オンライン飲み会が、盛り上がる”だけ”で終わる理由を考える

大学を卒業し、新卒で入社してから1年半。
時を同じくして、コロナが流行って1年半。

未だにオフィス勤務はしませんし、コンサルという業種柄お客様次第ではあるものの、今後も週5出社で働くことはもうないでしょう。

そんな働き方の中、定期的に行われるのが

オンライン懇親会

です。

ビデオツールを使って、仕事外の話含めて自己開示して、親睦を深める場です。

が、皆さんどうでしょうか?
親睦、深められるでしょうか?

社内の役割上、自分も企画側の仕事をよく行うので、この言葉を言うと企画者にとってはショックなことはよくわかっていますが、

オンライン飲み会”だけ”で仲良くなった人、気軽に何かを相談できる間柄になった人は、残念ながら一人もいません。

今、仲が良い社内の人は、全員実際に会って、話している人です。

じゃあ、僕の会社の幹事さんが、オンライン懇親会の工夫をサボってたかといえば、そんなことはありません。


盛り上がるゲームを考えたり、テーマ毎に分かれたzoom部屋を作ったり、同じものを注文して共通の話題を用意したり、、、。

色んな工夫をしていただいたのに、少なくとも僕はオンライン懇親会のみで仲良くなった人がいませんでした。

じゃあ、なんでオンライン懇親会では仲良くなれないのか?
(=会社の心理的安全性を高めるような存在をオンライン懇親会で作れない)
理由を考えてみました。

お前がコミュ障なんじゃねえの?という説は、置いておきます。

そもそも懇親会が楽しくても、仲良くはならない 


まず、この事実は押さえておいた方が良いんじゃないかな?と思います。

先程紹介したようなオンライン懇親会の工夫を行うと、懇親会自体はそこそこ盛り上がりはするんです。

でも、仲良くはなれない。
少なくともコロナ第一世代の僕は、仲良しを作れなかった。

なんでかな?と思い、
そういえば、コロナ前に仲良くなった奴ってどうやって仲良くなったかな?と考えてみました。

すると、飲み会1回で仲良くなった奴って少なくね?とふと思うわけです。

つまり、懇親会が盛り上がる=仲良しが作れるの前提が違うんじゃないか?という仮説が生まれました。

別の角度からも考えてみたいと思います。

例えば、恋愛では、「告白は3回目のデート」とよく言うかと思います。

1回目で相手のこと知って、
2回目で自分との相性見極めて、
3回目で告白。

この3回のデートが盛り上がることが、告白が成功する大前提だと思います。

でも、デートだけ良ければ上手くいくか?と言ったらそうじゃないですよね。

各デートの間で、手紙や電話、LINEを駆使してどれほど仲を深められるか?が大事じゃないですか。じゃないと、この人LINEだとつまらんなってなっちゃいますよね。

通信機器がない時代からの共通項として捻り出すとするならば、会ってない時にどれだけ相手を想っている時間が長いか?によって、多分告白の成功度って変わると思うんです。

社内で仲良しを作るのも、この「会ってない時間が愛を育む」が成り立つんじゃないか?と思っています。

出社してる時であれば、対面で仕事して、ちょこちょこと会話するという行為で、強制的に相手を想う機会(少なくとも会話してる時間は)って増えると思うんですよ。

んで、時々ある飲み会でよりオープンに話したり、互いの素性を深ぼっていきます。

そして、そこで得た互いの共通項を社内で会った時にサクッと話す。

こんなループをしていくに連れて、相手の情報を記憶していって、さらに相手のことを深く知っていく、仲を深めていっていたはずです。

じゃあ、なんで相手を想う時間、会ってない時間のコミュニケーションが大事なんでしょうか?

これは私見ですが、定期的にコミュニケーションを取ってないと人間は、すぐ相手のことを忘れてしまうからじゃないかなと思います。
すんごい当たり前です。

でも、この「忘れちゃう」というのは、意外にも、相手により深掘ったコミュニケーションを取ることを萎縮させてしまいます

俺のこと、忘れちゃってるかな?
やべ、この人の趣味なんだっけな?

