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マジンガーZの作り方

劇団ヘロヘロQカムパニー•通称ヘロQの第39回公演「立て!マジンガーZ!!」を観劇してきた。
実はヘロQは個人的に一番好きな劇団で、これまでに何度も観に行っていて毎回楽しい思いをさせて頂いている。
シリアスからミステリー、コメディ、ハードなアクションまで何でもこなし、大掛かりなセットから力技のパワーマイムまで本当に器用な劇団だと思う。特にヘロQのパワーマイムは俺のお気に入りである。
高い演技力はもちろん、脚本も演出もテンポ感も俺好みなのだが、これは座長である関智一さんや、長沢美樹さん、那珂村たかこさん、置鮎龍太郎さん等と年齢が近く俺が一方的にシンパシーを感じていることも理由の一つなのかな?と勝手に思っている。生意気言ってスミマセン。
 
そのヘロQがなんと、あの永井豪の名作“マジンガーZ”を舞台化するというではないか。これは見逃す手はないと初日を観に新宿にあるスペースゼロに出かけた。

マジンガーZと言えば“人間が乗り込み操縦する初のスーパーロボット”であったり、「超合金」という言葉の生みの親であったり、1970年前後の生まれの男に突き刺さりまくる作品である。
ちなみに、俺はマジンガーZの大ファンである。

子供の頃は超合金もジャンボマシンダーも持っていたし、原作本も全巻持っているし、コンバットジョーのマジンガーver.もフィギュアも持っている。
話が逸れたが、そのマジンガーZの前日譚である今作品はヘロQの魅力が全部詰まった超お得な作品であると断言する。
「マジンガーZ」という作品を軸に、原作では描かれなかったマジンガーZ完成までのストーリーをしっかりと描写している。これまで、原作ありきの舞台や映画をいくつか見たが、その多くは演者、脚本家、スポンサー他、誰かしらの愛や熱量が足りず、演劇として破綻していた。
が、今作は原作に登場する様々なキャラクターをヘロQらしい愛を込めて再現し、原作では描かれることのなかったキャラクターを火傷するほどの熱量で作り上げている。
シリアスな部分でもヘロQならではのコミカルな演出があるが、決してフザける事もなく物語を確実に紡ぎあげていて、破綻は一切ない。むしろ、これが本当の歴史なのだと思わせる作品になっている。そしてマジンガーZを知らない人にも非常に分かりやすくなっているのも流石である。エラソーでごめんなさい。
 
あまりダラダラ書いてもネタバレになってしまいそうなのでこの辺りで切り上げることにしよう。
 
どんなにすごいアイデアも形に出来なければただの妄想だ。どんなにデカいビルも、船も飛行機も、それを造る人がいるから存在している。
俺たちのステージだって、ステージを作り上げてくれるスタッフがいるからみんなの前に立てる。
 
いつでもそこに思いを馳せることの出来る人間でありたい。
 
「立て!マジンガーZ!!」
興味のある方は是非ご覧ください。
観て損はありません。

損したと思った方は関さんに言ってください。うひ。


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