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子ども時代にハマった平成のアニメ「爆走兄弟レッツ&ゴー」を分析【214】

 今回は私の趣味の1つである好きなアニメの魅力について記事を書きます。現在、ヨーロッパ旅行に出かけており、移動中にアニメを観る時間が増えたので思い切って書いてみました。旅行で感じたことについては後日まとめて記事を書きます。

 私は昭和63年に生まれ、小学生の時にはドラゴンボールや名探偵コナン、ワンピースなどのアニメが放送されていました。
 また、朝のおはスタや平日夕方のゲーム紹介番組(番組名を忘れてしまいました)などもあり、マンガやアニメの最新話を楽しみに過ごした子ども時代でした。

バンダイチャンネルHPより

 その中でも、子ども時代にドンピシャだったアニメがあります。それは「爆走兄弟レッツ&ゴー」というアニメです。私は、シーズン1とシーズン2にあたるWGPまでの話がお気に入りです。

 マンガもかつて読んでいましたが、それから年齢を重ねるにつれてだんだんと他の物に興味が移っていったのです。

 現在私の仕事は、子どもを対象とした日本語教室の講師です。教室に通う子どもたちの日本語や日本の文化に親しんでもらうために、親しみやすいマンガやアニメがあると何か良いものはないかと探していたところ、たまたまバンダイのホームページから「爆走兄弟レッツ&ゴー」のアニメが観られることが分かりました。
 私自身、海外生活の中で日本語に飢えていた状況もあり、初めはただ単に「懐かしいなー」という気持ちで見始めたのですが、これがなんと30歳を越えた今でも楽しめるアニメだということがわかり、再び大ハマりしてしまったのです。

 「爆走兄弟兄弟レッツ&ゴー」は、今でも大好きなアニメで、仕事終わりに暇を見つけては子ども時代を懐かしみながらアニメを観るようになりました。すると、いつの間にか娘も興味を持って観るようになり、彼女もすっかりお気に入りのアニメになってしまったのです。
 おそらく、娘はマシンの名前とメインのキャラクターの名前は全部把握しているので、この令和の時代に生きる7歳の子にしてはかなり詳しい方ではないかと思うぐらいにハマっています。笑

子どもの日本語力の向上にアニメ(子どもが好きなもの)を使う

 海外生活の中では、日本語そのものに触れる機会は限られています。そのため、アニメを観ることもただの時間の浪費にするのではなく(もちろん娘が好きなアニメも時間を決めて観ていますが)、娘と日本語に触れる習慣として活用しています。
 また、時には作品の話の展開について2人でディスカッションをします。娘にとってみると「学んでいる」という感覚はないと思いますが、単純な因果関係を捉えたり、話の伏線、人物の心情や立ち位置の変化が作品にどう影響するのかなど、分析したりそれをアウトプットする楽しみを味わう体験をしてもらっています。
 考える自体は面倒で大変なことです。しかし、その作品が好きであれば、好奇心が先に湧いてくるので、楽しみながら思考力を鍛えることができます。娘はいつも私の問いかけに一生懸命考えて自分の答えを出そうとしてきます。

 既にマンガもアニメも一旦は終了し、マンガに関しては続編が出ているそうです。当時、日本での忙しい日々の中ではまったく振り返ることができなかった「アニメの魅力」に現在は浸ることができているのです。

 また、職業柄からかもしれませんが、心を動かされたものに対してそれを分析する癖があります。かつての少年時代の私を魅了し、今も大好きな「爆走兄弟レッツ&ゴー」のストーリーやキャラクターの魅力について分析をしながらまとめていこうと思います。
 マンガは日本を出る時にもう既に手放してしまい、海外では手に入れることもできないので、アニメ版の考察が中心になります。

 同じ趣味をお持ちの方や、興味を持っていただける方と「爆走兄弟レッツ&ゴー」やミニ四駆の魅力についてつながることができたら幸いです。

私が魅力を感じる要素

 これから「爆走兄弟レッツ&ゴー」についての魅力をまとめていくわけですが、私が一般的にアニメで魅力を感じるものについてまとめておきたいと思います。ここからは、古いアニメではありますが、ネタバレの要素もありますのでご注意ください。

