タイポグラフィの基礎 その③ 〜役物編〜
役物について
役物(やくもの)とは、文章を記述する際に利用される記号の総称です。句読点や疑問符、括弧などのことをいいます。
■括弧の処理
文言を扱う際に、「」、()、“”、など、役物が含まれる文言を扱う場合が多いと思います。
これら役物の記号の左右のカーニングは開きがちになってしまうので、その②〜カーニング編〜で解説したとおり、これらの左右のカーニングも他と揃えてあげる必要が出てきます。
カーニング調整に加え、役物の場合はもうひとつ処理を加えてあげます。
括弧など文字を飾るようなパーツは、細く、小さくして、できるだけ文言の邪魔にならないようにスッキリさせることがポイントです。
こうすることで、括弧の認識はできますが、ちゃんと文字だけが目立ち読みやすくなり、見た目もスッキリします。
意外と気づかれにくい細かな調整ですが、出版物などの見出し文字には基本的に適用されているテクニックになります。
引用符について
OPEN, CLOSEについて
たまに引用符を同じもの2つで囲っているものを見かけることがありますが、これは間違いとなります。括弧同様、前後で「括る」記号になりますので、前後でそれぞれ専用の形を適用してあげるのが正しい使用方法になります。
マヌケ引用符について
引用符には、いくつか種類がありますが、その中に垂直の形のものが紛れていると思います。この垂直の形も引用符ではあるのですが、こちらは「マヌケ引用符(dumb quotes)」と呼ばれており、タイプライター時代にキーの数を制限するために、OPEN,CLOSEどちらでも使用できる省略形として使用されていたものになります。
なので厳密にいえば、デザインにおけるタイポグラフィで使用すべきものではなく、引用符は引用符として、正しい形のもの(OPEN,CLOSEで形が別れているもの)を適用してあげるのが適切な表記となります。
クリエイティブなどの文言で引用符を扱う際は注意しましょう。
今回のまとめ
・「」などの文字を装飾する役物は基本的に細く・小さくして、文字の邪魔にならないようにする。
・引用符は正しく使おう
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