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「縮んで勝つ」 河合雅司 著 小学館新書

人口減少総研が、出生数が過去5年の平均下落率であるマイナス4・54%が今後も続いていくと仮定し、年齢別死亡率を反映させて独自の試算を行ったところ、日本の人口は、「2045年には早くも1億人を下回り、2050年に9000万人、2060年7600万人、2070年6200万人ほどとなる。2023年生まれの人が57歳となる2080年には4900万人にまで減り、2120年は1500万人ほどの「小国」となるという結論に至った(p.29)」とのことです。

おそらく、この推計は妥当でしょう。

そうなると、日本の社会はお大きく変わらざるを得ないでしょう。これまでの人口増を見込んだ成長モデルは、間違いなく通用しなくなります。今てを打たないと大変なことになると、僕も思います。

著者は、「日本が生き残る」=「縮んで勝つ」ために7つの提案をしています。
1.外国人依存から脱却せよ(p.163)
2.女性を「安い労働力」から「戦力」に転換せよ(p.167)
3. 「従業員1人あたりの利益」を経営目標とせよ(p.172)
4.商品を高付加価値化せよ(p.178)
5.中小企業も独自に海外へ進出せよ(p.185)
6.全国に30万人規模の「独立国」を構築せよ(p.189)
7. 「地域」を戦略的に縮めよ(p.200)

概ね賛成です。

特に2の『女性および高齢者を「安い労働力」から「戦力」に転換』は、必要だと思います。それに加え、ひきこもりの社会参加も求められるだろうと思います。彼らがただ社会参加をすればいいと言うものではなく、ひきこもりの人たちの考えていることを尊重した上での社会参加です。彼らがひきこもっているのには理由があります。彼らの多くは今の社会に矛盾を感じていて、それは妥当なものだと僕は思います。

3の「従業員1人あたりの利益」を経営目標とすることは必須だと思います。それは、4の「商品を高付加価値化」に通じると思います。薄利多売から、高付加価値のものを売ると言う意識がより必要になるかと思います。ここは、大いに可能性があると思います。日本米、果物などの農産物、ウィスキー、日本酒などの酒類などは世界に誇れる工品筆だと思います。蒲田などの町工場の職人技術も売れるでしょう。そう言う意味で、5の「中小企業も独自に海外へ進出せよ」は、大いにやったらいいと思います。

6、7については、必要でしょうね。今のままでは、地方は枯渇します。30万人程度の「地域」を作り、そこで生活できるようになればいいと思います。

問題は、例えばインフラの老朽化対策なのですが、「雨水を飲料水に変える技術」などは、かなり開発が進んでいるので、期待できると思います。

鉄道は、廃線となるところが増えると思いますが、カートのような車以外で高齢者も安全に運転できる移動システムが有効に利用されるようになると思います。

僕は、「「日本が生き残る」=「縮んで勝つ」」は可能だと思います。


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