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猫達 僕は猫になった

朝晩寒くなってきた。
昨日は近所のおじさんの家のボイラーの
上で寝た。余熱のおかげでぐっすりと
眠る事ができた。

山がうっすらと白くなっている。
寒いというより冷たいって感じ。
猫の姿になり初めての冬。
毛皮があっても寒さが身にしみる。
アンモナイトのように丸くなってみた。
鼻に毛があたりこそばいが少しはましだ。

最近、気になってることがある。
向かいの家のおじさんの事。
いつも雨戸を全部閉めきっている家で
開いてるところを見たところがない。

カラス達が家のベランダに
いつもたむろしている。
年老いたおばあちゃんと
おじさんの2人暮らしの家。

以前は、朝出掛けて夕方に帰って来てた
そのおじさんだが最近は、
ずーっと家にいるようだ。
車がいつも定位置にあり動いていない。

カラス達に聞いてみた。
最近、おじさんずっと家にいるようだけど
どうしたの?
あーそれね。なんか出社拒否らしいよ。
会社でいじめられるから
行かなくなったらしい。
流石カラス達は情報が早い。

あのおじさんは、僕が人間だった時の
年齢より未だ若いだろう。
そんな事を思いながら人間時代の事を
少し思い出した。

毎朝、休みの電話がかかってた。
今日、体調不良で休ませてくださいって。
翌日ケロッとした顔で何もなかったように
出社するおじさん達。

あるいは、会社には来るのだけど
仕事が遅くて失敗ばかりで若い子達にも
バカにされ会社に来にくくなった
可哀想なおじさん達。

きっと集団の中で働くのが苦手なんだろう。

猫になったらいいのに…。
楽しいよ毎日。
神様のところにいって猫面接🐱
したらいいのにな。

僕は朝起きたら猫になってたという
境遇でちょっとそれと違うけど…。

冬の優しいお日様の光が僕のベージュの毛に
反射し金色に輝いた。

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