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オランダ現地校の行事"Sports Dag"(スポーツデイ)のボランティアをして感じた「海外で子育てする時のヒント」【Aflevering.195】

私がボランティアとして参加して気付いたこと

 今回のボランティア参加は、言語が苦手な私にとって大きなミッションでした。緊張や不安を1人で抱えていましたが、子どもたちや保護者、先生とたくさん関わることができたので、参加して本当に良かったと思います。
 「まだまだオランダ語がうまく話せなくて、時々英語が混ざっちゃうんだけどごめんね。」と私がいうと、「何の問題もないよ。君はオランダ語を上手に話せているよ。いろんな人と話ができるからいい練習になるね!むしろここに来たことが素晴らしいんだ!」と前向きに何事も捉えてくれる人達。オランダで暮らす人達の価値観は私にとっては本当に心地よいものです。
 以下、私が勇気を出してボランティアをして分かったことをまとめておきたいとおもいます。

子ども達の日頃の様子や学校の雰囲気が分かる

 行事に参加すると子どもたちとの距離もグッと縮まります。また、日頃娘から聞いているだけの子どもたちや学校の様子が手に取るように分かるので、親として安心できるところもあります。
 また、自分の子どもが先生や他のお友達とどんな風に関わっているのかも見ることができます。

学習言語が母語あるいは継承語でない場合こそ、保護者が積極的に学校に関わった方が良い

 今回は初めての屋外イベントでもあったため、娘は少し不安だったそうです。
「明日楽しみやけど、どんなイベントか分からんからちょっと心配やわ」
と娘は言っていました。
それに対して私は、
「初めてやから緊張するね!確かに、お父さんもオランダ語少ししか話せへんから〇〇(娘の名前)と同じ気持ちで少し不安やけど、なんか特別なイベントやから楽しみやん!お父さんも同じ場所にいるから何か困ったらおいで、一緒にどうしたらいいか考えよう!」
と伝えました。

 当日の娘の様子を見ていると、後半チームにクラスメイトや友達が少なかったせいもあったせいか、うちの娘は少し控えめな感じでした。いつも家で友達の話をたくさんしてくれたり、学校の友達とプレイデートをするのが大好きな娘ですが、今日は消極的な様子です。もちろん、他にも同じような子がいます。ただ、私も含めそれを「一人でいないで遊びに行きなさい」「ほら、◯◯ちゃんのところに言っておいで」のような子どもの気持ちを無視するような事を言う人もいません。そして、「元気かい?いい天気だね」や「何かやってみたい遊びはあるかい?」など優しく話しかけてくれる大人がいたり、自分から何かをすることを待てる雰囲気の中で、娘は何かやろうと思ったのか、鉄棒をしたり友達と船の遊具で楽しく遊んだりしていました。
 また、オランダで育った子どもたちの遊び方も自由で、自分で遊びたいものを選んでいます。1人で遊びたい時は1人で遊ぶし、他の子がどうしているとかはそんなに関係はなさそうです。
 そして、娘も男女問わずいろんなお友達と楽しそうにお話ししながら遊んだり、アクティビティを楽しんでいる様子も見られて安心しました。
 それにしてもうちの娘は、先生や大人の話をよく聞いています。そして、指示を聞いた後はさっと行動に移しています。これは以前先生から聞いていたことですが、彼女の真面目な性格がよく出ています。たまにはリラックスしてね。

 こういった家庭の外の我が子の様子を見られる機会はなかなかありません。文化や価値観が異なる社会の中で、自分の子育てを振り返るきっかけにもなりました。

少し不安になった時に親が側にいるから安心できる

 オランダ語に慣れてきたとはいえ、娘もオランダ語の環境ではストレスに感じることも多々あるのではないかと思っています。
 だからこそ、言語ができなかった私も変わらなければなりません。それで娘の不安を直接取り除けるわけではありませんが、オランダに住むと決めたからには、言語の問題は家族みんなで取り組むべきことだと思っています。  
 また、保護者が子どもの学校の雰囲気や友達、先生のことを知っていると、「ああ○○(友達の名前)ね!」とか「◯◯先生ね!」と子どもが見ている世界を少し共有することができるので、子どもも少し安心できるのではないでしょうか。
 自分が変わろうとする姿勢を見せたり、私自身も学校や文化が分かっていることで、子どもの不安やストレスが少しでも和らいでくれたらいいなと思っています。

 スポーツデイの当日、娘は時折僕のところにきてギュッとハグしたり、一言二言話をするとそのまま自分の活動場所へ戻っていきました。日本語を少しだけ話せる相手がいると安心なのでしょう、とにかく心の充電ができる場所があってよかった!
 また、私が他の子どもたちとオランダ語で関わっている姿を見て、「今日もお父さんオランダ語でよく話してたね!」と褒めてくれました。

「学校のことは分からないから、全部子どもに決めさせている」
 たまに保護者の方からこういった話を聞くことがあります。程度の問題もありますが、やはり母語でない言語で学ぶというのは、子どもにとっては相当な負担になっているとも考えられます。そんな時、自分の学んでいる状況を少しでも保護者が理解してくれてたら心強いのではないでしょうか。自主性と放任の境界線は難しいですが、そこは保護者としてしっかりと考えるべき課題です。そして、子どもが学んでいる言語を保護者が理解できないと、子どもが今後不安や悩みに直面した時に一緒に向き合ってあげられない恐れもあります。

つまり、言語に不安がある環境にいる子だからこそ、保護者が学校の活動に入ることは重要だと感じました。娘が大人と関わっている姿や他の子たちと遊んでいる様子を間近で見て、自在に操れない言語環境の中でよく頑張っているな!と改めて思います。

 私もこういった前向きな気持ちになれるまで2年かかってしまいましたが、海外で子どもが安心して毎日を過ごすために必要なことを改めて学んだような気がした1日でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

緊張したボランティア終わりの開放的な気持ちだった帰路で、
消防車の豪快な放水を見ました。爽快!

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