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「Die With Zero」 ビル・パーキンス 著 ダイアモンド社

「アリとキリギリス」の童話で、遊び呆けたキリギリスは、最後に困ったことになり、アリさんはよかったねということになるのですが、しかし、「アリはいつ遊ぶことができるのだろう?(p.3)」というのがこの本のテーマです。


いろいろなことができるだけのお金を稼いだのに、経験しないまま高齢になり、結局使わなかったお金だけ死後に残っていくというのは、残念なことです。


アメリカでは、「資産額が多い人々(退職前に50万ドル以上)は、20年後または死亡するまでにその全額の11.8%しか使っておらず、88%以上を残して亡くなっている。(p.84)」のだそうです。


ん〜、なんかもったいない。


もちろん子供たちに遺産を残さなきゃということもあるのでしょうが、著者は「子どもたちに与えるべき金を取り分けた後の、残りの「自分のための金」を生きているうちにうまく使い切るべきだ。(p.115)」と主張しています。


「人生の充実度を高めるのは、"そのときどきに相応しい経験"(p.21)」であり、「人はモノではなく経験に金を使うほうが幸せになれる(p.32)」のです。


僕は、この考えに賛成です。


僕は、40歳から45歳までそれまで貯めたお金で留学してカウンセリング心理学を勉強したのですが、その学費、滞在費、5年分の失われた年収、定年まで会社に勤めていればもらえたはずの退職金、年金の減額を考えると、膨大な出費になりました。今振り返るとオソロシイ!


でも、その経験はかけがいのないものになりました。


著者が言うように、「本当にやりたいことを探したいのなら、リスクを取るときがあってもいい。(p.251)」のかもしれません。だからと言って、僕は「絶対留学すべきだ」とは言いません。それぞれの人が考えて決心したら実行すればいいと思っています。リスクは大きいですからね・・・。


「私たちは人生のある段階で、まだ経験から多くの楽しみを引き出せる体力があるうちに、純資産を取り崩していくべきなのだ。(p.216)」と、著者は言います。


45〜60歳が、それを始める時期なのだそうです。


そして、必要なお金は、


死ぬまでに必要な金=(1年間の生活費)X(人生の残りの年数)X0.7

となります。


ここまで貯まったら、キリギリスになろうと思います!


・・・ん?しかし、いつ貯まるんだ!


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