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【百年ニュース】1921(大正10)7月31日(日) 原敬首相と内田康哉外相が揃って小田原古稀庵の山県有朋を訪問。内閣の外交方針を説明。米国が召集しているワシントン会議(海軍軍縮,日英同盟廃棄)への参加,シベリア出兵からの撤兵,また第一次大戦以降も占領中の山東省からの撤兵につき山縣の了解を得た。

原敬首相と内田康哉外相が揃って小田原古稀庵の山県有朋を訪問し、内閣の外交方針を説明しました。米国が召集しているワシントン会議への参加方針、シベリア出兵からの撤兵方針、また第一次大戦以降も占領中の山東省からの撤兵方針につき、元老山県より了解を得ることに成功しました。

山縣[有朋*]を小田原にて訪問せり。対英米交渉ならびに軍備縮小,太平洋問題に関する先だって内田[康哉*]外相より内話以後の状況につき,我が政府の返答ぶり,米国の我に対する感情,近況はやや好況なるの感あること,およびシベリア撤兵につきチタ政府代表ユーリン[極東共和国代表外務大臣*]と当分大連に談判,解決を計るに至るべく,山東問題はさいわいに米国より支那に注意するにいたらば,なおさらの事かなり速やかに解決すべき旨小幡[酉吉駐北京*]公使に内訓したること等内話せしに,山県も米国に開く会議の傾向につきやや安心の旨物語り,なおシベリアおよび山東の撤兵は,撤兵後は紛擾も起こらんが,その際は列国かえって我に出兵を求むるようなことも之あらんが,とにかく今日となりては速やかに決行に賛成なりと言えり。

原奎一郎編『原敬日記 第五巻 首相時代』福村出版,1981年,420-421頁 〔*は引用者註〕

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ワシントン会議


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