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大学院受験をあきらめて31日ぶりに楽器を弾いた話

ゆるゆる書いています、打楽器や作編曲などで生活している吉岡です。

コロナ禍で演奏や出張レッスンの仕事が吹き飛んだ2020年3月~6月初旬。
毎日がフルタイムフリータイムになった。

3~4月中は演奏動画を作ってみたり、リモートアンサンブルやったり、5月のリサイタルに向けて練習しまくっていた。が、5月のリサイタルも中止。
この際、勉強時間とれるし大学院受けるか!!と意気込み、楽器から離れて読書・勉強しまくる月間を作った!というのが前回までのあらすじだったかと思う。

結論から言うと、今年の大学院受験はあきらめた。
オンライン説明会を受けて、今年受けるのは自分にとって得策ではないと直感的に感じた。
(不思議なことに人間の直感というのは割と当たっていて、経験上かなり信頼できる)

自分自身、何をどういった角度から研究したいのか絞れなかったことが2つの原因のうち一つ。

もう一つの原因は研究計画を書くために必要な資料を集めることが困難なこと。絞り込めなかった原因はここにもあるかもしれない。専門書が見られる大学や研究所の図書館が開いていない。国会図書館も抽選制になっていて、通うことが難しそうだ。先行研究が調べ上げられない。大学院受験とコロナを完全にナメていた。
実際、このコロナ自粛で大学院の博士課程取得にも影響が出ているらしい。

てなわけで、受検勉強のため楽器から31日間はなれた。
(本来は入試の日まで約90日間はなれる予定だった)
入試が終わるまでの演奏の仕事はほぼ全て吹き飛んでいた。

子どものころから毎日のようにピアノを弾いていたし、中学で吹奏楽部に入部、打楽器に出会ってから高校~大学~ディプロマ科~そのまま仕事になったので、練習しない時期なんてものは存在しなかった。今まで、楽器を練習しないということが怖くてたまらなかった。

いずれにせよ、自分の中に納得いかない何かがあり、楽器に向かう気持ちが薄くなっていた。

恐怖しながら、一方で好奇心を持ちながら、楽器から1か月はなれた。若い頃だったら絶対できない。これが大人の余裕なのか、とか思いながら。

結果、最高にエキサイティングな経験となった。

31日ぶりにたたいたマリンバ。
マレットの重さ、マレットを動かす指や腕や背中の感覚、それを支える足の感覚、手に伝わる振動、耳に聞こえる音、一音叩いた後の響き、すべてが新鮮だった。

「アンパンマン、新しい顔よ!!」
と頭を入れ替えたらこんな感覚になるのだろうか、とさえ思った。

そして、意外と弾けた。
大好きな曲も、仕事で使うレパートリーも、暗譜が飛んでいない。
体調が優れない時のように身体がついていかない、ということもない。
(ただし、精度はイマイチ。)

思ったような後退はしていなかった。むしろ新鮮な、あたらしい感覚と視点を手に入れたらしい。

コロナ禍は困ったものだけど、上手く利用して貴重な経験ができたなぁ…と謎の充足感を味わっている。なにこれ。

31日やそこらで身体で覚えたものは消えない。
いや待てよ、31日そこらで頭で覚えたことは簡単に忘れるのかもしれない。

短い受験勉強で獲得した英語や知識が無駄になったら嫌だ。

こうして吉岡の受験勉強は一生続くのであった。(続くのか?)

つづく。




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