と。こうなると自分が地雷を踏んで傷つくことを避けるために、仕事の話やコロナの話なんかに落ち着いてしまい、仲を深めることができません。

ということで、まずこの

「オンライン懇親会を盛り上げる=仲良しが増える」前提を取り払うのが良いかと思います。

幹事の役割は「オンライン懇親会を盛り上げる」まで

ここまでの話は、オンライン懇親会しかしてきていない新卒1、2年目の中でも感じている人は割といると思います。

でも、そんな彼らがオンライン懇親会の幹事をする時、オンライン懇親会後のコミュニケーションまで手掛けることはありません

なぜなら、幹事の仕事範囲ではないからです。
もう少し言うなれば、オンライン懇親会後のコミュニケーションを支援する、時間とインセンティブがないからです。

そして、それらがないのは、社員の仕事割を決めている上層部が、
・心理的安全性を高める重要度を認識してない
・オンライン懇親会が盛り上がれば仲良くなると思ってる

のどちらかなんじゃないかと思います。

じゃあ、上層部のせいか!というとそういうわけでもないと思います

だって、コロナで対面のコミュニケーションが取れないせいで若手が社内に仲良しを作れなくても、仕組み的に上層部は大してダメージがないからです。

だって、上層部は社内の上層部付近の人と、抽象度の高い仕事をするじゃないですか。
より具体性の高い仕事をする若手がどうなってても、直近の仕事では大して関係ないですよね。

また、若手人材というのは会社にとっては大きな価値ですし、気にしないのは会社にとっては確かに大きなリスクです。
しかし、年功序列が未だに主流の日本において、仕事割をする上層部は定年に近い世代が多く、若手の伸び不足の弊害を受ける前に定年退職してしまいます。

あとは、年齢が離れてるからシンプルにジャネレーションギャップがありますし、彼らはくそ忙しいです。。笑

そういった理由もあって、表面的には若手のオンラインコミュニケーションの活性化を課題に感じていると上層部は言うでしょう。が、本当に当事者意識を持ってその課題に向き合うのは、仕組み的に中々難しいのでは?というのが個人的な感覚です。(一部、本当に解決しようとしてくれる優しい方はもちろんいますが、やっぱり感覚は違います。)

なんか気の向くままに書いてたら、話が逸れてしまったので、ちょっとまとめます。

詰まるところ、

・「オンライン上で、心理的安全性の高い組織を作る」ためには、会社としての打ち手が必要

・息の長いプロジェクトになることを考慮して、タスク配分してあげる仕組みを構築することが必要

ということです。じゃあ、こんな感じで会社の仕組みや上層部のマインドを変えれば解決かというとそう言うわけでもない気がしているんです、、。

若手は、オンライン懇親会で、仲を深める必要がない

自分がコロナ後の入社ということで、若手という層をコロナ後入社の人と定義して話したいと思います。

ここまでの話を覆すようで申し訳ないのですが、若手って心理的安全性の最低ラインは自らで保っていると思います。

もっと雑に言ってしまえば、オンライン懇親会は別になくても困らないということです。

結局仲良くなれるのは対面で会った人ということは身に染みてわかっているので、若手はなんだかんだ同期同士で会っていたり、そもそも会ったことがある人と密にオンラインでコミュニケーションを取っているんです。
(コロナは最低限気にしていると思いますが、、)

だから、コロナ前と比べたら仲良い人が少ないと思いますが、最低限の心理的安全性は保たれています。というか、保たれていない人は残念ながら辞めてしまっているかと思います。

こういう状況を踏まえて、オンライン懇親会なんて撤廃してしまえという意見が一定数あるんだと思います。

でも、僕が学生インターンしていた時に結構おじさま(敬意を込めてあえての表現です)に飲みに連れて行っていただいましたが、個人的には結構刺激のある話が多かったなと思っているんです。世代間コミュニケーションって、とっても有益だなーと思っているんです。

これまで世代間コミュニケーションの魅力ってどのように若手が体感してきたかと言えば、多分半強制的な飲み会に参加してからなんじゃないかなと思います。
そこでの体験談とか、仕事への熱とか、哲学とか、失敗話とかを聞きます。そして、普段は厳しい上司の人となりを知り、敬意が増し、何かあった時に相談したくなるのではないでしょうか?

確かに僕らは歳が近い人とはなんだかんだ交流を深めて、心理的安全性を担保しています。
しかし、上の世代からの金言のようなものは貰えていません。と言うより多くの若手が、人生の先輩たちに金言が潜んでいることを知らないんです。

世代間コミュニケーションは有益なんだということをもっと体感してもらわなきゃいけないということです。

まとめます。

・オンライン懇親会が盛り上がるだけでは、決して仲良くならない
・オンライン懇親会を超えた施策を打つチームを、会社として用意すべき
・世代間コミュニケーションの有益性を示せ

です。

なんかここまでの話は言うだけ言ってて解決策を出してませんし、経験ベースの仮説に過ぎません。

じゃあ、どうする?って部分とか実体験を踏まえたコミュニケーション方法などは、色々検証しながらまた述べていきたいと思います。


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