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直腸カルチノイド闘病記1 ~人間ドックでも受けてみるか編~

 2020年6月、新型コロナウイルスで世界中に激震が走り、私の口座には経済対策として全世帯にバラまかれた特別定額給付金が振り込まれた。

 以前より40歳を過ぎたら人間ドックを受けようと心に決めてはいたものの、仕事や育児に追われてなかなか踏ん切りがつかず、計画を放置したまま1年が過ぎようとしていた。

 定額給付金が振り込まれたというタイミングもあり、ちょうど41歳の自分の誕生日に人間ドックを申し込み、自分への誕生日プレゼントにした。お金があったので気が大きくなっており、ついでに胃カメラ・大腸内視鏡検査・各種がんの腫瘍マーカーの検査も同時に申し込み、いったんここで何もかも検査してしまうことにした。

 いかんせんまったく初めての大腸内視鏡検査。2リットルの下剤を飲むのがとにかくきついと経験者達から聞いてはいたが、下剤は意外にもポカリのような味で美味しく感じ、飲むペースに気をつけないと早く飲みすぎでしまうほどだった。隣で下剤を飲んでいるおじいちゃんが、以前直腸がんで亡くなった仲の良かったおじいちゃんとすごく似ていて、なんでこんなこと思い出すのかなーなんて思ったりしていた。後々、これは虫の知らせ的な啓示だったことを知ることになる。下剤は1リットル飲み干したくらいから便意が頻繁にきて、計10回ほどトイレに行ったところでいざ検査となった。

 検査前には胃カメラ用の喉の麻酔もしたのだけど、それがどうにもなじめなかった。ゼリー状のものを喉にためておくというやつ。猫アレルギーなのに猫を飼っているので慢性鼻炎で、鼻呼吸が上手くできないのだ。胃カメラも大腸内視鏡も鎮静剤を使ってうつらうつらしている間に連続で検査する手順らしいが、胃カメラが苦しすぎて涙が出た。そこで記憶がプツリと途絶えているので鎮静剤の量を増やされたのだろう。すべて終わって目が覚めると、お尻にゼリーのようなものがべっとりとついていたので、知らない間にお尻を犯された…というのがわかった。特に痛くはなく、童貞捨てた時よろしく大人になるってこんなもんか感が漂ったのであった。

 ともあれ目が覚めてしばらくしたら診察室に呼ばれ、医師から説明を受けた。直腸に6~7ミリと思われる腫瘍が見つかり、これは粘膜下腫瘍といって大きな病院で切除する手術を受けた方がいいとのことだった。検査結果を郵送するときに紹介状を同封しておくねという話であった。ちなみに胃の方は特に問題の無い小さいポリープがいくつかと、食道裂孔といって食べたものが食道に上がってきやすい状態とのことだったが、特に大きな問題はないらしい。

 全部終わってホッとしたのと、食事制限からも解放されたので、帰りに大好きなラーメン屋で大盛りのラーメンを食べて大満足で帰ったのでした。