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掘る犬と寝る

明日は、飼い犬の誕生日です。

もっとも、僕も家族も、この飼い犬の本当の誕生日は知りません。
まだ幼かった娘(今は中学生になりました)がペットショップで一目惚れして、我が家の家族の一員になりました。
その日を誕生日にしています。
ちなみに、僕と妻の結婚記念日でもあります。が、妻はすっかり忘れています。そんなもんです、人生。

ペットショップの店員さんに教えてもらい、しつけの一環として、我が家に来てくれてからしばらくは別々に寝ていました。
僕ら家族は、二階の寝室で。飼い犬は、一階のケージで。

でも、子犬でしたからね。
ワンワン言って寂しかるんです。
夜中、明け方とワンワン騒ぐものですから、ご近所からは苦情もきました。
いや、全面的に我が家が悪いんですけど、あれには参りました。

で、苦情がきた後は、二階の寝室でいっしょに寝るようにしました。
ただ、他のワンコがどうかはわからないのですが、うちの犬は睡眠時間が不規則で、日中はほとんど寝ていて、夜は寝たり起きたりなんです。
ほっとくと、寝室をウロウロしたり、ワンと吠えたりするので、狭くてかわいそうだなと思いつつも、毎晩、朝まで、キャリーに入れていました。

ところが、そのキャリーを自力で開けて脱出する術を覚えてしまいまして、もう仕方がないので放置することにしました。

明日で10歳になりますが、お姉さん(おばさん?)になったということなんでしょうね。ここ数年は、家族が寝ている間、寝室で吠えることはなくなりました。ウロウロもほとんどしません。

基本的には、僕といっしょの布団で寝ています。
布団の中には入りたがらないので、僕のお腹の上や腕の下、足下などで寝ます。
愛犬と寝られるというのは、なんとも嬉しいものです。
目が覚めるとそばに愛犬がいるのは、なんといっても、かわいいです。

ただですね…。

ホリホリするんですよ。

僕の枕元で。

だいたい毎晩…。

犬がなぜ掘るのか、調べてみたところ、オオカミ時代の習性によるもので、安心できる寝床をつくるための作業なんだそうです。

…いやいや。
僕の布団は、安心できる寝床ではないのかい?

不思議なのは、ホリホリした枕元では寝ないんですよね。
安心できる寝床とやらをつくることに毎晩のように挑戦しては、失敗し、あきらめているということかしらん。
それを毎晩、毎晩繰り返す、不屈の精神。素晴らしいです。

ペットフードか何か、動物関連のコピーで、昔、「一度だけ話せるとしたら、何を話しますか?」というのがありました。
とてもいいコピーだなあと思いつつ、そうですね、僕だったらこう聞きます、「安心して寝るには、どうしたらいい?」

愛犬よ、すまんな。
安眠できていないかもしれないキミのそばで、父ちゃんは今夜もぐっすり寝るよ。
キミのホリホリする音、ほんとは好きだからね。






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