2017/4/24〜26の東京見物【その6*東京都美術館『バベルの塔展』】

画像1 【2017/04/24〜26】 妹と行く!東京見物二日目その4。前回【https://note.mu/yosi_oekaki/n/n7f6b9c2497da】 上野東照宮を参拝しそろそろお昼前、今回の旅のメインディッシュ『バベルの塔展』に参ります。 公式HP【http://babel2017.jp
画像2 東京都美術館に戻って来て、ワクワクしながらエントランスへ。丸くて銀色の不思議なオブジェがお出迎えしてくれます。が、早速撮影し忘れ。早く企画展に入りたくてワクワクが超加速しています。
画像3 美術鑑賞で音声ガイドは普段は利用しないのですが、ちらっと看板を見てみると、「バベルの塔展」マスコットキャラクターのタラ夫君の声を担当したのが声優の森川智之さん!マーティン・フリーマンの吹き替えしてる人だ!!って訳で妹を差し置いて一人レンタルしてしまいました。
画像4 いざいざ展示会場へ!!もちろん撮影NGなので私の思い出落書きでフォローさせて下さい。そして展示物内容は是非会場へ!ご自身の目でお確かめ下さい…。 バベルの塔が描かれたのは16世紀頃、イタリアでルネサンスが花開いた時代のネーデルランド(オランダ)です。今回の展示物はバベルの塔が出来るまでオランダの絵画がどの様な道を辿って来たのかを巡る内容になっています。
画像5 会場に入って妹と別れて閲覧しました。美術鑑賞の方法は人それぞれ。一つ一つ見ると疲れてしまう人もいるのでマイペースに単独で巡るのが一番じゃないかな?音声ガイドを頼りに作品一つ一つをじっくり鑑賞して行きました。 絵画だけではなく、木像彫刻などもあり、オランダ「ボイマンス美術館」のコレクションを堪能出来ます。 企画展などに来ると日本と海外の美術館がこの企画展を行うまでの色々な準備や交流などを感じられます。 「遠い国からようこそ日本へ!」と感じました。
画像6 ルネサンス前のオランダの絵画は絵の具を何重にも塗り重ねる技法で、どの作品も完成にとても時間がかかっている様に見えました。写実よりもどこかデザイン的で、どれもこれもまるで宝石の様な美しさです。 じっくり見ようと構えていた私にその時悲劇が…
画像7 鑑賞中に片目が謎の痛みに襲われ前が見えない!うおおおおおおおお!!やめてよおおおお!!一番楽しみにして来た場所で身体の変調はやめてよおおおおお!!!!!
画像8 休憩所にたどり着くとトイレで眼球をチェック!なんとも!ない!!でも痛い!!何度もトイレを行ったり来たりして目を洗ったあたりで何とか痛みは軽減されました。辛かった…!
画像9 さて、閲覧に戻って。バベルの塔を描いたブリューゲルの前時代にはヒエロニムス・ボスという画家がいます。幻想絵画なんかで有名・人気の人ですがご存知でしょうか?奇妙な怪物が画面のあちこちに彷徨いてる謎の絵を描いたおじさんです。謎の絵師、という印象が私の中には長年あったのですが、いざ実際にボスの絵画を見ると何だか奇妙な絵も楽しそうに描かれているのですよね。ボスおじさんは見る手が自分の絵を見てどんな反応をとるのか楽しんで描いてたんじゃないの?なんて考えちゃいました。
画像10 ボスが亡くなってからもボスの絵は大人気!ボス風の絵を手がける職人達が沢山集まって絵や版画を製作していました。その中の一人がピーテル・ブリューゲル先生。ブリューゲルも奇妙な絵を描くタイプの画家ですが、その始めはボスの模倣だったんだなあ…。ブリューゲル自身は身近な人々の生活や営みを描きたい庶民派画家だった様です。でもその才能はやっぱり本物。ボスの様な天然な変な人ではなくとも見つめる対象はいつも真摯さと親しみやすさ、あと優しさがあるように感じました。
画像11 ボスおじさんはこんなイメージ。なんかもうすごく楽しそう。
画像12 ブリューゲル先生はこんな印象です。 この時代は宗教画が主流だったのに、ブリューゲルは農民の絵を描き残しています。当時としては珍しい画家だったんだなと再認識出来ました。
画像13 そんなブリューゲルの描いたのバベルの塔、実物はそこそこ大きめの絵、といった感じでした。赤が鮮やかで何時間でも見て入られる絵です。私は小学校中学校頃にブリューゲルのドキュメンタリー番組をテレビで観てずっっとこのバベルの塔のファンでした。さぞ感動するんだろうな!と思ったのですが、ボイマンス美術館のコレクションを巡って最後にこの絵と対面すると、なんだか「憧れの絵」ではなくもっともっと身近な絵と「やあ」って挨拶する様な感覚でありました。
画像14 バベルの塔とは旧約聖書の物語の一つです。人間は昔はみんな同じ言語を喋っており「皆で神に近づけるほどの塔を建てよう!」と結束して建築を開始します。神はどんどん大きくなる塔をみて「同じ言葉が喋れると人間は一致団結しちゃうからバラバラの言葉に変えてしまおう」と考えます。塔は神の力でバラバラに崩されて人間達は違う言語を喋る様になった…という物語です。この塔は神をも恐れぬ人間の愚かさを表現している、と、パッと見だとそう思うでしょう?でもブリューゲルって人はもっと優しい人だった様で…
画像15 この大きな塔の絵をよーーく見て見ると、豆粒ように描かれてる人間達がそりゃあ一生懸命働いているのですよね。一人一人とても生命力溢れていて、「大きなもの作るぞー!」という声が聞こえて来そうなのです。このバベルの塔は畏怖だけじゃなくて身近な人間達の営みが描かれていました。旧約聖書の物語だけだと恐ろしい絵に見えます、この人達はその後作った塔がバラバラにされてしまうけど、今現在は生き生き暮らしている。「バベルの塔」という絵は二つの側面のある絵画でした。受け取り方は人それぞれ、私はそのどちらも大好きです。
画像16 バベルの塔の側には現代の最新技術でデジタル再現されたバベルの塔の拡大絵が展示されていました。ものすごーく大きな絵で、働いてる人達がよく見えます。 ギャラリーショップで記念にポストカードを購入して、本当に名残惜しいのですが「バベルの塔展」の会場を後にしました。
画像17 さて会場を出たらマスコットキャラクターのタラ夫くんの着ぐるみが!かわいい…すね毛生えてやがる…!
画像18 バベルの塔展の公式ツイッターでいつも告知をしているタラ夫くん。企画展が始まる前はスペインにブリューゲルの絵画を見にいったりしていました。ブリューゲルの作品は世界各地に散らばってるので、見る機会はなかなかありません。今回のバベルの塔来日も24年ぶりだそう。滅多にない機会ですので是非足を運んで見てください。教養の深まる素敵な体験ができますよ。
画像19 東京都美術館を出る頃には既に午後4時を回っていました。美術館入るとやっぱ3時間以上はうろついちゃいますね!昼ごはんも食べておらず、足はクタクタでじんじん痛い我々は近くのレストハウスに向うのであった…!まだ不忍池にも行ってないぞ!次回に続きます!【https://note.mu/yosi_oekaki/n/ne38bdb78188e】 (☆追記☆上野の東京藝術大学の建物の中に、バベルの塔の模型やプロジェクションマッピングの展示が行われています。入場無料です!) #よし日記 #よし写真 #写真 #日記

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