#私の勝負曲
noteのテーマ投稿で「 #私の勝負曲 」というのがあったので書いてみる。
長年やってると「代表曲」と言われる曲が出来てくる。基本的には“売れた曲”ってことになるし、TVに出たりイベントに出るときにはそういった「代表曲」を演奏することになる。
個人的には「他にも良い曲いっぱいあるよ」と思うが、そこは大人なので甘んじて受け入れている。
ま、アマチュア時代、対バンするときはやっぱり自分たちで一番カッコいいと思う曲が「勝負曲」だったと思うけどね。それで対バンのお客さんを取ってのし上がって行ったしね。「イカ天」みたいな番組もあったもんな。
※「イカ天」=三宅裕司のいかすバンド天国
それにバトル系って分かりやすく面白いってのもあるな。格闘系だけじゃなく、「美味しんぼ」「ミスター味っ子」「包丁人味平」みたいな料理対決もあるし。海原雄山みたいなベーシストに「お前は何もわかっとらん」みたいに言われたらどうしよう…
それは冗談として、今は音楽で勝負する訳じゃないし、楽曲に優劣はないが、いろんな「キッカケになった曲」というのはある。今のプレイスタイルになるまでにはいろんな「キッカケ」があったんだけど、やっぱり曲を作り続けていたからなんだよね。
そこで今回はSOPHIAの楽曲縛りで書いてみよう。古い曲ばっかりになっちやうけどゴメンね。
「ETERNAL FLAME」
SOPHIAで最初の曲というと「Believe」だが、俺は後から加入しているので俺が加入したときには「Believe」「Secret lovers night」と、他に現在でも未発表の2曲があったのだ。
その4曲を聞いて加入を決断したが、5人揃って初めて作った曲は「ETERNAL FLAME」なのだ。ギターとピアノ、それを支えるベースで作る和音、そしてドラムとのコンビネーションを初めて意識して、さらに初めて指弾きをした曲なんだよね。
練習スタジオの照明を暗くして雰囲気作って気持ちを込めながら練習したなぁ。
俺はこの曲が出来た時にこのバンドはイケると確信したよ。まだ何にも決まってない只のプータローバンドだったけどね。今でも当時のことが蘇って、簡単なんだけど楽しい曲だな。
「もしも君が迷ったなら」
「State of love」
「PINK」
この辺りで「脱ルート弾き」を意識し始めたんだよね。ROCKベース=ピック弾きルート弾きという自分的な縛りから抜け出そうと足掻き始めた頃だな。アンサンブルの上で何が出来るか模索し始めた。実は俺は音楽理論の知識が全くないままプロになってしまったので、「なんとなく」で弾いてる事に限界を感じていた。だって「メジャースケール」と「マイナースケール」すら知らなかったんだぜ?信じられないだろ?それでプロになっちゃったんだぜ?プロを目指して真面目に音楽やってる人に怒られちゃうよな。ホントごめんなさい。
ここでアンサンブルを意識し始めて、ルートをなぞるだけのベースからの脱却をしてベースを弾くことが楽しくなったのさ。
「航海」
album「little circus」から「マテリアル」の辺りでSOPHIAは「脱アイドル」へ踏み込んだ。
デビュー時からバンド系アイドルのような路線で売り出され、パジャマで撮影したり子供の様にはしゃいでる風の撮影をしたりで、俺は心底ウンザリしていた。ほかのメンバーがどう思っていたのかは知らないけどね。
ファンも俺たちをアイドルとしか見ていないので非常識な「追っかけ」やメンバーを友達扱いするような輩も多かった。アイドルを仕事にしている方々には尊敬の念しかないが、俺はアイドルではないし、ファンに愛想を振りまくこともしない。そのフラストレーションが形になったのが初武道館公演だ。
俺は衣装こそ着せられたが一切ヘアメイクをしなかった。もう嫌だった。それがサウンドにも表れるようになり、どんどんソリッドなサウンドになった。俺的なその究極が「航海」だ。どこまでブレないで同じ音を弾き続けられるか?どこまでズレないリズムで弾けるか?当時の俺が出来る限界まで突き詰めたレコーディングだった。もう二度としたくないレコーディングのスタイルだね。でも、このおかげでベーシストとしての土台が出来たので今はブレてしまうことも楽しめるようになったよ。
album「進化論」
「ALIVE」「マテリアル」で妙な世間的評価を受けてしまったが、俺はそれがまた嫌だった。ワガママですまんな。
album「マテリアル」制作中に俺は既にナチュラルメイクとかソリッドとかに嫌気が差していたので髪をソフトドレッドにしたり真っ白にしたり真っ赤にしたりしていたし、服も派手なものに変えていった。当然それは楽曲のアプローチにも繋がり、「ベースって地味だよね」と言われないために、またも「脱ルート弾き」モードに突入していた。
そこでこれまでの自分からの脱却のために、あるベーシストのサウンドに注目した。「佐藤研二」さんだ。唯一無二のプレイとサウンドなので真似など到底出来ないのだが、「進化論」「KURUKURU」「STRAWBERRY&LION」などは俺なりに受けた影響が色濃く出ている。
「BROTHER&SISTER」
佐藤研二さんから勝手に受けた影響は少しずつ自分なりに消化され、OVER DRIVEというエフェクターを全ての曲にかけっぱなしにするという今のスタイルが出来た。更にこの曲辺りでスライドで音を繋げていったりマイナーコードにメジャースケールをぶつけにいく今のスタイルになった。
こういった曲が結果的に当時の俺の「勝負曲」だったんだよな。
その後は4弦3弦しか使わないとか弾きまくるとかするようになり、当時やっていた「Ozone Door」「MARK MUFFIN」「THE 裏ワザ」「NSDP」というバンドではSOPHIAの数倍メンドクサイ曲をやっていた。
そして今、また新たな自分に出会うべく練習している。
これが楽曲になるかはまだ分からないけどね。
もし形になったらそれが俺の新しい「勝負曲」になるんだろうな。