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30代「探究学習」ポートフォリオ

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読書や教育関連の学びの記録
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教育を分解して考えてみる - オランダと日本は教育でつながっていた - 金森俊朗氏から学ぶこと③【Aflevering.33】

 「学校の先生は、夜遅くまで学校に残っていたり、土日も学校にいるような環境にいては、学校の外の社会の視点を持てなくなり、今の子どもたちに必要なことが何なのかを考えられなくなる」  これは、金森俊朗氏の書籍に書かれていた通りそのままの文章ではなく、私が少し言葉を付け足して表現しています。  学校の外の視点がなければ、社会の変化に合わせた教育ができないという金森氏の考えは、非常に重要な指摘です。  この考えに出会うまでは、今の業務を減らすというのは、自分の職務を軽んじている、学

人生の満足度を客観的に計測する「人生の満足度尺度」[451]

 イリノイ大学のエド・ディーナーが開発した「人生満足度尺度」という自分の人生満足度について測る質問があります。5つの質問に1〜7の数字を当てはめていきます。日本人の平均は18.9になるそうです。 ・前野隆司、前野マドカ『ウェルビーイング』 ・日本きらめき協会HPより

「自分が今幸せなのかどうか」を客観的に見るための"PERMA"[449]

 2011年にセリグマンというポジティブ心理学の父と呼ばれる博士が"PERMA"を提唱しました。これは、ウェルビーイングに関する5つの領域の頭文字をとったもので示されています。彼は、この5つを満たしている人は幸せだと言っています。私たちの「幸せ」という、重要だけれども曖昧な概念をより分かりやすくするため、子どもたちの幸せを考える前に大人自身がどのような状態にあるのかを考えてみることも大切だと思います。 "PERMA"とは?①ポジティブな感情をもつ人は幸せ  嬉しい、面白い

「お金と幸せ」の関係 - 年収が上がれば幸福度はどんどん高まる、ただし、、、[448]

 2010年にノーベル賞を受賞し、2024年3月に亡くなったダニエル・カーネマンはかつて「幸福度が最も高い年収は7万5000ドル」と発表しました。それ以来は、収入がある一定まで高まれば私たちが感じる幸福は十分になるという考えが広まっていました。しかし、同氏が共同研究を行った結果、2023年にはそれを覆す説が打ち出されました。幸福度が低いグループでは年収と幸福度の上昇は頭打ちになるが、幸福度が高いグループでは年収が10万ドル以上になるとさらに幸福度が高まる、ということが分かった

熾烈な「受験戦争」を勝ち抜いた先にあったもの[429]

 最近、林真理子さんの『小説8050』を読んでいます。自分の受験生時代を思い出したり、これまで受験で苦労してきた高校生を見てきたことから、根本的に「保護者が将来に対して強く不安をもち、その不安と期待と子どもに背負わせること」を社会制度も含めてやめていかないといけないと感じます。  本作品はまだ読み終わってませんが、私もそれぞれの受験(中学受験・高校受験・大学受験)を経験してきました。人生を豊かにするはずの学習は、いつの間にか自分の将来の安定した生活を得るための手段と化し、偏差

子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない[428]

 『ケーキの切れない非行少年たち』を読んでいて、この言葉が最もグッと刺さりました。今日はこの本から学んだこと、感じたことを記録します。  刑務所に入るような犯罪をする人たちは本当に凶悪な性格を持ち合わせた人たちなのか、犯罪に走る前に家庭や学校教育でできることはなかったのか、という思いで一気に読み終えてしまいました。 悪いやつがいるのではなく、悪いことをする脳や心の構造がある トップニュースになるような事件を起こす人たちは、脳に腫瘍があって、衝動を抑えたり少し先に起こりうる

著書『公教育をイチから考えよう』学びのレジュメ【323】

 読書記録です。内容をレジュメ形式にして、自分が見返せるようにしています。概要をつかむのに役立つと思います。詳しい内容を学びたい方はぜひ本書をご覧ください。新しい視点がたくさん詰まっています。 第1章 公教育ってなんだ?1 これでも公教育? ・近代法治国家  国が法律に基づいて人間の「発達の権利」を保障  社会の安定を目指すための未来を築き支える若者の育成 ・混沌としたグローバル時代に求められる力  産業革命以来の産業化と都市化  →経済発展とテクノロジーの発達(正

