大学受験 人物重視の入試に備えた「自己分析」の方法をご紹介【167】
大学受験に10年以上関わってきた経験を活かした情報発信をしております。これまで複数の記事に分けて、大学入試「総合型選抜」に関する情報をまとめてきました。この記事では、最後に最も重要な「自己分析」に関する内容をまとめておきたいと思います。今回のポイントは「時間軸に沿った自己分析」です。
簡単なようで意外と難しかった「自己分析」
試行錯誤だった私の自己分析
私が志望理由や面接・小論文を経験したのは、大学受験の時と教員採用試験の時でした。高校生の時は受験では使いませんでしたが、どうして良いのかさっぱり分かりませんでした。
また、大学生になり教員採用試験を受ける時も、やはりどうして良いのか分かりませんでした。その中で、学校の先生に「なりたい!」という思いから、それまでの自分の生き方などを振り返り、それらを自分の中で整理して準備を進めることができました。
10年以上に及ぶ指導で見えてきた「自己分析」のポイント
実際に高校教諭になってからは、大学や専門学校のAO入試対策に加えて、工業高校で就職のための履歴書作りや面接・小論文の対策も行ってきました。そして2校目では、有名私立や国公立大学のAO入試や公募推薦での志望理由書、面接、小論文、プレゼン、グループディスカッションなどのサポートをしてきました。
就職や進学など広い範囲で生徒たちの自己分析をサポートする中で、最近私の中での「自己分析」についての考えがやっとまとまってきたので、今回の記事にさせていただきました。
また、今後の記事ではより具体的に志望理由書・面接・小論文の対策についての情報発信ができればと思います。
自己分析の前に
「総合型選抜」にはいろんな試験内容があるけれども、共通して問われることがあるという話をさせていただきました。それが以下の6つです。
これを一旦、時間軸に沿って並べ替え、それぞれ過去・現在・未来に分けて、生徒自身の考えや経験などをまとめていきます。先ほどの6つをこの時系列に沿って並び替えますと、
「過去」のところには、「高校生活」「自己PR」が来ます。これは、高校生活を振り返り、
自分が得意とすること、アピールできるポイントなどを探します。つまり、高校生活を振り返ることによって、自己PRのアイデアも浮かんできやすいということです。
次は、「現在」についてです。今進学に関して考えていることが「志望理由」に現れます。また、その中に「専攻分野」に関する考えも含まれてくるので、志望理由と一緒に考えを整理してもらうと良いかと思います。
そして「未来」では、大学でどんなことを学びたいのか、大学卒業後にどのようなキャリアビジョンを描いているのかについて考えをまとめてみてください。
このように、時間軸にもとづいた振り分けは、ただ考えをまとめやすくするために用いているものです。そのため、それぞれの要素が他の時間軸に関わるようなことは十分にあります。
時間軸にこだわりすぎず、1つの参考として考えをまとめてみてください。もちろん授業の中でお手伝いさせていただくことも可能です。
考えたことは必ず「共有」しよう!
新しいアイデアを出したり、そのアイデアを深めるための、「一人で考える時間」というのはとても大切です。しかし、その過程だけでなく、その後に、考えたことについてそれを誰かに聞いてもらうという過程を付け足していただきたいのです。
それは、保護者の方でも友達でも先生でも構いません。実際に考えたことを言葉にして、頭の中を整理することも大切なので、それを忘れないようにしてください。
きっと自分では忘れてしまっていたエピソードを思い出させてくれたり、話している中でそこにたどり着くことがてきます。
テーマを決めてとことん掘り下げる
自己分析をするとなれば、自分の性格だったり内面的なものから始める方も多いかと思います。ただ、自分自身を漠然と見るというのは意外と難しいことではないでしょうか?
そのため、私は具体的なエピソードを思い出しながら、自己分析を進めてもらうことをおすすめしています。しかし、ただ思い出をつらつらと思い出していくだけではまとまりがなくなる可能性があります。できれば「キャリアや専門性に関する」ことを中心に考えてみてください。
もちろん、他のことを考えている時にそこに急につながることもあります。そのため、「キャリアや専門性に関するところからぐるぐると考えを広げていくと良いです。
ここでは、時間軸を意識しながら進めると効果的です。例えば、今持っている興味をこれからどう広げていきたいのか(これは現在から未来)、そもそもその興味は何がきっかけなのか(現在から過去)、など何か思いついたことから書き出してみてください。そして、次のポイントにつながってきます。
ブレインストーミングを大切に
自分について考える出発点というのは現在からでも未来からでも、あるいは過去からでも構いません。
また、いきなり入試で使えるような良いアイデアを出そうとすると、なかなか前に進まないことが多いです。とにかくアイデアをたくさん出すことに注力すると良いです。
イメージとしては、散らかった部屋の中で、その時見つけたいものだけを探しているとなかなか見つかりませんが、以前探していたのに見つからなかったものが見つかるというような感じです。
そして、アイデアをたくさん出す時はとにかく考えついたことを紙に書き出してください。この時は、スマホやパソコンで打ち込むよりも紙に自由に書く方がアイデアはたくさん出しやすいと思います。アナログな考えですが、手を動かすことで脳に刺激がいくからです。
どんなエピソードも「捉え方」と「伝え方」次第
自己分析の途中でよくあることが、「こんな話でもいいんですか?」「こんな場合でもアピールになりますか?」と不安になることです。
これについては、自分がどのように捉えるのかにもよるし、どう表現するかによって伝わり方は全く異なるものになります。
そのため、ご自身でそれがアピールできるものなのかどうかを判断したい場合は、それが自分なりに何かを考えて行動したことだったり、試行錯誤によって学んだことがあるのであれば、基本的には問題ないと判断していただきたいです。
たとえ、自信のないエピソードであったとしても、必ずそれは自分の考えの中に入れておいていただきたいです。そうすると、これまでに気づかなかったアイデアやエピソードにつながる可能性があります。
そしてこういった自己分析をしている中で、らっとご自身の性格などが見えてくることもあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が、高校生の進路選択に役立つことができれば何よりです。
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