君の名は・・・

ここ２ヶ月ずっと気になってる声があった。(あ、鳥の鳴き声です。)

ランニングしに行く休日朝の森。
いつものようにちょっとだけ走ったところでメジロを見つけて立ち止まる。勝手に「鳥を見るときは歩いてよい」というルールを作ってるのでへっちゃらだ。
さてもう少し奥へ行こうとしたその時。

「きょきょきょきょきょ」
・・・何あれ？
「きょきょきょきょきょ」
声のする樹の梢を見上げる。姿見えず。全くわからん。
ちょっと離れたところのソウシチョウは相変わらず美しい声と姿だ。いや、あれじゃない。
この前センダイムシクイの声をやっと覚えて調子づいてるところなので、この声の主も押さえたいと思う。その場で図鑑を広げる。わからない。図鑑のカタカナ表記じゃなかなかわからないね。とりあえず仕方ないからスマホで録音する。(一昔前では考えられない！)まあ、家で調べればすぐわかるだろう、と帰宅。

「美しい鳴き声が聞こえる　身近な野鳥図鑑」(宝島社・監修里中遊歩)。QRコードが付いていてスマホで鳴き声が聞ける優れもの。こういうので探すのって邪道かもしれないけどまあいいでしょう。これで絶対わかる。
まず、場所で検索。「山や森林」、かな。あとはサイズ。あの森で見るのは、キビタキやシジュウカラ、ソウシチョウ。じゃあ多分同じようなサイズの小鳥だろうな。
アタリをつけて、それらしいものを聞いてみる。QRコードぴっ。再生。・・・違う。ではこちら。ぴっ。再生。違う。あれ？
じゃあ「草原」の鳥かな？ぴっ。再生。違う。・・・なかなか見つからない。ひょっとして鳥じゃなくてウシガエル？いや、ちがうよなー。結局その日はあきらめる。

次の週末。ゴミ出しに行こうと家から外へ。すると・・・
「きょきょきょきょきょ」
「！」
え、近所で聞こえるの？声の方を探す。やっぱり見えず。でもいるんだな。やっぱり鳥だ。しかもこんな近所で。別に珍しくないのか。でもわからない。ハクセキレイとツバメはいっぱい見えるのに。

YouTubeでも見てみる。検索が難しいので手当たり次第。でもわからない。あれれ。

とかやってるうちに２ヶ月経ってもう６月も後半。まいったなあ。気になってるし、よく声は聞こえるのにまだ正体がわからず。だんだん妖怪を相手にしてる気がしてきた。

子どもと奥さんにも話す。声も聞かせる。なんだろうね。やっぱりわからない。
話が終わる。
雑談は続く。
子どもがおかざえもん(岡崎市の非公認キャラクター。我が家では神のような存在)に会ったという。非常に羨ましい。岡崎繋がりで、話は家康に飛ぶ。戦国武将の話になる。家康、秀吉、信長。「鳴かぬなら鳴かせてみよう・・・」

「！！！」

頭のなかに雷が走った。あわてて鳴き声検索。
「きょきょきょきょきょ」
あったー！

ホトトギス！

全然わからなかった。こんな誰でも知ってる鳥なのに、全然鳴き声知らなかった！ピンともこなかった。いやあ、まいったなあ。でも、２ヶ月ぶりにスッキリ！

ちなみに、「美しい鳴き声が聞こえる　身近な野鳥図鑑」にもちゃんとホトトギス載ってました。小さい鳥だという思い込みで全く気付きませんでした。いやはや情けない。