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いい戦略/普通の戦略 こんなの、見たことありますか!?

大富豪で世界一の投資家ウォーレン・バフェットが絶対に投資しない業界があります。


それが「航空会社」です。


彼は1989年に行ったとある航空会社への投資を「間違いだった」と言って以降、航空会社への投資を一切していません。

ビジネスモデルが「極端」で利益が出るはずがない、というのです。

事実、業界の利益率はめちゃくちゃ悪く、業界別の平均営業利益率ランキングを見ても、航空業界はワーストグループの常連。

2000年以降の航空業界の平均営業利益率はマイナスになっている時も多くあります。


そんな中、

1973年以降、米国の景気の動向にかかわらず黒字経営を続ける数少ない
航空会社があります。


サウスウエスト航空です。


創業2年目から40年以上連続で黒字。


1991年湾岸戦争、90年前半の不況、
2001年同時多発テロ、2003年イラク戦争、
2000年中の原油高、2008年金融危機後の大不況の間、
利益を計上し続ける。
(航空業界は2001から2005、2008、2009年に赤字を計上している)

1972年?2002年の投資収益は全米すべての上場企業の中で最大。


最も働きやすい会社、全米ナンバーワン獲得。


求人採用倍率44.5倍(合格率2.2%)。


など、航空業界で飛び抜けて優秀な会社です。


その理由は「戦略」にあります。


教科書にもたびたび登場し、「戦略の古典的名作」と賞賛される同社の戦略とはどんなものなのでしょうか?

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この航空会社には競争相手が真似できないような、いくつかの特徴的な活動がある。

事前の座席の指定ができないうえに、サウスウエストは1種類の機体しか飛ばしていない。

(これによって修理に必要な部品の数は少なくなり、パイロットのトレーニングや交代も容易になる)

また、着陸手数料を安くするために、主要空港ではなく二番手の空港を使い、もっと費用のかかるハブ・アンド・スポーク方式(中心となるハブ空港から周辺空港に便を飛ばす)ではなく、2地点間のフライトを好む。

このように、サウスウエストは乗客にあらゆる不便を我慢させる
風変わりなカルチャーを築いている。


サウスウエストは、座席の事前指定もなければ、機内サービスもドリンクと
スナックといった最低限のものだけ。


また、同社のターン時間はわずか15分。


「ターン時間」とは、


空港についた航空機が、ゲートに到着し、乗客が降り、機内の清掃と燃料補給、荷物の積み下ろしと積み込み、機体の検査が行われ、乗客が乗って、再度飛び立つまでの待ち時間のこと。

これは、競合他社の平均の半分から3分の1という短さです。

これらの活動は競争優位を保つ防衛策としても機能している。


なぜなら、他の航空会社は、すでに複数の機種の航空機に投資し、
事前の座席指定サービスを提供し(すでに実施しているサービスを取りやめるのは難しい)、着陸料の高いハブ空港に縛り付けられ、不満だらけの従業員を抱えるカルチャーを築いているからだ。

重要なのは、自分の業界で「どのように」、競争相手が真似できないような方法で製品やサービスを提供するかだ。


サウスウエスト航空の活動が同社のワンフレーズ戦略
「ホイールズ・アップ(飛行機は、飛んでいなければ利益を生まない)」
から生まれたものであることに注目してもらいたい。

それが利益に繋がる結果の達成を助けている。戦略の7階層のそれぞれの層が、互いのうえに気付かれ、補強しあっている。


「戦略」を作る目的は、長期、継続的な利益を生むことです。


そして、良い戦略とは、業界平均よりも大きな利益を生みます。

さてあなたの会社の戦略は、「いい」戦略?「普通の」戦略?


サウスウエストの戦略を参考に、考えてみてはいかがでしょうか…


新刊本「スケーリング・アップ」では、少なくとも業界平均の3倍の利益を生む、「非常にいい」戦略の作り方を教えてくれます…


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