予測不能な時代の働き方とウェルビーイング【322】

 以前この動画を見て学んだことや自分の考えをまとめましたが、今後の自分の考えの基礎にするために内容をまとめた記事を残しておきたいと思います。 これまでのウェルビーイングへの捉え方経営者サイドからは「経営を阻害する」 労働者サイドからも時間を制約されることで「成長を阻害する」 →働き方改革は会社にとって不要なもののように捉えられていた 予測不能な時代・ドラッガーの「未来」に関する言葉 「われわれは未来についてふたつのことしか知らない。ひとつは、未来は知りえない、もうひとつは

Well-beingを達成する、よい組織の仕組み「周りを幸せにする行動」「幸せな集団」「心の資本」〜GLOBIS知見録の学び【321】

「GLOBIS知見録」で学んだことを記録しています。自分がクラスや組織のマネージメントが必要になった時に振り返るためのものです。  ここでは日立製作所の未来投資本部ハピネスプロジェクトリーダーの矢野和男さんのお話を記録しています。 20世紀から21世紀に起こった変化(日立製作所の資料より)20世紀の社会 需要:社会・産業・生活の共通基盤 供給:工場や拠点での一律な大規模展開 利益源:標準化と横展開の仕組みづくり  →ルールやマニュアルを忠実に実行する人と組織 結果:第一次

Well-beingを達成する、よい組織の仕組み「1日の終え方」「雑談」「信頼」〜GLOBIS知見録の学び【319】

 「GLOBIS知見録」で学んだことを記録しています。自分がクラスや組織のマネージメントが必要になった時に振り返るためのものです。  ここでは研究者のウェルビーイングについて石川善樹さんが発表なさった内容をまとめています。 よい組織の仕組み(石川善樹氏) よい組織の仕組みを考える時のキーポイント 「評価(1日の終え方)」「笑う(雑談)」「敬意(信頼)」 "VERY HAPPY PEOPLE"の研究  「とても」幸せな人々の共通点   収入や学歴の高さではなく「よい友達がい

Globis知見録で「ウェルビーイング」の本当の大切さを学んだ【302】

 今回「予測不能な時代の働き方とウェルビーイング」というテーマの動画を観て「ウェルビーイング」の本当の大切さを学ぶことができました。  今回の一番大きな収穫は、ウェルビーイングという考え方が、個人の取り組みから家族、会社、社会全体に大きな影響をもたらすということでした。これまでは、どちらかというと社会を変えるよりも、まずは自分らしく生きることを追求するというイメージが強くありました。しかし、これを実践することで、家族との時間も大切にすることができます。そして、そういった生活

教育の考え方をアップデートする「時事キーワード」②【272】

 前回の記事に引き続き、これからの教育を考える上で参考になる時事ワードをまとめておきたいと思います。社会の変化に合わせて教育も変わることが求められますが、そのためにはいろんな方向からのアプローチが求められます。特に社会の変化自体を把握し、それに適応できる組織づくりが重要だということが分かりました。 Society5.0 私たちの社会は大きな変化を迎えています。その変化をまとめたものが、人工知能を活用した超スマート社会"Society5.0"です。  私たちの社会は、これま

教育の考え方をアップデートする「時事キーワード」①【271】

 新しい学習指導要領による新たな学びが学校で展開されている中、私たちは子どもたちの教育について考える時に、新しく知っておかなければならないことがあります。  ただ、全てを新しくすれば解決するわけではなく、時代が変わっても大切に残しておくべきこともあります。  今回はこれからの教育を考える上で、私が重要だと思った教育に関する言葉を書き留めておきたいと思います。 リカレント教育 社会に出た大人だって学ぶ時代へ。  学校での学びが終わっても、変化の激しい社会の中では大人も学び続

「非認知能力」は認知能力の土台である〜ジェームズ・ヘックマンの研究【250】

 IQやテストの点数など、目につきやすいものに囚われて、その土台となる学習意欲や忍耐力、努力する力が、その子にどれぐらい育まれているのかを考えたことはありますか?  子どもが学校で取り組んだ学習課題を持って帰ってきた時、例えば計算や文字の読み書きのプリントを見て間違えたところばかりを指摘してしまってしまうことがあるかもしれません。  「勉強ができなければその子が将来は、、、」と心配する気持ちそのものが子どもに余計な不安を与えるようになります。  しかし、目につきやすい認知