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【百年ニュース】1921(大正10)12月1日(木) 青森市に百貨店「松木屋呉服店」開業。青森市街の中心地,新町と柳町の交差点に木造3階建て約380坪が建設されランドマークとして親しまれた。戦後は1968(昭和43)むつ市,1973(昭和48)十和田市に展開して多店舗化。しかし80年代には郊外化で失速,2003(平成15)閉店。

青森市の中心地に同地初の百貨店「松木屋呉服店」が開業しました。創業者は神野伊三郎。資本金は100万円で当時としては巨額でした。新町と柳町の交差点に建設された木造3階建て約380坪の百貨店は青森市のランドマークとして長く親しまれました。

1926(大正15)年頃の青森市街
東京朝日新聞 1925(大正14)年8月6日の広告
1930(昭和5)年頃の松木屋呉服店

第二次世界大戦中は閉店に追い込まれたものの、1951(昭和26)年には三階建ての鉄筋コンクリート造の店舗として復活しました。1966(昭和41)年には鉄筋コンクリートの四階建てに増築、さらに1970(昭和45)年には六階建てに増築され展望台が設置されました。

1955(昭和30)年頃の松木屋
1950(昭和25)年頃の青森市街

また1968(昭和43)年にはむつ市、1973(昭和48)年には十和田市に展開して多店舗化を進めますが、徐々に郊外型のショッピングセンターに顧客を奪われ集客力が落ちていきました。十和田松木屋は1999(平成11)年8月31日に閉店し、本体の青森店も2003(平成15)年4月23日に閉店に追い込まれ、同年5月9日に自己破産を申請、12日に破産宣告を受けました。

一方1968(昭和43)年に開店したむつ市の「むつ松木屋」は、2000(平成12)年に本体から分離され「株式会社むつ松木屋」となり存続しました。地元の大手スーパー「さとちょう(佐藤長)」と提携し、2012年からは1階に同店の食品売り場が出店。建物の老朽化による耐震性不足や防災面の不備が指摘されていましたが、今年全面リニューアル工事が施され、2021年10月22日にスーパーマーケットに加え飲食店が入居し再開業しました。


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