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トキワ荘マンガミュージアムに行ってきた-前編-

みなさんこんにちは!
♪裏切り者の~名を~受けて~
全て~を捨てて~戦う男~
でお馴染みの、黒柳“デビルマン”能生です。

今回、遅ればせながらついに豊島区にある、俺も愛読したアノ名作「まんが道」の舞台「トキワ荘マンガミュージアム」に行ってきました!いやっほい!

2020年7月7日に開館してからずっとずっと行きたかったんだけど、コロナ騒ぎでなかなか出かける事が出来ないままSOPHIA復活で忙しくなっちゃってね。

ライヴが終わって時間が出来たと思ったらライダー展とか映画とか始まっちゃったし、猫に遭いに行ったしで後回しになっちゃったんだけど、そのお陰で「デビルマン×マジンガーZ展」を見ることが出来ました!!らっきい!
※「デビルマン展」4月8日~5月28日、「マジンガーZ展」は6月3日~7月30日まで

大江戸線“落合南長崎”駅を降りて徒歩7分ほど、やってきましたトキワ荘マンガミュージアム!

方向音痴でも安心

ここは、あの手塚治虫や赤塚不二夫、藤子不二雄、そして石ノ森章太郎!その他レジェンド漫画家が同時期に住んでいたという、とんでもないアパートなのだ。

例えて言うなら…
長嶋茂雄、マイケル・ジョーダン、北大路魯山人、ジャッキー・チェン、黒柳能生が同じアパートに同時期に住んでいるみたいなもんだ。
…ん、なんか文句あるか?

どう見ても約10億円をかけて作った新築には見えないボロアパートが「トキワ荘マンガミュージアム」だ。

前日に午前10時入館の予約したんだけど、続々と人がやってくる。受付でお金を払い順路を案内されると、まずは二階からというので早速階段を踏むと「ギシッ」と音がする。真新しい建物なのに?と思ったら、当時の再現でわざと音がなるようにしたんだそうだ。
こういう遊び心がいいね。

二階に上がるといきなりトイレ…

いや、便所と言うべき佇まいだな。これぞTHE★昭和の便所ですよ。しかも汲み取り式のいわゆる「ぼっとん便所」。二階にあるのに…?やはり、用を足すと時折「ガチャン!」と音が鳴ったらしい。

そのお隣には共同炊事場がある。昭和の炊事場ってこうだったよなぁ。お爺ちゃんのお店の炊事場によく似てた。風呂がないトキワ荘なので、この流し台で赤塚不二夫は水浴びをしていたエピソードを「まんが道」で見たな。
テーブルに置かれている「まつば」と書かれたラーメン丼。藤子不二雄がよく出前取っていた事で有名な「松葉」の丼で、現存するのは3つだけだそうだ。松葉がなければ「小池さん」は生まれなかったかもしれない。
そして壁の至る所に貼られた「火の用心」がグッとくる。

そのお隣は「テラさん」こと寺田ヒロオの部屋。テラさんはトキワ荘に才能ある漫画家を集めた張本人であり、トキワ荘の住人たちの頼れるアニキであり、新漫画党の総裁であり、焼酎のサイダー割り“チューダー”の発明者である。
この四畳半の小さな部屋で藤子不二雄、赤塚不二夫、つのだじろう、石ノ森章太郎などそうそうたるメンバーが集まって飲んでいた…胸アツ。

テラさんの向かいが手塚治虫の部屋!言わずと知れた漫画の神様の部屋だ。漫画の神様が四畳半の部屋に住んでいたという事実だけでもアツい話だが、「ジャングル大帝」「鉄腕アトム」「リボンの騎士」などをここで同時に連載して、他の短編も描いていたんだから凄い。音楽で言うなら毎月フルアルバムとシングルを5枚ずつ作り続けるみたいなもんだよ。ありえね~っ!
そしてこの時、関西の長者番付(画家部門)でトップになる!そりゃなります。誰も文句はないでしょう。

さらに手塚治虫の転居後に藤子不二雄が二人で住んだのが激アツ!
「ここで二人で机を並べて漫画を描いていたんだなぁ…」
「そしてそのまま後ろに倒れて寝てたんだよなぁ」
もちろん、ここは当時のトキワ荘ではないけど情熱の跡は感じられるんだよ。
その隣はのちに“マンガの王様”藤子・F・不二夫が一人で住んだ部屋。やっと布団を敷けるようになったんだろうな。
初めての一人暮らしで、ベースとオーディオと布団しかないワンルームマンションで自由と孤独を同時に味わったことを思い出したよ。

その向かいの部屋には今回の「デビルマン展」の企画の一つ「ジンメン」のパネルがデーンと構える。
ジンメンは敵であるデーモンなんだけど、このジンメンとの闘いはかなり深いのだ。
亀のような姿のデーモンで、その甲羅には今まで食った人間の顔(人面)が浮かび上がっている上に、その顔には意識があり「嘆き、叫び、恨み言を言う」トラウマ必至な設定。

「なんせ俺は喰っただけだからな、人間の感覚じゃ生き物を食うのは悪い事じゃない、そうだろう?」
「従順で大人しいウシ、ブタを平気で食ってるんだからな」
「だが殺すのはいけないな。生き物を殺すのはいけないことだ。な、そうだろ?」

そう宣うジンメン甲羅の人面をデビルマンが攻撃するとその人間は死んでしまう。
甲羅を殴ったデビルマンに対して「お前は人間を殺したんだ」と言い、自分は殺したのではなく「ただ食っただけ」「お前に比べりゃ俺は人間どもの言う仏様のように慈悲深いよ ケケケ」とあざ笑う。

ジンメンへの攻撃を躊躇するデビルマンに、明(デビルマンの人間体)に好意を持ち明に会いたい一心でやってきたが、ジンメンに食われてしまったサッちゃん(たぶん五歳くらい)の「お兄ちゃんこいつを殺して!あたしはもう死んでる!あたしはもう死人よ!」という言葉に覚悟を決めたデビルマンが全力で甲羅を攻撃する。

「やめろー、やめてくれー!甲羅をはがすと全員死ぬんだぞ!それでもいいのか?」
往生際の悪いジンメンにデビルマンは言い返す。
「…だが、貴様も死ぬんだろ!」

…名作なんだけどね…今読んでも胸が苦しくなる作品だね。

そういえば永井豪は小学生の頃に豊島区に引っ越してきて、その後トキワ荘の住人でもあった石ノ森章太郎のアシスタントを務めたのよね。


では次の部屋…
おっと血液交換の時間だbyハカイダー



後編へ続く

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