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西郷隆盛は、何故江戸城攻めを思いとどまったか?

すっかり明治維新ファンになっているよしやです。さて、今回は、江戸城無血開城についてです。世界的にみても凄いですよね。旧体制の城が壊されず、かつ、旧体制のトップも殺されなかった。

少し状況を整理すると、鳥羽伏見で西郷隆盛と徳川慶喜は戦い、徳川慶喜は江戸に逃げ帰ってます。その後、西郷隆盛が追撃するのは世の常。江戸まで軍を進めるのですが、直前で江戸城攻めを取りやめるのです。西郷隆盛を思いとどまらせたのはなんだったのか?それについて、主人公が違う3つのドラマをみて分析したいと思います。

西郷はなぜ思いとどまったか?(大河ドラマ 篤姫)

大河ドラマ篤姫での描かれ方が個人的には一番好きです。篤姫は必死に西郷を説得します。もうギブアップしている徳川を叩いて何になるのか?と。また、篤姫の幼馴染の小松帯刀は、西郷隆盛の上司にもかかわらず、「決心が鈍るから」と会うこともできない始末。西郷が一人で悪役を買ってでているのだと悟る篤姫。

勝海舟は、イギリスの外交官のパークスに「降伏してる相手を叩きのめすなんて意味がない、幕府は江戸が攻められたら自ら焼野原にするつもりだぞ」と西郷に言ってもらいます。それでも、西郷は動きません。ここで叩き潰さないと日本は変わらないと決めつけているのです。


西郷隆盛の殿様であった島津斉彬が篤姫に宛てた書を読み、「病人を見捨てるか、活かすか」と尋ねられ、そこで「病人を活かす道です」と自分から言ったことを思い出します。そこで、叩き潰すことだけに意固地になっていた自分に気づき、江戸攻めを辞めるのです。自分に厳しい西郷を最後に動かしたのは、「自分が殿様にした約束を思い出した」ことでした。篤姫では、「西郷隆盛は実は優しいが闇を抱えるダークヒーロー」です。 


西郷はなぜ思いとどまったか?(大河ドラマ 慶喜)

大河ドラマ慶喜での描かれ方は、ちょっと勧善懲悪っぽいんすよね。幕府の山岡や勝海舟からは「死を減らすために鳥羽伏見の戦いで慶喜は逃げたのに、さらに鞭を打つのか?」と言われたり、イギリスのパークスから「国際的にあり得ない」と言われたりして、自分では判断できないと言う西郷隆盛。天皇からは、「静寛院に危害が加わるのもどうなの?江戸攻め辞めたら?」と言われ、そうですねと言う西郷隆盛。めちゃくちゃサラリーマン!大河ドラマ慶喜では、慶喜をヒーローとして描いているので、周りの人がヒールの西郷の江戸攻めをやめるべきと説き伏せたという流れです。つまり、「西郷隆盛はただのヒール(テロリスト)」ですね。

西郷はなぜ思いとどまったか?(大河ドラマ 西郷どん)

大河ドラマ西郷どんでの描かれ方は、一番浅いです。篤姫は「私死ぬぞ」と脅します(どうでもいいですけど、西郷どんでの篤姫はかなり冷徹。慶喜一人が死ねばいいならそれを望むとかすぐ言うし。役者も北川景子でハマり役。)。それにも屈しなかった西郷でしたが、勝海舟の説得により、江戸の民を見捨てることはおいどんにはできないと言う流れ。元々、民のために立ち上がった西郷として描いているため、めちゃくちゃあっさり江戸攻め辞めます。西郷隆盛を主人公にしたときに江戸攻めは物語のピークではなく、キャラクターの二面性を出す必要すらなかったのかもしれません(西郷どんを最後まで見てないから分からないけど)つまり、「西郷隆盛はただのヒーロー」です。

まとめ

3つ並べてみて思ったのは、視聴者の共感を得るためには、主人公/そのライバルはシンプルな設定を貫いた方がよいのかもということでした。

意外に、篤姫あたりから西郷隆盛をダークヒーロー的に描いたほうが、複雑な魅力が伝わるなぁと個人的には思ったのでした。

#西郷隆盛 #篤姫 #明治維新 #徳川慶喜



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