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【JCS2021 ベスト8】モクナシダダリン徹底解説【森から世界へ】

はじめに

どうもyos(@yos_poke)、ヨシハラです。

記事を手に取っていただきありがとうございます。

JCS2021に出場したみなさん、お疲れ様でした。
一度は中止も危ぶまれましたが、無事開催されて本当に良かったです。

今回も私はCL愛知で運良く取れた優先権で参加することができ、ベスト8という成績を残すことができました。デッキ解説や対戦レポートを記していこうと思います。
大型大会の成績は1勝3敗から始まり、
2勝3敗、4勝3敗とドロップを重ね、
その後エクストラレギュレーションで完走できるようになり、
前回のCL愛知ではエクストラでベスト16
そして今回遂にスタンダードのJCSにてベスト8と、常に前よりも良い成績を取り続け、ステップアップしていけたので今回の結果には悔しいながらも満足しています。

また、CL愛知に続き今回のモクナシも、ゆっかーさん(@rowlet0215が考えてくれたリストです。
モクナシゴリランダーで言うところのゴリランダーくらい偉大な方です。本当にありがとうございました(今回の記事はゆっかーさんに許可をいただいて執筆しています)。

無料部分では環境考察モクナシダダリンを使った理由について。
有料部分では具体的なリスト、採用カード解説、不採用カード解説、デッキの使い方などを記していきます。詳しくは目次をご覧ください。


いつものごとく最近の戦績を貼っておきます。

CL横浜2021 カウンタードンファン 8-5(Day1抜け)
CL愛知2021 モクナシラフレシア 6-1 ベスト16(エクストラ)

シティS1 三神ザシアン 5-0(ベスト8)
シティS2 小ズガ 4-1(オポ落ち) 

JCS2019 マタドガスゼブライカ 7-2(オポ落ち)
JCS2021 モクナシダダリン 7-2 ベスト8


環境考察

いろ〜〜んな方がもう既に行っているのでざっくりとでも理解している人は少なくないと思います。

現環境は、超タイプ・悪タイプ・闘タイプ、これらを中心に回っています。これは事前の予想の時点で明白であり、結果的に見てもそうだったと言えます。

わざわざ「こくばバドレックス」などではなく、○タイプ、と説明したのは、悪タイプの幅が広いためです。

超タイプは基本的には
・こくばバドレックスVMAX+マホイップVMAX
こくばバドレックスVMAX+ミュウツー&ミュウGX
こくばバドレックスVMAX+ソルガレオ&ルナアーラGX

これらそれぞれのスタジアムの選択肢に
・混沌のうねり
・トキワの森&トレーニングコート
・頂への雪道

がありました。

「頂への雪道」採用型は「れんげきウーラオスVMAX」への相性が他の超より著しく高く、悪タイプに対しても抗いやすいことから評価を高めで置いていました。

また「トレーニングコート」採用型は、「キョダイホイッパー」の後に息切れしにくく、プレイングの難易度が落ちることもあり数はこちらが多いと予想していました。

闘タイプ
・れんげきウーラオスVMAX+クイックシューター

悪タイプに対する無類の強さと、三すくみの中で最も弱点に抗いやすいことからも使用者が多いと予想していました。

今大会で「れんげきウーラオスVMAX」以外のデッキを選択する場合、これにだけはとんでもないくらい有利なデッキを使いたいと思っていました。

悪タイプ
・ムゲンダイナVMAX+ブラッキーVMAX
・ダークパーフェクション
・いちげきゲンガーVMAX+ブラッキーVMAX
・いちげきウーラオスVMAX+ブラッキーVMAX
・その他ブラッキーVMAXやガラルファイヤーがタッチで入るデッキ

「ムゲンダイナVMAX」はどう構築してもあまりにも「れんげきウーラオスVMAX」に不利過ぎるので勝てば勝つほど数は減ると予想していました。

「ダークパーフェクション」は対応力の高さや6エネ「デッドムーンGX」の圧力から人気がありましたが、ドローサポートが少なくシステムポケモンを並べまくる性質上、「頂への雪道」が重いと感じました。

