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「故事成句でたどる楽しい中国史」 井波律子著 岩波ジュニア新書

中国の歴史を故事成句で辿った本。ゴールデンウィーク中に読みました。おもしろかったです。

史記、十八史略、三国志、春秋左氏伝、論語、孟子、老子、荘子、孫子、荀子などから幅広く故事成句を拾ってきています。こうしてみると、中国の歴史が始まった3000年前から、1000年前ぐらいまでで、現代のほとんどの人に当てはまる人物評や、人生におけるほぼ全ての教訓が出尽くしているのかも・・。


「井の中の蛙、大海を知らず」
「臥薪嘗胆」
「完璧」
「管鮑の交わり」
「曲学阿世」
「蛍雪の功」
「逆鱗にふれる」
「狡兎死して走狗烹らる」
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
「五十歩百歩」
「呉越同舟」
「四面楚歌」
「屍に鞭うつ」
「耳順」
「酒池肉林」
「推敲」
「大器晩成」
「桃源郷」
「背水の陣」
「先ず隗より始めよ」
「無為自然」

などなど、今でもよく使われる故事成句がいっぱい。


巻末に中国史年表と、故事成句を五十音順に並べてくれているのも嬉しい。


それにしても、王が美女に溺れ国を滅ぼすということが、繰り返し続いているのですね。

酒池肉林で有名な夏の最後の帝桀は末喜(ばっき)(紀元前17世紀ごろ)に、殷の紂王は妲妃(だっき)(紀元前11世紀ごろ)に、周の幽王は褒姒(ほうじ)(紀元前8世紀ごろ)に、メロメロになって国を滅ぼしました。呉王夫差は西施(紀元前5世紀ごろ)に、唐の玄宗皇帝は楊貴妃(8世紀ごろ)に・・・という具合に。


なかなか歴史的教訓から学ばないんだな・・・。いや、学ばないのは、男か・・・?





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