見出し画像

アムステルダムDoc映画祭2022日記Day2

10日、木曜日。8時起床。早朝の上映は無いので、午前中は少し部屋で作業。
 
10時半に、いよいよ上映に向かうべく外に出る。空は雲曇りで、時々晴れ、気温は13〜14度くらいかな。Tシャツ、ジャケットに薄手のコートで大丈夫。ホテルはどうやら街の中心部にあるらしくて、どの会場にも歩いて行けそう。まだ街内の距離感は全然分からないけれど。
 
歩いて10分もしないうちに「Tuschinski」という劇場に到着。ここも由緒ありそうな建物に見える。内部もなかなか凝ったバロック(?)的内装で、そして6つのスクリーンがあるれっきとしたミニシネコンだ。

スクリーン5に入ってみると、なんとおしゃれな!ふたり掛けソファーのカップルシートと、ひとり用シートが並び、肘掛けにはランプ付き小テーブルがついていて、まさにラグジュアル・スクリーン。ソファーの座り心地も良く、クッションまで付いている。もちろん審査員用上映だからということではなく、一般劇場。

見たのは、審査担当外の作品の一般上映で、『Things I Could Never Tell My Mother 』(扉写真)というバングラデシュの監督による作品。フランスのドキュメンタリー映画祭でプレミアされ、こちらでは「Best of Fests(他の映画祭で好評だった作品)」という部門で紹介されている。
 
女性の監督が自分の母親にキャメラを向けたセルフ・ドキュメンタリー。母はかつて美しい詩を書くリベラルな思考の持ち主だったのが、10数年前に父にメッカ巡礼に連れて行かれて以降、信仰心を深めてしまい、別人になってしまった。母に何があったのかを知ろうと監督は試みるが、どうしても気持ちがすれ違ってしまう。普遍的な母と娘の物語にイスラム教の教義が絡み、そしてバングラデッシュの抑圧された女性の人権問題が加わるにつれて、本作はセルフ・ドキュメンタリーを超えてより大きなスケールを備えていく。なかなかの力作。
 
続けて14時半から、審査対象となる「インターナショナル・コンペティション」部門作品鑑賞の1本目で、フランスとスイスの合作『Paradise』。
 
温暖化による山火事の多発が地球規模の問題となる中、シベリア地方の辺境の村の人々が迫りくる山火事と対峙する姿を描く内容。辺境の村とはいえ、スマホやドローンの活用で山火事の位置関係は把握できる。しかし満足な装備も無く、ほぼ素手に近い状態で山火事の対策に当たる人々の様子が紹介され、見たことの無い映像が展開する。

Alexander Abaturov "Paradise" 

あ、これは審査対象の作品なので、今ここで感想を書いてはいけないのだった。いかん。ああ、書きたい。と書いているだけで既に伝わってしまうな。まずい。気を付けよう。ともかく、審査作品の1本目がこの水準だとすると、全ラインアップへの期待が募る。
 
続けて17時から、審査対象外で『The Hamlet Syndrome』という作品へ。ポーランドの監督が現在のウクライナを舞台に撮影している。
2014年の開戦時に戦線にいた5人の男女の俳優たちが、自分たちの経験を元にした演劇を作り上げる過程を追っていく内容で、凄惨な体験を語り合うワークショップの段階で既に俳優たちは混乱していく…。ウクライナの厳しい現状を伝えてくれる重要な1本。

Elwira Niewiera, Piotr Rosolowski "The Hamlet Syndrome"

その後、審査員の方々と簡単に食事を済ませて、夜の上映へ。
 
20時から、審査対象作品となる「インターナショナル・コンペティション」部門の『Parallel World』という台湾の作品。監督が知的障害を持つ娘を長年に渡って撮り続けた作品で、年月の重みを感じさせる3時間の長尺作品だ。感想は書けない…。

Mei-Ling Hsiao "Parallel World"

本日は手抜き日記になってしまう!上映終わりが23時で、ホテルに戻ってとても眠くなってしまい、書く限界が早々に来てしまった。本日は早めに寝てまた明日がんばります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?