いちげき系統のデッキは弱点を分散させることができていて色も強かったため、個人的には評価が高かったのですが、大会を通して数が少なかったように見受けられました。

三すくみを中心にして、その他星の数ほどのデッキが群雄割拠している環境であると考えていました。
星の数あるその他のデッキとデッキに対する評価を紹介していきます。

・三神ザシアン
三神バレットという形に変わり、環境に返り咲くも、結局しばらくして環境の一線からは退いてしまいました。
技を宣言する回数が「れんげきウーラオスVMAX」級に少なく、弱点の影響を受けにくいことも強みで、何より「三神ザシアン」が環境から消えたこと、が彼らを復活に導いた一因であると考えられます。
JCS本番ではバレットではない「三神ザシアン」が不死鳥の如く復活し、ベスト16に大量発生しました。
心の中で、俺の次に優勝してほしいな〜と思っていました。

・レックウザVMAX
誰かが完璧なものを完成させて優勝するのではないかと震えていましたが、少なくともマスターではそんなことはありませんでした。
青天井火力とスタンプへの耐性が高いことが魅力ですが、
雷タイプを軸にした「モココ」で加速していく型は盤面完成のハードルと、「れんげきウーラオスVMAX」がデッキコンセプトから重いことが欠点で、
炎タイプを軸にしたものは、そもそも考察している人があまり多くないように見受けられました。

・れんげきテンタクル
VMAXだらけ、三神少ない、の環境だったので単純に環境に合っていたと言えると思います。
先攻を取って確実に「どんどんよぶ」から入ることで事故も少なく安定していると思いましたが、
「チャーレムV」入りの「れんげきウーラオスVMAX」が非常に厳しいのと、当たるかどうかは別にして「三神ザシアンは数に対して勝つ可能性がある程度高い」と思っていたので握るに至りませんでした。

・ジュナイパー
JCSに出場するのは私のような暇な人だけではなく、忙しい方も多かったと思います。
練習量が少なく勝てる点と、生半可な対策では「ジュナイパーを」本気で練習している人では突破できない可能性があると考えていました。「ジュナイパー」を使わない人視点には見えていないものが「ジュナイパー使い」には見えている可能性が高いので、私は大型大会においてはあからさまに「ジュナイパー」のようなデッキタイプに強いものを持ち込むことが多いです。

・はくばバドレックスVMAX+スイクンV
「スイクンV」の登場でエネルギーを盤面に保持しながら戦いやすくなりました。
そういうこともあって、サポートを「メロン」にさかなくても良くなり、デッキの柔軟性が段違いで上がる...
...と良かったのですが、結局いつも「メロン」を使っているので、「スイクンV」が「はくばバドレックスVMAX」デッキの欠点を補えているかと言われていると怪しいと感じました。

・リーフィアVMAX
「リーフィアV」の持つ「りょくかさいぼう」がポケモンカードにおける、「簡単そうで難しい手貼り」の要求値を下げている点が評価ポイントで、厳しい「こくばバドレックスVMAX」を「ブラッキーVMAX」などで克服しようとするコンセプトはJCSで使用する候補にもなりました。

・スイクンチルタリス
JCS直前に彗星の如く現れた新しいデッキタイプ。「スイクンV」と「チルタリス」の非常に安定したシステムで攻撃やハンデスを自在に操ります。
デッキシステムがバレていると弱いのかなぁと思い本番使うには至りませんでしたが、「スイクンチルタリス=ハンデス」という世間の常識を覆す構築で本当の本当に一番大事なところで日本代表への道を阻んだ、ガルシア選手の「スイクンチルタリス」はトラウマものです。
詳しくは後日あげる予定の対戦レポートまで。


三すくみ以外であるとこの辺のデッキが注目されていたのではないかなと思います。

基本的には弱点を突き合う環境で、弱点の輪から外れたデッキはパワー不足をどのようにして補うかその輪の中で戦うならどう弱点に立ち向かうか、がカギとなる大会となりました。


