日本企業は宗教的組織になるのか、ティール型組織になるのか。

最近、完全教祖マニュアルを読みました。

読む前の本著への期待としては、メンバーの幸福度が最も高い組織が宗教だと考えているため、その組織づくりを学べば、企業の組織設計にも何かヒントになることがあるのではないかと考えたからです。

実際読んでみると、企業と宗教では少し考え方が違うなという思いの方が強まってきました。

では、どんな違いがあるか?
それは、
メンバーが思考停止にさせるか否か
です。

宗教とは、いわば教祖の言うことを信じてそれに準ずる行動を行ったり、共通の信念を持った人との共管を通して「幸福度」を高めていきます。

昔の社会であれば、このような組織体で従業員のEXを高めて、画一的な行動を促して成果創出が達成できたかもしれません。

しかし、現代社会は昨日の常識が、今日の非常識と言われるほど変化が激しい時代です。そんな状況下において、大事なのは「現場の思考力」です。
現場の人が、自らの頭で考えて行動を起こせる組織が、結果的に社会の変化についていける、ひいては社会の変化を自ら作り出せます。

つまり、メンバーが思考停止してはおしまいなのです。

この点が最も大きい違いだなと思いました。
ただ、日本企業がこれから「信じることによる安心感と報酬から生まれる幸福感を提供するモノ」になるのか「使われることによる自己実現から生まれる幸福感を提供するモノ」になるのかその方向性が依然見えないので、宗教的組織かティール組織のどちらが良いとも言えないというのが今の僕の思いです。

じゃあ、宗教から学べる組織形成のノウハウはないのかというとそんなことはないと思います。

組織への信頼感向上のためのノウハウはあると思います。

例えば、組織のお金の使い方
完全教祖マニュアルでは、宗教に集まったお金は寄付に使えと言っています。それにより、自分のお金はこんなに社会貢献に使われているんだと寄付に対してのモチベを向上させています。
企業でも同じで、
・社員が献上したコストが企業の製品やサービスによってどう価値に還元されて、それが社会に影響を与えているのか
・企業が儲けたお金は、どう投資されているか?

この辺がクリア且つメンバーの納得度が高い組織は、信頼感も強まり、企業にいることの幸福度や貢献したいというモチベアップに繋がると思います。

また、本著では「善行・悪行に限らず、人間には行動の理由が必要」と述べています。
宗教の場合、善行を行うための理由が教義であり、教義に従う理由は信仰心を行動で示して、「神様、私はこれだけのことをしたのだから不幸なんて起きませんよね」という安心感を得るためです。

企業でも、善行を行うための理由付けが必要でしょう。ここで言う善行とは、

・上下関係に委縮しないコミュニケーション
・周りの目を気にしないリーダーシップ
・積極的な雑用係
とかです。

評価制度や自分から起こす変化が企業や社会にどの程度のインパクトを残すかの可視化だったりが、これらを解決する一案としてあるかなと思います。


こんな感じで思考が膨らんでいったのですが、僕はこれから社会人2年目になるペーペーです。
組織なんてほぼ率いたことがないので、こういう話をするとどうしても抽象的な意見になってしまいます。
この1年は、より人事や組織設計の仕事に参画できる予定なので、しっかりと体験を重ねたいと思います。


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