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日銀の財務状況

2023年度末総資産残高 

1.国債: 589兆6,63億円
2.貸出金: 1,07兆9,079億円
3.金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託): 37兆1,861億円
4.外国為替: 10兆7,361億円
5.その他資産: 10兆9,296億円 (残りの項目の合計)

合計: 756兆4,231億円

2023年度末総負債残高 

  1. 預金: 599兆253億円

  2. 発行銀行券: 120兆8,798億円

  3. 政府預金: 15兆7,103億円

  4. その他負債: 14兆9,720億円 (残りの負債項目の合計)

  5. 純資産: 5兆8,356兆円←これがマイナスになれば債務超過

合計: 756兆4,231億円

(参照)第139回事業年度(令和5年度)決算等について : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)

総資産マイナス総負債の値がマイナスになれば債務超過

  1. 総資産: 資産の部合計 = 7,564,231億円 (令和5年度末)

  2. 総負債: 負債の部合計 = 7,505,874億円 (令和5年度末)

  3. 計算: 総資産 - 総負債 = 7,564,231億円 - 7,505,874億円 = 5兆8,357億円(=純資産)

したがって、現在の日本銀行は債務超過ではなく、約5.8兆円の余裕がある。

実際の日本銀行の財務状況を考える。

  1. 日本国債の保有額:589兆6,634億円です。

  2. 金利上昇による含み損の増加: 債券価格は金利と逆相関の関係にあり、簡略化のため、デュレーションを約10年と仮定(これは長期国債の平均的な値)。 含み損の増加 ≈ 国債保有額 × 金利上昇幅 × デュレーション 0.1%(0.001)の金利上昇の場合: 589兆6,634億円 × 0.001 × 10 ≈ 5兆8,966億円 したがって、金利が0.1%上昇するごとに、約5.9兆円の含み損が増加すると概算できる。

  3. 債務超過となる金利上昇幅の計算: 現在の純資産:5兆8,357億円    債務超過となる含み損 = 現在の純資産 + 1円 = 5兆8,358億円     5兆8,358億円 ÷ (589兆6,634億円 × 10) ≈ 0.00099 = 0.099%

したがって、約0.099%(およそ0.1%)の金利上昇で債務超過となる計算になります。

ただし、この計算には以下の注意点があります:

  1. 実際のデュレーションは保有国債の構成によって異なります。

  2. 金利変動の影響は非線形であり、大きな金利変動ではこの簡易計算は正確でなくなります。

  3. 日銀の財務状況は通常の企業とは異なり、債務超過が即座に問題になるわけではありません。

  4. 実際には、他の資産や負債、収益なども考慮する必要があります。

  5. 中央銀行には通貨発行権があるため、技術的には支払い不能にはなりにくいという特殊性があります。

この分析は純粋に数学的なものであり、実際の経済的影響や政策的判断は別途考慮する必要があります。


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