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「子どもへの寛容と尊重」私が出会ったオランダの保護者にある魅力 - ビーチで1年間お疲れ様クラス会その①【007】

 先週から私の娘が通うオランダの小学校が夏休みに入りました。オランダの小学校は日本よりも2年間長く8年間通います。娘も1年生にあたるgroep1が終わり、9月に再び登校する際には新しい学年として新年度を迎えることになります。この1年間は、オランダ生活スタートという彼女にとっても大きな環境の変化で、ストレスを感じたこともあったかと思うのですが、本当に毎日よく頑張ってくれていました。彼女の「学校大好き!」を毎日聞けて本当によかったと思います。そんな1年の終わりを迎えて、クラスの保護者達で集まり、ご飯を食べたりビーチで子どもたちを遊ばせよう!という企画がありました。娘が学校に通い始めた昨年(2019年)の秋にもこのようなクラスの保護者が集まって食事をしたりみんなで話したりという機会があったのですが、私はまだ日本で働いていたため参加できず、妻が1人で参加してくれていました。

話せない自分が参加しても良いのだろうか

 オランダ語がほとんど分からず、英語もまだまだ辿々しい私にとってクラスの集まりはハードルの高いものでした。しかし、娘はオランダ語の環境の中でこれまで頑張ってきたわけで、保護者がチャレンジする姿勢を見せないわけにはいきません。また、自分も「オランダの教育」について学ぶのであれば、オランダに暮らしている人たちと話をするのはとても貴重な機会だとも思いました。
 クラスにとって考えてみても、保護者同士が互いを知り合いつながりを持っていることで子どもたちが仲良く幸せな日々を送ることができるとも思います。そして、何よりも移民である私たちがなぜオランダに来てこの学校に通わせているのか不思議に思っている保護者の方もいると思ったので、私たちという人間がどういう人間なのかを知ってもらうことが相互理解にとって必要だと感じていました。

子どもを心配しすぎない、自分も楽しむ保護者の姿勢

 ビーチで行われたクラス会では、お店のテーブルをいくつか借りて、みんなでご飯を食べるというスタイルでした。欧米の人たちはとにかく話すのが好きです。また、保護者は皆当然オランダ語で話しているのですが、私たち夫婦が話に入っている時は英語で話してくれました。言語をスムーズに切り替えられるというのは私にとっては驚きであり、それは彼らにとってみれば日常的に行われていることなんだと思います。

 大人は大人で話すのに夢中。子ども達は子ども達であっちこっち好きなところへ行って遊んでいます。自分の子どもがどこに行ったのかもはや分からないという状況も多々起こりました。連れ去りや何か事故などに遭ったらとついつい考えてしまいますが、それよりも子ども達が好きなところで好きな遊びをさせてやるという感じでした。これは私の想像ですが、日常の親子の会話の中で、危ないことは事前に子ども達に伝えられているのだと思います。1人で不用意に海に近づいたりむやみに遠くに行くような子はいませんでした。

子どもを1人の人間として尊重する親たち

 ビーチでの楽しいひと時において、私が感じたオランダの保護者にある魅力というのは「親の子どもとの関わり方」でした。オランダの子育てに関する本を読んだり、日頃公園などに遊びに行った時にも感じていたことなのですが、

オランダに暮らす人たちは子どもに対して、

・子どもに常に落ち着いた態度で接している
・子どもが興奮していたら、まずは落ち着かせる
・子どもの言っていることをしっかりと聞いて受け止めている
・注意したり何かを伝える場合は、目線を合わせて落ち着いた口調で説明をする
・いちいち細かいことまで注意しない

私が保護者として見習うべきところが多々あります。

 私はついいろんなことに口出ししてしまうのですが、彼らの寛容でありながら愛情に溢れた接し方に学ぶべきところがあり、自分の子どもへの接し方を改善する必要があると感じました。どんなに気をつけていても、まだあれこれと言ってしまうこともあり、その都度反省しています。オランダで生活している人々の子どもへの接し方はとても勉強になります。ビーチで遊んでいて、何かで揉めて泣きながら帰ってきた子どもに対して、その保護者だけでなく他の保護者も優しく声をかけている姿を見かけました。また、揉め事に対して一方的に自分の子どもを責めたりするのではなく、何か伝えるべきことがあった場合は、語りかけるように話をしていました。きっと子ども達の遊びや喧嘩の中にも、学ぶべきことがあると感じているのだと思います。子どもを単に子どもとして見るのではなく、「ひとりの個人」として接しているようです。

「子どもは子どもらしくいて良い」
 保護者だけでなく周囲の人々がそう思って温かい目で見ると共に、何かを伝えないといけない時は、ひとりの個人として尊重した態度で伝える。ついつい、大人の方が周囲に目がいってしまい子どもに余計な気をつかわせたり、必要以上に子どもの行動を制限してしまっているとしたら、それは見直しが必要なのかもしれません。時には放ったらかし過ぎじゃないのかと思うこともありますが、何事もバランスを取るのが大切なんだと感じます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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