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よしポンの科学マガジン

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曲がりなりにも一時期、科学に携わっていたので、思い切って記事を書いてみる。こちらは投げ銭記事と、有料記事がメインとなる。
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記事一覧

デタラメな科学に騙されない。「批判的に視る力」を養う。

嘘の科学的根拠に騙されやすい日本人「発掘あるある大辞典Ⅱ」というテレビ番組が起こした騒動を覚えているだろうか? 「納豆でみるみる痩せる!納豆ダイエット!」 番組で紹介されていたのは、納豆に含まれるイソフラボンを摂取すれば、副腎皮質から分泌されるDHEAというホルモン物質が増加して、ダイエット効果があると謳ったものだ。 放送終了後にスーパーやコンビニから、納豆が売り切れ続出し、空前の納豆フィーバーが起こった。私は納豆が大好物であったため、しばらく手に入らなかったのは残念で

博士号取得の近道。こんな研究室は個人的にオススメしない2選。

かつて私も博士課程取得を頑張っていた。が、色んなゴタゴタに巻き込まれて、諦めてしまった。最近noteで科学系の記事を書くようになってから、実験したくてウズウズしている。 博士課程に進学はしたけど、修士と違って右も左も分からなかった。これは、諦めてしまった理由の一つに含まれている。もしも、別の研究室だったら諦めずに頑張れたかもしれない。 オススメしない研究室とは、ブラック研究室のことではない。それでは具体的にどんな研究室かを話してみよう。※あくまで個人的見解です。 その1

研究室所属の注意点 〜学部卒編〜

大学3年生になると研究室の配属が決まってくる時期に差し掛かってきます。研究室選びは、これから就活する人からすれば重たい研究室ならさぞかし負担になるだろうし、大学院進学する人であれば、研究がガツガツできる研究室を選びたいことだろう。 そこで、僕がそれぞれタイプ別に研究室を選ぶポイントをまとめていきたいと思います。今回は学部卒です。実際僕は学部卒ではありませんが、自分が見てきた中での意見です。 パターン1. 研究はあんまりしたくない! 残念ながら、卒業論文研究は必須科目であ

「研究はいつか役に立つから大事。」 と濁してしまうなら、その研究をする意味はあるのだろうか 。 前編3

前編の最後に、私が考えるこれからの日本の研究市場が盛り返す方法をいくつか提案します。 最初は界隈でよく言われる提案を書く。が、それは昔から言われており、宙ぶらりんのまんまだ。そこで次に、僕独自の提案を書く。 その1. 国や企業が援助する。当たり前の話だが、最も大事なことだ。金がなければ備品は買えない。何にもできない。たとえば、生物学的研究はDNAを検出するのに、試薬がいるし、機器を使う。一回の実験あたり1万円の経費がかかることだってある。 だが、お金はないのは研究に限

「研究はいつか役に立つから大事。」 と濁してしまうなら、その研究をする意味はあるのだろうか 。前編2

前回に引き続いて、科学者からの立場で私見を述べる。 (3) たとえ博士号がなくても、誰でも研究者になれる研究者といえば、大学で博士号を取らないといけないとお思いだろう。ところがそれはとんでもない誤解である。研究は大学じゃなくても研究機関じゃなくても、極端に言えば、学位がなくてもできてしまうことなのだ。 それでは何人か紹介していきましょう。 1. 堀川大樹(クマムシ研究家) 堀川大樹さんは、北海道大学大学院地球環境科学研究科で学位を取られたあと、アカデミアを転々としてた

「研究はいつか役に立つから大事。」 と濁してしまうなら、その研究をする意味はあるのだろうか 。前編1

まがりなりに日本の大学で基礎研究していた元学生として、どうしてもモヤモヤしていた部分があった。タイトルでは過激なことを言っている。確かに言っていることは間違っている。でも、紛れもない事実でもある。 科学者から見れば本タイトルは、「何を言ってるんだ、ふざけるな。」と思うでしょう。でも非科学者(一般人)の視線から見れば、「役に立つか分からないなら、その研究意味はあるの?」と言われるに違いない。 皆さんもお分かりのように、日本の研究市場は斜陽産業となりつつある。某議員がかつて「