身分証が全部アプリになったら、サイフがいらない未来が来るかもしれない
ちょっと前の記事ですが、慶応大が主導して次世代のデジタル認証基盤の実証実験を進めています。
豪華な参加企業たち
こういう取り組みにけっこうマイクロソフトが出てくる気がします笑
本国のテクノロジーの強さを背景に、日本法人としては今後の市場確保においてポールポジションを取るためにもいろんな領域に根を張ってうまく動いているな、って印象です。
それと慶応大SFCといえば、こないだ内閣官房参与に参画されることになった村井純氏の古巣。むう、この実証実験はかなりのスケール感を感じます。
ちなみに今年頭には村井教授の最終講義も行われました(インターネットに携わる人なら必読だと思います、書き起こしなので臨場感すごいです)
サイフを持たなくなるというインパクト
折しも現在はコロナ禍もあってキャッシュレス化が高速で進んでいます。その横で身分証のデジタル化まで実現したら、いよいよおサイフを持たずスマホひとつでお出かけできる日が来そうです。
わりと自然な流れにも感じられるかもしれませんが、これまできっと何百年も人類はおサイフを持ってお出かけしていたんでしょうから、それがなくなる(違うものになる)って、まあまあ文化的な変化だと思います。
ちょっと飛躍させますが、お金と身分証とは、これすなわちクレジット(信用)そのものです。スマホに実装できるなら、ウェアラブルにすることも簡単でしょう。自分の身につける(≒一体化する)ことができたら、これまであった「自分の身分を自分自身では証明できない」みたいな哲学的な問に終止符が打たれるかもしれません(大学の哲学の講義でやった古の記憶・・)
残高やExpire dateを確認したければディスプレイ(端末)があったほうがいいでしょうか。そんなのはBluetoothで通信すればいいので、モニタはメガネでもコンタクトでもいいでしょう。
恩恵として、おまわりさんに職質される前に怪しいもんでないことは証明できるわけですし、お店でお買い物するときは現金を仕払う行為自体も不要です。プラスチックのカードをスキャンしてもらわなくても「私です」で通っちゃいそう。なんて未来。ほらAmazon GOの世界がすぐそこに。
本人確認と金融機関
個人的には金融機関の勝ち筋はここにあると思っていて、金融機関が行政に代わってKYC(Know Your Costomer≒本人確認)を提供すれば合理的です。もともと金融機関も行政に劣らぬ個人情報を抱えていますし、しかも行政にはない機微情報まで持っています。
その分、歴史的に金融機関は超がつくほど個人情報を厳格に運用しています。ガチガチです。この積み重ねを生かさない手はない。
出生、転居、結婚、死亡など、自分のステータス更新のためにあっちゃこっちゃ変更して回るなんてアナログなことせんでも、銀行アプリでステータス変更をポチったらすべての登録先にばっと反映されるのがいいです。
生活がめちゃ便利になりそうな反面、監視社会とかプライバシーの安全性とか、気になる問題は山積するんでしょうが、それでもおサイフにお金とプラスチックカードを持ち続けるのはフリクションだと思います。
それにもし自分に万一のことがあったときに、運悪くポケットにおサイフが入ってなかったら身元確認してもらえないですし(想像するのもイヤですが・・)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?