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【百年ニュース】1920(大正9)7月1日(木)安直両派の衝突が目前に。安徽派(段祺瑞)への圧力を強める直隷派(曹錕,呉佩孚)が発した三要求に対し、段祺瑞は拒否を意味する最後通牒を徐世昌総統向けに通告する。同時に傘下師団に戦闘準備を命じる。張作霖の仲介は機能せず。

7月1日 中国小幡酉吉公使より内田康哉外務大臣宛電報「安直両派の衝突激化し早晚一大波瀾を生ずることあるべき形勢なる旨報告の件」第626号 (7月2日接受)

安徽直隷両派の衝突益々甚しく、あるいは早晚一大波瀾の生ずるにあらずやと考えらる。最近直隷と気脈を通じ徐世昌総統側の参謀長とも目すべき張志譚が青木宣純中将に対し形勢は刻々自派に好都合に廻転し、遠からず大総統任意の人物をもって周樹摸内閣を組織し安福派屏息の時機到来せることをわざわざ内告したる事情に鑑み、はたまた7月1日安福派の有力者視来れる段派は形勢の趨向を察し隠忍に隠忍を重ね、出来うる限り張作霖の調停の条件を容るるの態度に出でおるにかかわらず、曹錕一派はますます段派の足下につけこみ、遂に

(1)新内閣には安福派三総長を留任せしめざること、

(2)徐樹鈴の籌辺使を免じ庫倫辦事大員として庫倫に常駐せしむること、

(3)呉光新の湖南督軍辞任を聞届けざること、

の三条件を持出し来れるため段祺瑞もかかる無法の圧迫に空しく聴従するにおいては到底段派勢力の全滅をきたす他なしとし、大いに決心するところあり本日段棋瑞より最後通牒的に徐総統に対し曹錕一派申出に係わる叙上三条件は、これに同意すべきにより、内閣は段自身をして組織せしめられ度く、もしこの意見にして容れられずんは段棋瑞自身は勿論その党与挙げてその官職をなげうつの他なき旨を申入れ、決答を求めつつありとの報道に顧るも裏面の形勢はすごぶる切迫しおるもののごとし。

右段の要求が容れらるる場合に曹錕一派は果して如何なる態度に出づべきか、はたまた右の要望が容れられざる場合には段は果して如何なる最後的態度に出づべきか、この数日の形勢はすごぶる注目すべきものの如し。

ともかく最近形勢のやや切迫せる趣は王郅隆が万一の場合におけるその家産の保護を船津辰一郎総領事に頼み出でたるに徴するも明らかにして、目下当方において各方面につき真相内探中につき、何分の詳報は重ねて電報すべきも取り合えず形勢推移御参考まで一応電報す。

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