キャラクターの成長

 なんと言っても、キャラクターの成長を見られるのがアニメの良いところです。これはマンガや文学でも同じことが言えます。
 私が今回ピックアップしたこの作品では、いろんなキャラクターがそれぞれの成長を見せてくれます。例えば、星馬豪がスプリングレース前に、マグナムセイバーのコースアウトを防ぐためにどうすれば良いのかを考えたり、WGP編でビートマグナムの飛び魚のような走行をするために何が必要なのかを一所懸命考えていく中で、ヒントを得てそれを実現に向かわせます。
 また、娘が大のお気に入りのキャラクターである「J」の成長も素敵です。彼は大神研究所でレーサーとして育てられます。初めはプロトセイバーというバトルマシンを所有し、自分が生き残るため、勝ち上がるために他のマシンを傷つけていたのですが、主人公の烈や豪との関わりの中でマシンを愛する気持ちを取り戻し、土屋研究所で自分でマシンを設計するようになります。
 このように、単純にキャラクターを悪役などで固定するのではなく、キャラクターの心情に変化が現れるのが何よりの魅力です

 また、キャラクターを襲う悲しい出来事や、何かに挑戦するためにもがいている姿、大きな目標を達成する瞬間など、異世界の出来事を疑似的に体験できます。そういった中で、その世界に入り込み、同じく喜びや悲しみを一緒に感じることができるのも魅力の1つです。

人物同士のかかわりや関係性の進展

 この作品では、主人公に限らず、他の登場人物にも焦点が当てられています。みんなそれぞれに得意なことや苦手なことがあり、視点を固定せず、それぞれの異なる背景があるところが面白いです。また、そういった違いがあるからこそ協力して共に成長する大切さを教えてくれます。
 例えば、沖田カイの心情の変化は、作品の中でしっかりとフォーカスされておりとても印象的です。彼は、切り裂きジャック騒動やサマーレースなどでバトルレースを世間に広めた人物の1人ですが、ライバルである鷹羽リョウとの度重なるレースやSGJCでの星馬豪からの言葉に心を揺さぶられ、最終的にはバトルレースを否定する側になります。そして、WGP編ではマシンを愛し、サバンナソルジャーズのコーチとして、正々堂々とレースをすることの大切さをメンバーに説くようになります。
 また、ここでは詳しく述べませんが、バトルレースの先駆けであるブラックセイバーの持ち主、黒沢太の心情の変化も特筆すべきです。

 こういった、単純な正義や悪などで決めつけるのではなく、登場人物が関わりをお互いに持ちながら心にも変化が起こることで、作品の味わい深さが増していきます。

 星馬豪と烈は、Jのプロトセイバーに大切なセイバーを火山口に落とされてしまうというトラウマ級の話があります。この時2人は深い悲しみに襲われ、一時はレースをやめようとしますが、この後参加する藤吉カップというレースで海に落ちたJを助けようとします。
 もしこの時、2人がJを完全に敵視し関わることをしなければ、Jは土屋研究所に来ることもなく、その後豪とJが共同で開発する豪の3代目のマシン「サイクロンマグナム」は誕生していなかったと言えるでしょう。かつて自分達を深い悲しみに突き落とし、敵として見るしかなかった相手を受け入れることで、新しい変化が起こるというのは人生の教訓になります。

 また、「爆走兄弟レッツ&ゴー」に登場する大人の子どもたちへの関わり方がとても魅力的です。これは、現代の親が学ぶべきことがあると思っています。
 この作品に出てくる大人たち(特に土屋博士や佐上模型店のおっちゃん、岡田鉄心先生)は、子どもたちが困っていても答えは出さず、子どもたちが自分で答えにたどり着くように見守る姿勢をとります。たとえ子どもが悩んでいても、親や周りの大人が答えを与えるのではなく、ヒントを与えたり、共感し見守ったり、時には敢えて大変な状況に追い込もうとする姿は、私もハッとさせられるところがあります。

 それとは対照的に、大神研究所の大神博士は、完璧にセッティングしたマシンを子どもたちに与えますが、最終的にはレーサーの誇りを持った近藤ゲンや土方レイがマシンに手を出します。そういったところも含めて、大人の子どもへの関わり方をもう一度考え直させてくれる作品です。

 子どもの時に何気なく見ていたアニメですが、親になって観てみると視点がこれまでと違い、大人として感じる別の味わいがあります。

心躍る演出

 また、アニメには迫力ある演出があります。マグナムトルネードやマグナムダイナマイト、トライダガーの壁走り、その他バトルレースでのバトルシーン、ゴール直前の熾烈な争いなど、「かっこいい!」と感じる技や手に汗握るシーンも見どころです。
 何度もアニメを見て結果を知っている私ですが、何回観ても興奮が変わらないのが不思議なぐらいです。

 今回は自分の趣味として、好きなことを記事に書きました。同じ趣味をお持ちの方とのつながりが持てたら嬉しいです。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

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