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【百年ニュース】1921(大正10)3月29日(火) 米国財務省が日本の対米輸出品のうち「Made in Nippon」と標示する商品を今後通関せずとの報道。原産地名は「Made in Japan」に一本化される。それまで日本の輸出品には「Nippon」「Japan」両方の表記方法があった。米国税関当局より通知あり9月1日より施行。

ニッポンかジャパンか 米国関税法と日本商標

1913年制定の現行米国関税法第4条項第1目において、米国へ輸入する外国商品中、記号、商標を付し得べき物品に対しては原産地名を読みやすき英語にて表示すべきことを規定し、右表示なき物はこれが通関を禁じ来たれるところ、従来本邦より輸入せらるる商品中「メード・イン・ニッポン」と表示せる物は1914年8月31日および1918年12月9日の大蔵省(米国財務省*)判決により「ニッポン」の文字はもはや英語にして、かつ本邦を指すものなること確実なりとの理由により通関し得べきものとなりおれり。

しかるにさる3月1日大蔵省判決(3月10日公表)によれば、日本なる文字はその理由および辞典学者の取り扱い上英語の「ジャパン」に対する日本語にして、これを英語と認める前判決に合意しがたしとの理由をもって前判決を取り消し、本決定後6か月より効力を生ずることとせり。

大蔵省は右に基づき本決定有効の日より「メイド・イン・ニッポン」の商標のみ有する本邦品の通関引き渡しを禁ずべき旨各税関へ命令せり(在米幣原大使来電)

東京朝日新聞 1921(大正10)年3月29日

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「Made in Nippon」という言い方は現在では耳慣れないが、当時はMade in JapanとMade in Nipponが相当入り混じっていた。当時の日本にとって最大の輸出先国であった米国税関のこの通知により、日本の輸出商品の表示はMade in Japanに統一されていった。

なお山本義彦によれば、当時の輸出国の割合は、米国約30%、欧州は20%、その他アジア向けが50%。


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