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Eduble日本語教室、オンライン家庭教師記録(2020〜)

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オランダのデン・ハーグで運営している学習教室や、オランダ以外の日本その他の国在住の生徒のオンラインサポートの記録をしています。授業で大切にしていることや、私自身が学んで気づいたこ…
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#教育

最も避けなければいけない継承語における「最悪の循環」 - 子どもへの押し付けが奪う学習への興味や主体性[430]

 子どもの日本語を海外で維持する場合、多くの保護者の方がその難しさを感じていると思います。私もその一人で、オランダ現地(あるいはインター)の学校に通う子どもの日本語を維持することは本当に難しいと日々実感します。  私の日本語クラスでは、子どもの習得度に合わせて学習を進めます。その子の年齢に合う学年の内容を進めると、どうしても漢字や語彙の関係から学習を進めるのが難しくなってしまいます。 日本語を海外で継承語として学ぶ場合、日本語という言語がアルファベットを使用する言語に比べて文

2023年までの日本語教室・オンライン家庭教師のクチコミのご紹介[350]

 新規お問い合わせの方は記事の一番下にあるGoogleフォームからお願いいたします(2024.07.30現在)。  2020年に大阪の公立高校を退職してから、オランダのデン・ハーグで日本語教室を開設し、その後オンライン家庭教師の仕事も始めました。  私個人的な話として、日本の学校教育から一度離れ、オランダの学校教育や社会制度について現地での生活を通して学びながら、最終的にオランダでの経験を日本の公教育に貢献できるようにしたいと思っています。  現在のところ、教室での対面レッ

フリーランスで月100レッスンに到達【341】

 2020年に学校教育を離れ約3年半、いつの間にか月100レッスンぐらいを実施させていただけるようになりました。  専門であった世界史と政治経済に加え、表現力に特化した継承語としての日本語学習、論理的思考を身につけることを重視した数学とエッセイ、現実世界の事象を捉えるための理科など、子どもたちが学ぶことを楽しみ、自主性を身につけられるようなサポートを心がけています。  子どもだけではなく、子どもの周囲の生活環境に配慮したり、保護者と情報共有を大切にするなど、2012年から

オンライン家庭教師としての自己紹介【177】

 昨年(2021年)の夏からスタートしたオンライン家庭教師としての自己紹介をさせていただきます。私は、オランダのデン・ハーグにあるEduble日本語教室での日本語学習サポートに加えて、オンラインでの家庭教師もさせていただいております。サポートの対象学年や科目については、以下をご覧ください。 現在担当している学年・科目◯小学生  4年生:国語(日本語学習としての補助)  5年生:算数、社会(中学受験対策)  6年生:国語、社会(中学受験対策) ◯中学生  2年生:社会(

英語のスピーキングが苦手な私が、英語話者の大人の方に日本語レッスンをする【Aflevering.230】

 私は、日頃オランダで子どもを対象とする日本語教室をしています。最近、大人向けの日本語レッスンのご依頼をいただく機会があり、大人向けの日本語レッスンにもチャレンジしています。  日本語レッスンを希望してくれる方は、教室に通ってくれている子の保護者やその知り合いです。そのため、全くの0から始めるという学習者は少なく、それなりに日本語に触れてきた方が会話力を鍛えたり、日本語を学んでいて疑問に思ったことを解消するためにレッスンを受けてくれているという感じです。  そんな大人向けの

海外で育つ子どもの言語環境と情緒〜メリットとリスクを学ぶ【Aflevering.218】

 日本語(母語)がマイノリティである環境で、その力を維持し伸ばしていくために、保護者はどのようなサポートを子どもたちにしていったら良いのでしょうか?  私自身も保護者として、オランダで妻と子育てをしながら、オランダ語と日本語どちらも自信を持って身につけていってほしいと思っています。また、子ども日本語教室の講師として継承語教育のサポートに関わっています。  私が2020年から日本語教室で子どもたちの学習サポートに関わらせていただく中で、多くの保護者の方と子どもの日本語環境につ

時間割やカリキュラムに頼りすぎない「学び」の大切さ【Aflevering.206】

 日本語教室の少人数授業では、90分間日本語習得のために行う授業もありますが、日本のカリキュラムに従った国語と算数の両方を行う授業も行なっております。  今日は国語・算数連続した2科目の授業をする中で、科目の切り替えのタイミングなどについて考えたことを記録しておきたいと思います。 時間割がない?娘が通うオランダの小学校 日本の学校では時間割が組まれ、割り当てられた通りに授業を進めていく学校が大半かと思われます。しかし、そういったシステムは近代化の流れで取り入れられたもので、

「集団の学び」と「個別の学び」【Aflevering.123】

 私は「教育」に対してずっと考えていたことがありました。  それは、学習内容の決定権をどれぐらいの割合で進めていくかということです。それは、年齢や子どもの性格、学習の目的によって変わってきます。  子どもたちの自主性を保ちつつ、学びを先につなげるためにはどうすれば良いのかということを考えていました。  ある時、そのヒントになるものをある書籍から見つけました。教育とは「啓蒙」としての役割を一部持っている、という考えです。  特に幼い子の場合、読み書き計算など社会生活に欠かせな