き・ち・さ・い・こ・う その5

以前より私は、へき地医療計画の目標が「無医地区の解消」であることに疑問を抱いていた。過疎地に通じる道路や橋を建設したら、そこを通ってムラ人が次々と流出し、50人以下となってようやく無医地区から外れたなんておかしい。ここ数年間コロナ禍でみんなが苦労してようやくDX推進の声が大きくなってきたのに、生身の医師がそのムラの診療所に「常に」配置されていないといけないという考え方がそろそろ時代遅れである。オンライン診療等の進歩と普及により、医療システムのみならず、社会そのものが劇的に変わると予想される。とすれば逆説的ではあるが、「無医地区の増大」という最終アウトカムもありだろう。すなわち無医地区であっても、そこに住む人々が、ケアや医療に関する不安や心配がほとんどなく、そこそこ長生きして、まずまず納得のいく最期を迎える。そんな時代が22世紀までにやってくると思う。(つづく)