モクナシを使った理由

私はCL愛知でもエクストラですがモクナシを使い、今回もモクナシを使いました。
「yosってモクナシや草タイプが好きなんだっけ?」と聞かれることも増えましたが、流石の私でも勝てるかどうかでデッキを決めていますので、連続でモクナシを選択したのは普通に偶然です。

理由①:意表を突ける

「最初からそんな理由でこの先大丈夫か?」と思われそうですが大真面目な理由はこの後書くとして、これも非常に大事な理由です。

素晴らしい完成度のYoutubeの動画やnoteがたくさん普及したおかげで良くも悪くも気軽に環境考察ができるようになりました。
しかし、JCS前のいろんな環境考察を見て、Tier3にも「モクナシ」が入ることは少なかったように思います。
でも、「モクナシダダリン」は新しいデッキタイプでも、奇想天外な組み合わせでもありません。

ではなぜ、誰もその名を挙げないのか。

自分自身かなり謎でしたが、最有力な理由は舐められていたからだと思います。

皆さんが私の知っているカードをプレイしていくのに対し、私は皆さんが練習していないカードを次々とプレイしていきます。

ジャングルライズ、ブンブンチェーン、ダイアンカー、イカリのいかり、やすらぎハリケーン、トロピカルアワーGX、ミュウツー&ミュウGX、マオ&スイレン

大型大会の大事な一戦で、初見で全ての技やカードを予測して100%の力を発揮して戦える方は限られているのではないでしょうか。
大事な局面で練習していない不測の事態が起こることの恐怖は計り知れません。


理由②:三すくみから外れていて弱点が環境に少ない

これが一番大きい理由だと思います。「ムゲンダイナVMAX」を使っていると「れんげきウーラオスVMAX」に当たった時に、嫌な気持ちになりますよね。
「れんげきウーラオスVMAX」は「こくばバドレックスVMAX」に対して結構戦える印象ですが、それでも嫌だと思います。

その気持ちになることがない、というだけで使っていて安心感がありました。

もちろんその分デッキパワーが低いので様々なカードでそれを補っていくことになります。詳しくはデッキの使い方の部分にて。


理由③:決められた動きの再現性が高い

「モクナシ」の動きは基本的に弱いです。後手を取るのに後手から殴れないのも弱い。2ターン目だって基本的に150ダメージが良くて限界なのも弱いです。

でも、他のデッキを使っていて、起こる下振れの回数に対して明らかにこのデッキは達成しなければならないハードルが低いです。それが本当に強い。

ポイントは後1に必要なカードの全てがタッグコールからサーチ可能であるということ。タッグコールが1枚手札にあれば、後攻1ターン目の動きは100点満点中大体95点くらいです。

相手によって必要なポケモンの道具が変わるので引けるか引けないかはご都合になってしまうように見えて全て「グズマ&ハラ」から全て確定サーチ可能。

大型大会で重要なことは、何回上振れるかではなく、何回下振れないかだと考えています。

上振れた試合は勝って当然です。しかし下振れた試合の敗北の理由を下振れたから、にしたくはないのです。


理由④:予選は全てのジャンケンに負けていい

デッキがバレていない限り、現環境はほとんどの場合で先攻を選択されます。
もちろん私は後攻が欲しいので、勝っても負けてもハッピーというわけです。ジャンケンに負けて一喜一憂したくない。

今回の目標はあくまで日本代表。例え最後にはデッキがバレてみんなに後攻を取られることになって負けたとしても、ベスト16は必ずもぎ取って日本代表になって愛知から返ってくる、そういう気持ちでこのデッキを握りました。


このそれぞれが私がモクナシを握るに至った理由となります。

以下デッキ解説から有料となります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

また、無料部分の最後でお礼の言葉を言いたいと思います。

デッキを作ってくれたゆっかーさん、一緒に練習してくださった皆さん、終わった後いつも飯から参加してお話してくれた方、毎日通話で会議してくれたDiscordの民、俺は日本代表になれました!
本当にありがとうございます。

多分収益はWCSの渡航費になります。すみません、マジでお金無いのでご協力お願いします。


デッキリスト

配信卓で思った方もいるかと思われますが、よく見かける「モクナシダダリン」のほとんどの構築に入っているとあるカードが入っていません。

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